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2026年度 二松学舎大学・大学院入学式 式辞

2026年4月3日 二松学舎大学学長 佐藤 晋

 東京各地の桜も満開を迎え、新たな生命の息吹が感じられる季節となりました。新たな挑戦を始めるにふさわしいこの日に、多くの新入生を迎え、また多くの関係者の皆様にご臨席を賜り、令和8年度二松学舎大学入学式を挙行できますことに深く感謝いたします。

 二松学舎大学に入学された皆さん、ご入学おめでとうございます。これまでの皆さんのご努力に敬意を表しますとともに、皆さんを支えてこられたご家族や関係者の方々にお祝い申し上げます。
晴れて大学生、大学院生となられた皆さんに、これから二松学舎大学で精一杯勉学に励んでいただくために、少しばかりお話ししたいと思います。
 
 二松学舎大学は1877年、三島中洲によって、現在の九段キャンパス1、2号館の地に、漢学塾二松学舎として創立されました。 以来、建学の精神に基づき教育研究の歴史を積み重ねて来ましたが、来年、創立150周年を迎えることになります。伝統あるこの二松学舎からは、文豪夏目漱石、柔道の創始者嘉納治五郎、女性の権利拡大に努めた平塚らいちょう、さらには国際ビジネスマンの先駆けでアメリカでポテト王と呼ばれた牛島謹爾など、多くの著名人が輩出されてきました。

 現在の学部のカリキュラムでは、各学科等の専門的な科目はもちろんのこと、両学部共通の初年次教育における数理・データサイエンス科目、各種語学科目など、多くのバリエーションを備えています。今後、授業を履修するに当たって、皆さんにはあえて、これまで苦手、不得意だと思っていた科目にこそ力を入れて挑戦してほしいと思います。なぜなら、そうした科目に挑戦し、努力して単位を取得することで、それが成功体験となり、少しでも自身の成長を実感できるようになることが、それまで自分の中に眠っていた能力に気づくことができるきっかけになるからです。そうした経験を積み重ねることによって、何にでも挑戦してみよう、そして思い切りやったらひょっとしてできるのではないかという感覚を身につけていくことが重要です。

 さて、現在の世の中の大きな関心事のひとつに、AIの目覚ましい発展が挙げられます。人間の脳の機能には大きく分けて知性と感情の二分野が存在しますが、AIは今のところ知性の代替または拡張を実現しようとしているにすぎません。もう片方の感情もしくは情念が人間を突き動かす原動力になるもので、それをいかにコントロールしていくかといった問題意識は古代ギリシャのストア派に始まって、近代西洋哲学の祖とも言えるデカルト、さらにはそれを批判したスピノザなど、多くの哲学者・思想家の研究課題となってきました。この知能と感情の関係で言うと、そもそも仕事に取り組もうとするモチベーション、つまり感情がないと、知能の一部としてのAIを使う段階に到達することができないことは言うまでもありません。

 したがって、本学でのこれからの4年間では、感情の側面、すなわち向上・発展欲やモチベーションと呼ばれるような面をも育てていってほしいと思います。具体的には大学生活の中で色々なチャレンジをして、自分の力で何らかの課題を達成したという成功体験を積んでいってほしいと思います。その結果、一般には自己効力感とも呼ばれるものですが、自分は何かに思い切って挑戦したら、実はある程度のことはできるのではないかという自信が身につくことになるはずです。自分の中に隠れた才能があったということに気づくということは、人生最大の喜びと言って良いかもしれません。

 そもそも実際に自力で色々なことにチャレンジした後でないと、自分の能力の限界すら自分で把握できません。また、自分の将来のために必要な知識を身に付けるには、主体的に勉強に取り組むことが必要です。

 皆さんのチャレンジ精神の醸成や、主体的学修への取り組みをバックアップするため、本学では、学修はもちろんのこと、留学や課外活動などを含めた大学生活の全般において、皆さんが積極的にチャレンジできるための環境を整えています。また、チャレンジの際に支えとなってくれる教務課や学生支援課、キャリアセンターや教職課程センター、そして学生相談室といったサポート体制も充実しています。

 こうした体制のもと、これからの4年間、自分の目指すものに向かって勉学に励み、二松学舎大学の学生として充実した学生生活を送っていただきたいと思います。そして我々教職員もまた、全力で皆さんを支援したいと考えております。

 最後になりますが、無限の可能性を持っている皆さんが、本学での学生生活を経て大きく飛躍されることを祈念して、学長の式辞とさせていただきます。

佐藤学長

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