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2022年度 二松学舎大学・大学院学位記授与式 告辞

― 3月15日 ―

 学部をご卒業そして、大学院をご修了なさる皆様、二松学舎大学教職員を代表しまして、ここにお祝いを申し上げます。季節が移り替わろうとしているこの頃、また、ポストコロナの時代が幕を開けようとしている今日、皆様にはそれぞれの新しい活躍が期待されています。そして、君たちをここまで支えていただいたご家族や関係者の皆様、誠におめでとうございます。新しい時代に生きる立派な若者たちの門出を、ここに皆様と一緒に喜ぶことができました。

 二松学舎大学は、1877年に中国古典を学ぶ漢学塾として出発しました。そこは、西洋近代の視点とはまた異なった漢籍による思想文化を学ぶ場所でした。明治近代を相対化できる視点がありました。併せて、創設者三島中洲をはじめとして、師も塾生たちも、いわゆる近代的な学校教育だけでなく、ここを学寮として共同生活が行われ、人として正しいこと、人としてなすべきことは何かを一緒に考えていたようです。

 二松学舎大学に学んだものとして、先輩方に続き、この社会でさまざまにそして大いに活躍していただきたいと思います。また、漢学塾由来の学び舎で学んだものとして、西洋由来の近代を相対化できる、世界市民としての国際性を持っていただきたい。また、人として正しいことは何か、人としてなすべきことは何かを、自らの活動の根底において、いつも問い続けていただきたいと思います。

 学部そして大学院で学んだことは、人間や社会の原理的な知識とそれらに向けての論理的な思考力であったと思います。これからは、そうした知識や理論そして思考力を基に、自分にとっての新たな力、必要な力、生き抜く力を、皆さんは現実のなかで自ら組み立てていくことになると思います。これからも学ぶことを怠ってはいけません。社会は常に変動し、私たちはいつも応用力を求められるからです。

 私たち二松学舎大学は、漢学塾の時代から、学びの基本を授け、人としての品位を求め、社会での多様な応用力を持つ人間を育て続けています。君たちへの期待は大きく、私たちはより良い社会が構築されることを君たちに託したいと思います。争いのない、不公平や差別のない、正しいことが行える、豊かな社会を築きあげてもらいたいのです。どんな小さなことでも、ぜひ良いことをしていただきたい。やがてそれが、この世の中をより良いものに大きく変えていく、そんな力になることでしょう。

 何よりも、皆様の新たな門出をここに祝うと共に、二松学舎大学も、皆様を支えることができる真摯な学問の場であることに努力したいと思います。
 本日は、誠におめでとうございます。

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