図書館・資料室

 二松学舎は、明治の漢学者、法律家、大正天皇の東宮時代の侍講であった三島中洲先生が、明治10年10月、この大学九段1号館の建つ地に漢学塾二松学舎を創立したのが始まりです。創立当時は、明治新政府が、殖産興業などの施策を展開、教育面では、仏・英など先進国の文化、学術などいわゆる西洋学が華やかなりし時代でした。こうした中、中洲先生は、西洋文明の進んだ部分を自分たちのものにするには、まず東洋の文化を学び、日本人の真の姿を知ることこそが大切であると主張し、漢学を若者たちに教授することで、「道徳心を身に付け、倫理観を醸成することが、一世に有用なる人材を養成するための基本である」と説きました。この考え方を「東洋の精神による人格の陶冶」と呼び、これが二松学舎の建学の精神となっております。
創立以来、中等学校国語・漢文科教員養成を目的とする専門学校の設立を経て、昭和23年に二松学舎高等学校、同24年に二松学舎大学、同44年に附属沼南[現柏]高等学校、平成23年には、附属柏中学校を設立して参りました。また、夏目漱石、犬養毅、嘉納治五郎、平塚雷鳥など多くの有為な人材を輩出し、舎長には渋沢栄一、吉田茂など政界、実業界の重鎮が就任してきました。さらに戦後は、旧制二松学舎専門学校以来の伝統を堅持し、中学校・高等学校教員の輩出校として、社会的な評価を得てまいりました。
かかる長い伝統と歴史を経た本学は、所蔵資料も多岐にわたっており、資料の展示場所として、平成16年5月、九段新校舎の落成を期に、大学資料展示室を開設しました。開設後は、定期的に企画展を開催し、本学が所蔵する資料を順次展示しています。また壁面に掲げたパネルによって、学祖三島中洲先生の生涯や本学の足跡、本学に学んだ著名人等を紹介しています。
これらの展示を通じて皆様の本学に対する理解が深まり、一層のご支援がいただければ、幸いに存じます。

学校法人二松学舎 理事長
水戸 英則

大学資料展示室画像

 当展示室は、2004(平成16)年5月、九段1号館・2号館の落成を機に開設されました。
 展示室では企画展を開催し、創立者三島中洲や、漢学塾二松学舎で学んだ夏目漱石、嘉納治五郎をはじめ、二松学舎ゆかりの人々の遺墨遺品や、和書、漢籍など、貴重な資料を順次展示しています。
 また、三島中洲の生涯や二松学舎の足跡、本学で学んだ著名人等をパネルで紹介しています。
□ 二松学舎の沿革はこちら → https://www.nishogakusha-u.ac.jp/about/f1.html

開室日時:企画展開催期間の月曜~土曜 10時~16時
入場料:無料
※企画展開催期間中の閉室日は九段図書館閉館日に準じます。
 図書館ホームページに掲載の開館カレンダーでご確認ください。
 https://opac.nishogakusha-u.ac.jp/drupal/

2023年度 学校法人二松学舎 大学資料展示室「企画展」

【企画展】

名称 会期
「近代の医史学者にみる文化的継承」展 2023年 6月  1日(木)~   6月30日(金)
「和本へのいざない」展 〃   7月14日(金)~   9月16日(土)
「三島中洲と近代 其九」展 〃  10月16日(月)~ 11月25日(土)
没後10年記念「作家・大西巨人」展 2024年 2月21日(水)~   4月13日(土)

【講演会】

企画展 没後10年記念「作家・大西巨人」展開催に併せ、巨人のご長男である大西赤人氏と巨人の研究を行う、本学文学部国文学科教授、大学院文学研究科長・山口直孝の対談、「大西赤人氏に聞く―作家大西巨人の日常」をオンデマンドで動画配信いたします。
講演(対談)「⼤⻄⾚⼈⽒に聞く―作家⼤⻄巨⼈の⽇常」(オンデマンド動画配信)
配信期間 2月21日(水)10:00 ~4月13日(土)16:00
※ 詳細はこちらをご覧ください。
https://www.nishogakusha-u.ac.jp/news/?contents_id=2519

2023年4月1日
二松学舎大学資料展示室

『三島中洲と近代 其九』(令和5年10月13日発行)

(目次)

  1. Ⅰ章 はじめに
  2. Ⅱ章 展示資料解説
  3. Ⅲ章 資料篇
  4. Ⅳ章 清宮宗親略年譜

『三島中洲と近代 其八』(令和4年10月10日発行)

(目次)

  1. Ⅰ章 三島中洲の小野家宛書簡
  2. Ⅱ章 三島中洲宛 諸家書簡
  3. Ⅲ章 小野家旧蔵の三島中洲の書
  4. Ⅳ章 資料篇

『黎明期の歴史学 ―東洋史学者市村瓚次郎資料から―』(令和4年4月1日発行)

(目次)

  1. Ⅰ章 東京大学古典講習科と市村瓚次郎
  2. Ⅱ章 漢学から東洋史学へ
  3. Ⅲ章 教科教育としての東洋史
  4. Ⅳ章 再び漢学の振興へ
  5. Ⅴ章 市村瓚次郎草稿類
  6. Ⅵ章 詩文実作者としての中国学者たち

『三島中洲と近代 其七』(令和3年5月1日発行)

(目次)

図版

  1. Ⅰ章 渋沢栄一と論語
  2. Ⅱ章 渋沢栄一と三島中洲、二松学舎
  3. Ⅲ章 渋沢栄一と斬文会
  4. Ⅳ章 渋沢栄一と陽明学
  5. Ⅴ章 渋沢栄一とその知友の漢学者たちの書

『三島中洲と近代 其六』(平成30年7月10日発行)

(目次)

図版

  1. Ⅰ章 〈備前〉閑谷学校の存続に尽くした人々
  2. Ⅱ章 〈備中〉山田方谷と備中松山藩の漢学の系譜
  3. Ⅲ章 〈備後〉福山藩の漢学者たち

『三島中洲と近代 其五』(平成29年11月30日発行)

(目次)

図版

  1. Ⅰ章 経書―五経・四書
  2. Ⅱ章 史書
  3. Ⅲ章 子書
  4. Ⅳ章 総集・別集
  5. Ⅴ章 二松学舎塾生たちの文社
  6. Ⅵ章 三島中洲と二松学舎ゆかりの漢学者たち

『三島中洲と近代 其四』(平成28年5月20日発行)

(目次)

図版

  1. Ⅰ章 三島中洲の対外認識
  2. Ⅱ章 対外戦争の記憶から危機意識へ(江戸期)
  3. Ⅲ章 対外侵出の時代(明治期)
  4. Ⅳ章 対外侵出の時代(大正期・戦前)
  5. Ⅴ章 山田方谷の対外認識と国体論
  6. Ⅵ章 戦時下の二松学舎
  7. Ⅶ章 対外戦争・対外危機等を詠じた詩文とその書

『芳野金陵と幕末日本の儒学』(平成27年10月1日発行)

(目次)

図版

  1. Ⅰ章 芳野家の歴史
  2. Ⅱ章 金陵と近世儒学
  3. Ⅲ章 金陵と幕末維新史
  4. Ⅳ章 金陵と昌平坂学問所
  5. Ⅴ章 芳野家塾「逢原堂」

付録(印譜・年譜・系図)

『三島中洲と近代 其三』(平成27年3月31日発行)

(目次)

図版

  1. Ⅰ章 三島中洲とその子孫
  2. Ⅱ章 三島中洲の学孫たち
資料編
展示資料および関連資料の翻刻

三島中洲関係年表

『三島中洲と近代 其二』(平成26年3月31日発行)

三島中洲と近代 其二 表紙

(目次)

図版

  1. Ⅰ章 三島中洲と対外関係
  2. Ⅱ章 三島中洲と経済問題
  3. Ⅲ章 三島中洲と漢学教育

展示品解説

資料編
展示資料および関連資料の翻刻

三島中洲関係年表

『三島中洲と近代 其一』(平成25年3月31日発行)

(目次)

図版

  1. Ⅰ期 修学と師友(一歳~三二歳)
  2. Ⅱ章 幕末維新期の活躍(三三歳~四二歳)
  3. Ⅲ期 明治新政府への出仕(四三歳~六六歳)
  4. Ⅳ期 一世の師表(六七歳~九〇歳)

展示品解説

資料編
Ⅰ『三島中洲・南摩羽峯往復書簡』翻印
Ⅱ『三島中洲・川北梅山・崔成大筆談録』翻印・訓読

三島中洲年譜

交通のご案内

※大学資料展示室は、九段1号館地下3階にあります

  • JR「市ヶ谷」「飯田橋」駅下車、徒歩15分
  • 地下鉄 東西線・半蔵門線・新宿線「九段下」駅下車、 2番出口より徒歩8分

〒102-8336 東京都千代田区三番町6番地16

Tel.03-3263-6364/Fax.03-3263-6372