図書館・資料室

水木かおるコーナーについて

「アカシアの雨がやむとき」(西田佐知子)、「くちなしの花」(渡哲也)等ヒット歌謡曲の作詞家として、また附属柏中学校・高等学校校歌の作詞者として著名な、水木かおる氏(本名 奥村聖二、二松学舎専門学校第17回卒)の旧蔵書、約12,000冊(雑誌・レコード等を含む)を、令夫人奥村睦子氏より、本学へ、寄贈の申し出がありました。本学では「水木かおるコーナー」と命名し、2005(平成17)年4月、附属図書館(柏)内に開設いたしました。

学生の皆さまをはじめ、広く一般の方々にご利用いただければ、幸いです。

二松学舎大学附属図書館

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柏図書館

水木かおる氏プロフィール

作詞家。本名、奥村聖二。

1926(大正15)年7月14日、東京府豊多摩郡落合町に生まれる。

昭和22年3月、二松学舎専門学校卒業(第17回)、文芸通信社を経て、昭和33年日本グラモフォン(現ポリドール)に専属入社、作詞活動へ(昭和56年同社退社後フリーに)。

昭和37年度日本レコード大賞特別賞の他、日本レコード大賞新人賞、藤田まさと賞、日本作詞大賞優秀作品賞、日本レコード大賞功労賞を受賞。

1998(平成10)年7月4日没、享年71歳。

主要作品

昭和27 「サラリーマン節」(デビュー)
藤島恒夫・新橋喜代丸
昭和35 「アカシアの雨がやむとき」西田佐知子
(昭和37年度日本レコード大賞特別賞)
「霧笛が俺を呼んでいる」赤木圭一郎
昭和37 「エリカの花散るとき」西田佐知子
昭和39 「東京ブルース」西田佐知子、
「夕日の波止場」及川三千代
昭和41 「赤い風船」加藤登紀子
(昭和41年度日本レコード大賞新人賞)
昭和48 「くちなしの花」渡哲也
昭和51 「水割り」渡哲也
昭和53 「みちづれ」牧村三枝子
昭和57 「めぐり逢い しのび逢い」渡哲也・多岐川裕美
平成元 「友禅流し」牧村三枝子(第6回藤田まさと賞)
平成5 「室生寺」牧村三枝子
平成7 「北山しぐれ」川中美幸
(第28回日本作詞大賞優秀作品賞)
平成8 「佐渡情話」米倉ますみ
平成10 「二輪草」川中美幸
(第40回日本レコード大賞優秀作品賞)
平成11 「君影草~すずらん~」川中美幸
(第41回日本レコード大賞優秀作品賞、
日本レコード大賞功労賞)

左上 1998(平成10)年「二輪草」にて
日本レコード大賞優秀作品賞を
受賞したときの楯
右上 氏が愛用していた鞄
中央 氏の眼鏡、全曲集テープおよび
作詞を手掛けたレコード
中央手前 詩集
右下 氏の作詞による附属柏中学校・
高等学校校歌のCD

朝な夕な呼ぶもの 水木かおる

大学校舎画像

水木氏が通っていたころの校舎(昭和20年代)

私の卒業した学校は、雀も松の枝に来て「論語」をさえずるとまで云われた、二松学舎と云う古色蒼然としたまなびやであった。

大体学校の授業と云うのは、或る程度教えて道をつけたら、あとは自分でやれと云うのであろう。最後まで教えてもらったことは先ず記憶にない。

だから、「論語」も「孟子」も「十八史略」も「唐詩選」も「文章軌範」も「源氏物語」も「平家物語」も「古事記」も・・・・・・すべて学舎で教えをうけたそれらは例外なく中途半端のまゝで終っている。

だが、あちらこちら裾かじりの鼠式学問でありながら、それはやがて卒業してから、あて がわれたものでなく自分で選みだした書物に就いては一應完読させてくれるだけの力を与えてくれていた。私においては「閑吟集」であり「梁塵秘抄」であり「松の葉」であり「山家鳥蟲歌」であった。これらの書物は歌謡集のため、前掲の書物よりはずっと内容的に軽く通読しやすく、且つ内容が非常に身近なことを歌っているのが大半なので、私のような俗塵の巷にいるものには取っつきやすかったからであるが――

然し、人生半ばをとうにすぎ、柩に釘打つ音を近くに感じだしてくると、どうも落ちつかない。あの読みのこした、私の「論語」が「孟子」が朝な夕なに呼んでるような気がしてならないのだ。「論語」「孟子」は扨ておいても「唐詩選」だけは読み通しておきたい。亦、「平家物語」も「灌頂巻」までは・・・・・・そういう思いがしきりにするのだ。

今日まで生きる上での俗事にまぎれすぎて、それに精いっぱいで、こころを頭を澄ませる 余裕などとてもなかった。そのことを悔いても仕方がない。たゞ、今、その遙かなる呼び声 を聞いた上での、これからの残された日々は大切にしたいと思う。

(昭和59年11月1日桃李書院発行『書窓』第443号より)

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JR常磐線(快速・各停)・東武野田線「柏」駅下車

柏駅東口を出てバスのりば「6」の表示のある階段を降りた
企業バスのりばより、スクールバスで約15分

別途詳細ページ

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