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二松學舍大学創立140周年記念事業 二松學舍大学私立大学戦略的研究基盤形成支援事業主催シンポジウム 「「論語」と「算盤」が出会う東アジアの近代 渋沢栄一と三島中洲」閉会挨拶

 本日、私ども二松學舍大学の前身である漢学塾二松學舍を開いた三島中洲先生と、「日本資本主義の父」と謳われ、二松學舍専門学校開設に奔走された第三代二松學舍 舍長 渋沢栄一先生との関わりをテーマとするシンポジウムが開催されたことは、 本年10月10日に創立140周年を迎える二松學舍大学にとって、大変時宜を得た意義深いことと受け止めています。

 本日のシンポジウムは、「論語と算盤が出会う東アジアの近代」と題して報告が行われたわけですが、大変興味深く伺いました。三島中洲先生の、人間の創造的活動である「義」から人間の基本的な欲求を充たす「利」が生まれるとする「義利合一」説と、渋沢栄一先生の「論語と算盤」「道徳経済合一」説の接点を理解する貴重な研究機会になったと考えています。

 私ども二松學舍大学の建学の精神は、三島中洲先生の「己を修め人を治め一世に有用なる人物を養成する」という言葉に集約されます。渋沢栄一先生も明治6年、大蔵省を辞する際に「論語の半部で身を修め、半部で実業界を矯正したい」という言葉を残されていると伺っています。まさしく、この現代社会においても、「倫理と利益」の両立を掲げられた渋沢栄一先生の思想は、重要な意味を持っていると考えます。私ども二松學舍大学も、渋沢栄一先生が主張されたように、「経済を発展させ利益を独占するのではなく、国全体を豊かにするために富は社会に還元していく」、そうした「志」ある人材を育む学び舎であり続けたいと思います。

 本日のシンポジウムで明らかになったように、渋沢栄一先生と三島中洲先生は、大変深い交友関係を結んでいました。今回のシンポジウムを機会に、先人の交友関係に倣い、渋沢栄一記念財団と二松學舍大学の更なる関係の強化を図りたく願う次第です。
本日、ご臨席賜りました財団の関係各位、とりわけコメンテーターを務めていただいた木村昌人先生の企画力と行動力に、心から敬意を表します。

 このシンポジウムが二松學舍大学 学祖 三島中洲先生と記念財団を作られた渋沢栄一先生という二人の偉業を振り返り、その「志」を受け継ぐ機会となりましたことに御礼と祝意を表し、私の閉会の挨拶とさせていただきます。

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