2020年度 二松学舎大学九段キャンパス公開講座特設ページ
講義内容
講座①
- テーマ昌平坂学問所と論語と渋沢栄一
- 講 師文学部 中国文学科 教授 市來 津由彦
- 概 要渋沢栄一(1840-1932)は『論語と算盤』(1927)において、実業における利益追求と道義との両立という理念を語った。『論語』に拠りつつ語ることが有効という前提がそこにはある。素朴な問いなのだが、では彼が生きた幕末から大正という時代に『論語』に拠ることは、なぜ、どのように有効だったのか。その漢学教養を彼はどう身につけたのか。本講座では、明治期、及び渋沢の幼少年期の漢学・儒学教養修得の環境について概観したい。
講義②
- テーマ本学所蔵・渋沢栄一晩年の書と向き合いながら
- 講 師副学長/文学部 中国文学科 教授 福島 一浩
- 概 要手書きと肉筆保存の大切さを日本書道史の歩みと共に考え、渋沢栄一の用意周到な書作品と卒意の魅力を持つ書状を解析します。
手書き文字に宿る感情の機微と過ぎゆく時間の蓄積、心の写真。書状には相手方に届き、書作品は多くの方々に鑑賞されることにより、書の営みは完成します。
講義③
- テーマ「日銀がデジタル通貨を発行する日」渋沢栄一は最後の一万円札の肖像となるのか ー通貨の過去・現在・未来ー
- 講 師学校法人二松学舎常任理事 西畑 一哉
- 概 要2024年に発行される新1万円札の肖像に渋沢栄一が採用されることになりました。今後日銀がデジタル通貨を発行するようになれば、場合によっては紙の紙幣の肖像として、渋沢栄一が最後になるかもしれません。
講師は元日銀マンですが、デジタル通貨の特許申請に関わったことがあります。この講座では、通貨の歴史を辿るとともに、現代の紙幣が何故信用され流通するのか、そして、日銀がデジタル通貨を発行する可能性について、共に考えていきたいと思います。