大学紹介

学長室から

学長メッセージ

二松学舎大学 学長 佐藤 晋

学長就任挨拶

 2024年4月1日をもって学長に就任いたしました佐藤晋です。今後4年間、二松学舎大学運営の責任を負うにあたり、一言ご挨拶を申し上げさせていただきたいと思います。
 私の研究分野は近現代における日本の政治外交史で、主に戦後のアジア外交の実態を解明しようとしています。明治維新から本年で157年となりますが、明治10(1877)年に設立された本学の歴史は今年で147年を数えます。このように長い期間において、本学も日本も多くのことを経験し、大きな荒波にもまれてきました。一方、現在の世界が直面している地球温暖化や日本が抱えている少子高齢化などの構造的問題は極めて大きな挑戦を我々に突きつけています。
 本学の教育では「答えのない課題」に取り組むPBLやデータ分析力を高める授業に力を入れ、自ら考え、独自の視点で未来を切り拓いていける人材育成に力を入れています。これからの世界では、AIの進歩の影響などで今ある職種が消え去り、その結果、自分の人生、自分が所属する会社などの組織、日本・世界といった広い枠組みでも、これまでに経験したことのない課題に答えを出していかなくなるでしょう。日本はこれまでも大きな課題に直面してきましたが、明治期には非欧米国家として初めて列強の仲間入りをし、また太平洋戦争敗戦の極めて大きな被害から素早く立ち直り、さらには奇跡的な高度経済成長を実現してきました。現在、日本人は自信を失っているように見えますが、これまでは以上のような世界で初めての課題に取り組み、見事な結果を出し、他の諸国のモデルとなるまでになってきました。また、こうした偉業を成し遂げたのは、それぞれの時代に進取の気性にとんだ若い世代の人たちでした。
 本学の建学の精神は「己ヲ修メ人ヲ治メ一世ニ有用ナル人物ヲ養成ス」、すなわち「自ら考え行動できる能力を鍛え、社会のために貢献する人物を養成する」というものです。それぞれの時代に必要とされる能力、必要とされる人材は変化してきましたが、自らの目で世の中を洞察し、本質的な問題点を把握し、その解決策を自分の頭で考えること、さらにはその考えに基づいて実際に世の中を変えていくという気概が、過去も現在も、そして未来においても必要不可欠であることは変わっていません。我々は、こうした能力を学生の皆さんが身につけて社会に巣立っていけるように、教職員一丸となって支援していく所存です。

二松学舎大学学長 佐藤 晋