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理事長トピックス

水戸英則理事長の平成29年度入学式 祝辞

二松學舍大学 入学式祝辞

平成29年4月3日


 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。皆さんの門出を心からお祝いいたします。二松學舍は、本年創立140年目を迎えます。「国漢の二松學舍」、「国語力の二松學舍」として、わが国では有数の古い歴史と伝統を誇る学舎であります。皆さんはその大学で、これから勉学に努め、先生方の薫陶を受け、新しい友人をつくり、さまざまな活動に励む日々を送ることになります。失敗や進路で悩むこともあるかもしれません。しかし、皆さんがこの大学で自分のやりたい分野を見つける、皆さん自身の人生の基盤を固めていくという目標をもって勉学を続ける限り、二松學舍大学は、皆さんをさまざまなかたちで指導し、支援していく用意があります。
 入学生のご家族並びに関係者の皆様にも、本日の入学式に御列席賜り誠にありがとうございます。ご入学心よりお祝い申し上げます。皆様もまた、本日から二松學舍とともにあります。壇上の多数の御来賓、学校法人二松學舍顧問、役員、名誉教授、松苓会会長、大学父母会会長、同役員、そしてすべての本学関係者とともに、新入生の皆さんをこのキャンパスにお迎えできたことを心からお慶びいたします。
 さて、入学生の皆さん、皆さんがこの大学で学ぶ目的と何を学び、どういう人になって欲しいか、つまり人材育成方針についてお話ししておきます。

 先ず出口の話をしておきます。すなわち、皆さんは4年後、大学を卒業して、一般社会に進路を求める、その社会は、さまざまな背景を持った人が、いろいろな考え方を持って働くなど多様な価値観(divers values)であふれています。そして、その社会はグローバリゼーションが進展し、変化のスピードが激しい社会です。そのような中で、皆さん自身が「卒業後どのように生活していくか、取り巻く環境や社会に対して、どのように関わっていくか」の答えを求めるため、大学で学ぶわけです。従って、皆さんは在学中、主体的に自ら進んで幅広い知識、コミュニケーション能力や語学力等を身に就け、より皆さんの適性・能力に見合った価値観、生涯やりたい分野を見つけることが必要です。
 ここで本学の人材育成の基本方針を説明すると「先ず、ベーシックかつ広範な学問見識や専門知識、それを使う国語力等スキル、これらを兼ね備え、自ら判断し、行動できる人材の育成」を基本としています。従って、皆さんは、入学すると先ず基礎ゼミで広範な基礎知識、次に皆さんが選択する様々な分野の専門知識を身につける、そして国語力、英語や中国語等の語学力、ゼミや授業を通じてコミュニケーション能力、文章力、論理的かつ批判的思考力(Critical Thinkingといい、物事を様々な角度から客観的・批判的に観察し、答えを出す能力をいい、これは、全体を掌握して大局的にものを考える力が身につく)、創造力等スキルを身につける、また、先生や新しい友人と出会い・交流し、サークル活動やボランティア、インターンシップなどの諸体験をとおして、人間関係の基礎を学び、他者と協調し協働する力、社会的責任能力等を身に就けることが必要です。そして、これらの知識・スキルを兼ね備え、皆さん自身が主体性を確立して、様々な変化を受け入れ、多様な社会や文化を理解し、大局観の下、公正な判断を行い、自ら行く道を造りだしていける人材、この厳しい社会を生き抜いて行ける人材として育ってほしいと考えております。

 以上の点を踏まえて、この貴重な4年間、充実した学生生活を過ごして頂きたい。その年月は必ずや皆さんの未来の、しっかりした基盤になると考えます。これをもって私の入学式の祝辞と致します。

平成29年度 入学式祝辞
附属高等学校       ― 4月8日 ―
附属柏中学・高等学校   ― 4月7日 ―

 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。皆さんの門出を心からお祝いいたします。二松學舍は、今年10月10日に創立140周年を迎えます。「国漢の二松學舍」として日本でも古い歴史と伝統を誇る学舎であります。
 皆さんはその大学の附属高等学校(附属柏中学・高等学校)に入学します。皆さんはこれから一生懸命勉強し、先生方の教えを受け、新しい友人をつくり、さまざまな活動に励む日々を送ることになります。失敗することや進路で悩むこともずいぶんあるかもしれません。しかし、皆さんが、皆さん自身の能力を見つけるために一生懸命勉強するという強い志を持っているかぎり、附属高等学校(附属柏中学・高等学校)は必ず皆さんを応援し、指導していきます。
 ご家族、保護者の皆様にも、心からお慶びを申し上げます。本日の入学式にご列席を賜り誠にありがとうございます。皆様もまた、本日から二松學舍とともにあります。すべての本学関係者とともに、本日、新入生の皆さんをこのキャンパスに迎えたことを心からお慶びいたします。
 さて、これから皆さんが高校(中学)生活を送っていく上で、念頭に入れておいていただきたいことを2点申し上げます。

 まず第1点は、高校(中学)の勉強の進め方です。皆さんは、今現在、全員が将来に向けて伸びていく素質と能力を持っています。問題はその素質と能力に皆さん自身が気づくかどうか、その素質と能力を育てることができるかどうかであり、それは皆さんのこれからの勉強の仕方で決まってきます。
 高校(中学)の勉強科目は、国語、数学、理科、英語、家庭、情報、地歴、公民、芸術、保健体育など非常に広い範囲を学習します。何故ならば、それは皆さんが将来進む道を決めるとき、選択の幅を広げてくれるからです。従って、皆さんはこれらの科目を、一生懸命勉強してください。

 その内、得意な科目ややりたい分野に気づいてきます。またこうした勉強と関連付けて世の中の動きに関心を持つこと、世の中や日本、世界で何が起きているか、日頃から幅広く関心をもって見ていく、社会とのつながりを意識して、学校生活を送っていくことであり、また読書を通じて、色々な知識を得ることも必要です。このような形で勉強を進めていくと、みなさんが将来、この社会に対してどう関わりを持っていきたいのか、皆さんのやりたいことを実現するためには、どういう勉強をすべきか、理系、文系、教養系、芸術系、体育系など、どういう系統の大学に進学するべきか、進路が自然と見えてきて、皆さん個々人の適正と能力に見合った進路を決定することができます。

 第2点は、大きな環境変化に耐えられる人間力を養うことです。皆さんを取り巻く社会の変化は急激に進んでいます。

 例えば、10年後、今の仕事の半分はAI等人口知能に代替・自動化され、人がする仕事ではなくなると云われています。これは言い換えれば、中学生の皆さんの半分、高校生の皆さんの40%位は、大学卒業時には今ない仕事に就く可能性が高い訳です。このように大きな変化が到来し、かつ将来の予測がつきにくい世の中です。そういう中で皆さんはこれからの生活をして行かなければなりません。幅広い知識を習得することは勿論必要ですが、色々な変化に対応して、受け身ではなく、これを受け入れ、主体的に自ら学び、チャレンジし、課題を発見し、解決していく能力が必要になってきます。

 従って幅広く学び、様々な体験をし、こうして経験を通じて課題を解決する力を付け、先行きを見ながら進む、また英語等を含めたコミュニケーション能力を身に付けて、様々な背景を持つ人々と意見を交わし、他者に共感し・協働して進む力を養って行く必要があります。

 私ども二松學舍大学附属高等学校(附属柏中学・高等学校)は、以上の点について、皆さんを今後導いていきたいと考えています。(附属柏中学・高等学校:最後に、今年の大学進学実績を見ると、東大現役合格2名のほか筑波、千葉など国公立大学は13名、早稲田、上智、東京理科大など一流私立大学へ70名近く合格しており、今や千葉県では一流私立校に名を連ねるようになりました。皆さんも、ぜひ充実した6年間(中学生)、3年間を過ごしていただき、こうした最難関大学を含めた先への進学が果たせるよう、願う次第です)どうか、この貴重な3年間、充実した学校生活を過ごしてください。その年月は必ず、皆さんの未来のしっかりした基盤になると考えます。