理事長メッセージ

2020年新年のご挨拶

学校法人二松学舎 理事長 水戸英則

143年目に入った二松学舎とN’2030 Planの課題

 教職員、卒業生、父母会、その他本学関係者の皆様方に、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。二松学舎は143年目の年を歩み始めました。

 年頭ですが、まずは昨年の設置校の学生応募状況をみると、大学は文学部が定員の5.3倍、国際政治経済学部が定員の5.1倍、また両附属高等学校も定員比3~4倍の応募があり、いずれも一昨年比上昇し堅調に推移しました。また、文学部の偏差値が上昇傾向にあり、これまで本学より上位に位置していた諸大学のレベルを超えてくるなど、ブランド力が上昇してきていること、国際政治経済学部の応募倍率も堅調に上昇を持続、定着傾向にあり、教職員をはじめステークホルダーの方々のご努力が実りつつあることは喜ばしい限りです。

 さて、本学の長期ビジョンN’2030 Planも今年で3年目に入りました。この長期ビジョンでは建学の精神に基づいた育成する人材像を、時代の先行き、AI等ニューテクノロジーによる経済・社会構造の大変革や多様性を展望し、「日本に根差した道徳心をもとに、良質の知識と英語・中国語等語学力を身につけて、我が国の歴史と文化を理解して、かかる知識を背景として、よりよき社会を実現する目標を持ってグローバルに活動するたくましい人材」としています。この人材育成実現のため、「2030年教育体制」の構築という目標の下、大学カリキュラム改革を、進めていくことを決めました。

 カリキュラム改革の概要は、①初年次教育を両学部共通の必須科目とし、半年以上の期間を設け教養、歴史、哲学、英語、数理系の科目を配置。②外国語、キャリア、数理データ、ICT各教育を充実、③熟度別クラス編成を実施、④高大社接続を意識した編成。⑤専門課程のゼミナールの必須化を骨子としております。この趣旨に従い副学長を中心とするワーキンググループで詳細を詰めており、2022年度からの施行を目指し、新たな人材教育を始める予定です。さらに学部・学科の編成については、文学部国文学科・中文学科の学生募集マーケットの潜在力が、今後どの程度まで持続していくか、その動向を見極めつつ、例えば社会歴史系学科等の新設を検討していく必要があります。これらは学部学科改編企画会議で骨子を議論していく予定です。

 また、今年の4月からは、学校教育法、私立学校法、国立大学法人法、修学支援法等高等教育関連の改正法が一斉に施行されます。先ず学校教育法の改正は、認証評価の厳格化です。認証適格か不適格かをはっきりと結論付け、不適格の場合は、評価機関から所轄庁である文部科学省への届け出事項となり、文部科学省から様々な報告徴求や調査が入ることとなります。従って、各大学は、7年に一度の認証評価のほか、日頃から各規準に基づく自己点検を定期的に実施し、いつ評価を受けてもいいように準備しておく必要があります。
同時に認証評価のポイントは、学習者本位の教育の展開と学習成果の可視化など「内部質保証」に重点が置かれてきます。大学は、学生を受け入れ、付加価値をつけて卒業させる、その学修成果をきちんと公表できる大学でないと大学として認めないという方針で設置基準が厳格化されていく方向です。次に学校法人のガバナンスの充実・強化に関する私立学校法の改正です。理事・監事等役員の責務、具体的には善管注意義務や法人・第三者の賠償責任を理事・監事等役員が負うこととなります。理事会や監事、評議員会の実質化等措置も導入されます。学校法人の運営制度も会社法にだんだん近づく形です。また国立大学法人法の一部改正もあり、国立大学の1法人1大学制度が1法人多大学制度となり、すでに名古屋大学・岐阜大学の連携推進法人等デファクトスタンダードが進んでおります。最後に授業料等無償化措置法案である修学支援法も施行予定です。このように高等教育関連の施策が一斉に打ち出される背景は、今後急激に進む少子化の一方、AI等ニューテクノロジーが経済構造や社会構造をどう変化させていくか未知数のところがあり、こうした中で高等教育がどうあるべきかについて、様々な試行を行っていこうとの考え方があるものと思われます。

 最後に両附属校についても同様に、教員の指導力の向上や生徒全体の平均学力の底上げ、そのマネジメント体制の構築、強化が必要になって参ります。
まず附属高等学校の2020年度の具体的目標は次の通りです。

  1. ①教育改革面:新学習指導要領に基づく教育課程の具体案策定、外部英語試験のスコア向上対策、英検2級・準2級合格者の前年度比上昇、タブレットPCの活用方法、二松学舎大学への進学率の安定化、難関大学合格率の上昇等
  2. ②生徒支援面:奨学金等各支援制度の拡充
  3. ③キャンパス整備面:九段校舎建て替え計画の検討等

次に柏中学校・高等学校においては、

  1. ①教育改革面:高校グローバルコース語学研修の継続実施、卒業時英検2級全員合格を目標、教員の定期研修実施を含むアクティブラーニング授業の効果検証・見直し、二松学舎大学への進学率の安定化、広報活動の強化(中学校開設10周年)
  2. ②生徒支援面:特待生制度の改善検討、卒業時英検2級全員合格を目標とした学習指導の実施、生徒・保護者満足度の向上等
  3. ③キャンパス整備面:東校舎修繕工事の実施等

両附属校では、掲げられているこれらの目標の遅滞なき進捗が望まれます。

 以上、新年度の課題、話題をお話ししました。本年も教職員の皆様は、各部署でそれぞれ、精励して頂きたくお願い申し上げます。また、卒業生、父母会や関連するステークホルダーの皆様に対しましても、引き続きご支援・ご協力をお願いして、新年のご挨拶といたします。

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