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理事長トピックス

水戸英則理事長 2020年度入学生への祝辞

二松学舎大学 入学生への祝辞

2020年4月1日

 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。皆さんの新しい第一歩を心からお祝いいたします。また入学生のご家族並びに関係者の皆様にも心よりお祝い申し上げます。皆様もまた、本日から二松学舎とともにあります。この度は入学式が執り行えなくなり、大変心苦しく残念ではありますが、すべての本学関係者とともに、新入生の皆さんをこのキャンパスにお迎えできたことを心からお慶びいたします。

 皆さんがこれから入学する二松学舎大学は、今年創立143年目を迎えました。明治10年10月に、皆さんがこれから学ぶ九段1号館の同じ場所に明治・大正時代を代表する漢学者で法律家の三島中洲先生が漢学塾二松学舎を創設したのがそのルーツです。爾来「国漢の二松学舎」として、わが国では有数の長い歴史と伝統を誇る学舎であります。

 皆さんはこれからこの大学で、先生方の薫陶を受け、新しい友人をつくり、様々な活動に励む日々を送ることになります。この間失敗や進路で悩むこともあるかもしれません。しかし、皆さんがこの大学で自分のやりたい分野を見つける、自分自身の人生の基盤を固めていく、という目標をもって勉学を続ける限り、二松学舎大学は、皆さんを様々なかたちで指導し、支援していく用意があります。

 さて社会は今、大きく変貌を遂げようとしています。時代は100年に一度の大変革期「超スマート社会」Society 5.0時代を迎えようとしています。今はAI時代の入口にあり、皆さんが大学を卒業して社会人として働き出す頃には、AIやビッグデータの利用が普及して、人間の行う様々な仕事がAIに代替されていくと言われています。従って、将来に不安があることも無理ないところだと思います。一方、我が国はこれから人口大減少時代に突入し、新しい技術で労働力の不足を補っていく必要があり、AIはその期待を担う技術の一つです。さらにAIを普及させるための新たな職業も生まれてくるでしょう。その影響はプラス・マイナス両面があると言われていますが、そんな新しい時代を切り開いていくのは間違いなく皆さんなのです。

 AIは様々な過去の情報をビッグデータとして収集、瞬時に目的別に仕分け・分析・提供できるため、人間では到底かなわないような能力を備えています。しかしAIは創造性を必要とする分野は、現状では苦手なのです。未来を予測し、備えることが出来るのは、創造する力を持つ人間だけなのです。従って自らの頭で「考え抜く力」がこれから極めて大切になります。「考え抜く力」は、その基礎となる歴史、哲学、数理データサイエンスなどの教養知識と専門知識を土台にして、世界の動きを広く知ること、多様なジャンルの本を読むこと、国内外の様々な友人と会話すること等から、身に付いてくるのだと思います。社会に出ると、「正解のない問題」ばかりです。そんな時のために自らの頭で「考え抜く力」を身につけておくことが重要で、今後の皆さんの大きな支えになってくれるはずです。

 以上、皆さんはこの大学で、これから4年間、教養知識及び専門知識とこれらを土台として、自らの頭で「考え抜く」という習慣を身につけ、主体性をもって、様々な変化や多様な価値観を受け入れ、公正な判断を行い、自ら行く道を切り開いていける人材、これからの未来社会を予測し、生き抜くことができる人材として育ってほしいと考えております。

 これからの貴重な4年間、充実した学生生活を過ごしてください。その年月は必ずや皆さんの未来の、しっかりした基盤に繋がると考えております。未来を選ぶのはAIではなくて皆さん自身であるということを忘れないでください。これをもってご入学の祝辞といたします。


二松学舎大学附属高等学校 入学生への祝辞

2019年4月8日

 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。皆さんの新しい第一歩を心からお祝いいたします。また入学生のご家族並びに関係者の皆様にも心よりお祝い申し上げます。皆様もまた、本日から二松学舎とともにあります。この度は入学式が執り行えなくなり、大変心苦しく残念ではありますが、すべての本学関係者とともに、新入生の皆さんをこの校舎にお迎えできたことを心からお慶びいたします。

 二松学舎は、今年で創立143年目を迎えました。「国漢の二松学舎」、国語と漢文の二松学舎として日本でも長い歴史と伝統を誇る学舎であります。皆さんはその大学の附属高等学校に入学します。皆さんはこれから一生懸命勉強し、先生方の教えを受け、新しい友人をつくり、様々な活動に励む日々を送ることになります。失敗することや進路で悩むこともずいぶんあるかもしれません。しかし、皆さんが、自分自身の能力を見つけるために一生懸命勉強するという強い志を持っているかぎり、附属高等学校は必ず皆さんを応援し、指導していきます。

 さて、社会は今大きく変貌を遂げようとしており、時代は100年に一度の大変革期「超スマート社会」Society 5.0時代を迎えようとしています。すなわち今はAI時代の入口にあり、皆さんが高校を卒業し、大学で勉強し、社会人として働き始める頃には、AIやビッグデータの利用が普及して、人間が今従事している様々な職業が無くなると言われています。また一方では、我が国はこれから人口大減少時代に突入していき、新しい技術で労働力の不足を補っていく必要があり、AIはその期待を担う技術の一つです。さらにAIを普及させるための新たな職業も生まれてくるでしょう。その影響はプラス・マイナス両面あると言われています。このように大きな変化が到来し、かつ将来の予測がつきにくい世の中です。こうした中で、新しい時代を切り開いていく皆さんに、この3年間の学校生活で身につけて頂きたいことをアドバイスするとすれば次の3点です。

 1点目は、こうした大きな変化の到来が予測される社会の中で「世の中を幅広く見る心を持つ」ことです。環境面や社会・政治・経済面で何が起こっているか、その内容を理解し、様々な本を読んで知識を蓄積していくことが大切です。そして疑問に思ったことは、まず自分の頭で考え、インターネットや本で調べ、蓄積していくことが必要です。つまり、学校での勉強と社会との繋がりを意識して生活していくことで知識がより深まっていきます。

 2点目は、「モラル・道徳心を持って、判断し、行動してほしい」ということです。今世界の情勢を見ると、一握りの富裕層に世界人口の半分の富が集中しているなど、大きな経済格差があり、貧困問題が生じています。また環境や自然を守ろうとしない経済活動の結果、環境破壊や地球温暖化が進み、洪水・台風・森林火災など異常気象による被害拡大の原因となっています。環境や自然は我々に与えられた地球の共通社会資本であり、我々の知恵でそれらの問題を解決していく必要があります。フォンディ・ア・ライエン委員長率いる欧州共同体におけるグリーンディール政策、最近のグリーンキャピタリズムなど脱カーボン(CO2)社会の実現などはその証拠です。また環境や自然を守り、皆さんが積極的に社会貢献に参画することを通じて、貧困や環境問題も解決され、我々を持続可能な社会へと導いていくことになります。人間相互の思いやりと我々人間が本来持っている義務を果たすべきモラルを持ちながら社会生活を送っていただきたいと思います。
 
 3点目は「復元力」です。傾いた船が元に戻る力を言います。心の広い、精神的にゆとりのある様を指し、辛抱する、苦難を乗り越える強靭な心を持つということを意味します。与えられたことを辛抱強くこつこつと努力していくことです。皆さんのこれから歩む道は、常に平坦ではありません。時には壁にぶち当たり、スランプになったとしても、それを乗り越え、克服していく強い心を持つことが大切です。

 私ども二松学舎大学附属高等学校は、以上の点をふまえながら、皆さんを今後導いていきたいと考えています。どうか、この貴重な三年間、この3点を心に置いて充実した学校生活を過ごしてください。その年月は必ず、皆さんの未来のしっかりした基盤になると考えます。


二松学舎大学附属柏中学校・高等学校入学生への祝辞

2019年4月7日

 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。皆さんの新しい第一歩を心からお祝いいたします。また入学生のご家族並びに関係者の皆様にも心よりお祝い申し上げます。皆様もまた、本日から二松学舎とともにあります。この度は入学式が執り行えなくなり、大変心苦しく残念ではありますが、すべての本学関係者とともに、新入生の皆さんをこの校舎にお迎えできたことを心からお慶びいたします。

 二松学舎は、今年で創立143年目を迎えました。「国漢の二松学舎」、国語と漢文の二松学舎として日本でも長い歴史と伝統を誇る学舎であります。皆さんはその大学の附属柏中学校・高等学校に入学します。皆さんはこれから一生懸命勉強し、先生方の教えを受け、新しい友人をつくり、様々な活動に励む日々を送ることになります。失敗することや進路で悩むこともずいぶんあるかもしれません。しかし、皆さんが、自分自身の能力を見つけるために一生懸命勉強するという強い志を持っているかぎり、附属柏中学校・高等学校は必ず皆さんを応援し、指導していきます。

 さて、社会は今大きく変貌を遂げようとしており、時代は100年に一度の大変革期「超スマート社会」Society 5.0時代を迎えようとしています。すなわち今はAI時代の入口にあり、皆さんが高校を卒業し、大学で勉強し、社会人として働き始める頃には、AIやビッグデータの利用が普及して、人間が今従事している様々な職業が無くなると言われています。また一方では、我が国はこれから人口大減少時代に突入していき、新しい技術で労働力の不足を補っていく必要があり、AIはその期待を担う技術の一つです。さらにAIを普及させるための新たな職業も生まれてくるでしょう。その影響はプラス・マイナス両面あると言われています。このように大きな変化が到来し、かつ将来の予測がつきにくい世の中です。こうした中で、新しい時代を切り開いていく皆さんに、この3年間の学校生活で身につけて頂きたいことをアドバイスするとすれば次の3点です。

 1点目は、こうした大きな変化の到来が予測される社会の中で「世の中を幅広く見る心を持つ」ことです。環境面や社会・政治・経済面で何が起こっているか、その内容を理解し、様々な本を読んで知識を蓄積していくことが大切です。そして疑問に思ったことは、まず自分の頭で考え、インターネットや本で調べ、蓄積していくことが必要です。つまり、学校での勉強と社会との繋がりを意識して生活していくことで知識がより深まっていきます。

 2点目は、「モラル・道徳心を持って、判断し、行動してほしい」ということです。今世界の情勢を見ると、一握りの富裕層に世界人口の半分の富が集中しているなど、大きな経済格差があり、貧困問題が生じています。また環境や自然を守ろうとしない経済活動の結果、環境破壊や地球温暖化が進み、洪水・台風・森林火災など異常気象による被害拡大の原因となっています。環境や自然は我々に与えられた地球の共通社会資本であり、我々の知恵でそれらの問題を解決していく必要があります。フォンディ・ア・ライエン委員長率いる欧州共同体におけるグリーンディール政策、最近のグリーンキャピタリズムなど脱カーボン(CO2)社会の実現などはその証拠です。また環境や自然を守り、皆さんが積極的に社会貢献に参画することを通じて、貧困や環境問題も解決され、我々を持続可能な社会へと導いていくことになります。人間相互の思いやりと我々人間が本来持っている義務を果たすべきモラルを持ちながら社会生活を送っていただきたいと思います。
 
 3点目は「復元力」です。傾いた船が元に戻る力を言います。心の広い、精神的にゆとりのある様を指し、辛抱する、苦難を乗り越える強靭な心を持つということを意味します。与えられたことを辛抱強くこつこつと努力していくことです。皆さんのこれから歩む道は、常に平坦ではありません。時には壁にぶち当たり、スランプになったとしても、それを乗り越え、克服していく強い心を持つことが大切です。

 私ども二松学舎大学附属柏中学校・高等学校は、以上の点をふまえながら、皆さんを今後導いていきたいと考えています。どうか、この貴重な3年間、この3点を心に置いて充実した学校生活を過ごしてください。その年月は必ず、皆さんの未来のしっかりした基盤になると考えます。