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理事長トピックス

平成24年度 二松學舍松苓会総会 挨拶

6月16日、平成24年度 二松學舍松苓会(大学同窓会)の総会が、九段1号館で開催されました。
総会での水戸理事長のご挨拶を掲載いたします。


 松苓会におかれましては、日頃から大学等に対し様々な形でご支援を頂いており、この場を借りて厚く御礼申し上げます。松苓会会員総数は今や約2万5千名余り、同窓会として大学を後援していただく非常に大きな組織であり、これからも二松學舍大学や二松學舍全体に与える影響はいろいろな意味合いで非常に大きく、力強いものと、期待しております。

 さて、現在法人では、長期ビジョンプロジェクトを遂行中です。学内外の様々な方から、頂いた本学のあるべき姿についての御提言200件余りを、5つのワーキンググループ(以下WG)に分かれて、議論を展開しました。第1WGは建学の精神を今一度原点に立ち返って見直し、その精神を基本にわが国が直面しているグローバル化、情報化、知的社会化などの環境に適応できる人材ということも念頭に置いて、具体的にどういう人材を育成するか、「人材像を明確に描き出す」、その上で、第2WGでは、その人材像を実現するために、大学、両附属高校、中学校で、どの様な教育や教育・研究環境が必要になるのか。また第3WGでは、将来の「大切な茯怜予備軍」である現役大学生、1人、1人について、入学、在学中、出口の各段階において、初年次教育、語学学習、奨学金制度、精神的な悩み、資格取得や就職など各種相談体制を充実するなど学生支援体制を構築していくこと。第4WGでは、大学、両附属高校、中学校について各々キャンパス整備をどうしていくか、特に大が学の場合は、九段集約に伴い、九段キャンパスの拡充が大きな課題です。もう一つ、土地・ビルを購入していく必要があります。また柏キャンパスの利用をどうするか、広大な運動場や体育館施設、例えば運動場を全天候型のトラックにして、競技場として、陸上など運動系の同好会の育成をするなどの意見がでています。また第5WGでは、全ての基本となる健全な財務制度や人事制度のあり方はどうなどかなどについて、WGごとに纏めの段階に入ってきております。こうした、WGを構成するメンバーは殆どが現在30~40歳代の若手・中堅教職員、いわゆる団塊ジュニアが中心であり、これらの人たちによる教職協働体制で作業が展開されているというのが、これまでにない画期的な事であります。今後将来の本学を支えていく若手主体の教職協働作業の過程で、皆が長期ビジョンという共通の目標を共有し、これに向かって課題を実現していく、若手が自ら掲げた課題を、自ら未来を切り拓く形で、これを乗り越え、実現していく形が望ましいわけであります。今後はこれを長期ビジョンとして取り纏め、10月10日の135周年記念式典の場で、公表する予定にしております。長期ビジョンの目的は、言うまでも無く、本学の栄光の時代、夏目漱石、嘉納治五郎、犬養毅、平塚雷鳥など著名人が輩出し、その後、昭和3年の二松學舍専門学校設置、昭和24年の新制大学移行後も教員の養成校、それも国語科高校教員の輩出校として、年間卒業生の半数以上、昭和57、8年頃のピーク時には、年間200名以上輩出した実績など「往年のブランドイメージの復活」であり、「二松學舍Reborn計画」であります。昨年9月理事長に選任された際、松苓会に対し、「未来を背負う茯苓の育成」をしていきたいとの挨拶をさせていただきました。このプロジェクトが遂行される過程で、新たに頼もしい伏苓が、育ってくることになります。この伏苓はこれまでの松苓会卒業生2万5千名に加わり、さらに強力な二松學舍大学の応援団となっていくことが期待されます。

 次に、お伝えしたいことは、135周年記念事業の一環として、去る5月12日、三島中洲先生の命日に、顧問、名誉役員、役員一同で富士山のふもとにある富士霊園にある中洲先生の墓参に参りました。天保元年に生まれ、大正8年5月12日に90歳で亡くなられたわけです。本年は没後93年、生誕後182年目に当たります。先生の墓碑には「自反而縮雖千萬人吾往矣」、「自ら反みて縮(なお)くんば、千万人と雖も吾往かん」という言葉が刻まれておりました。これは孟子の公孫丑から引用した言葉で、その意味は、中洲先生が、「ご自分が心に照らして純粋に正しいと思うことは、誰が何を言おうと、敢然と実行していく」という強い心意気を表したとされています。この墓碑を見て、現在遂行している長期ビジョンプロジェクトは、正に時代の要請に照らして、遂行していくべきものであり、実現すべき課題であると感じた次第です。

 最後になりましたが、先ほども申し上げたとおり、本学は本年10月、創立135周年を迎えます。これを機会に、大学九段集約のために、九段キャンパスの拡充が必要になります。従って、九段の地に土地・建物を購入する必要があります。そのための募金活動を開始しますので、松苓会の皆様も広くこの募金にご協力いただきたく切にお願い申し上げて、本日の挨拶といたします。