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理事長トピックス

平成25年度 入学式 祝辞

二松學舍大学 入学式祝辞 (平成25年4月3日)

 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。皆さんの門出を心からお祝いいたします。二松學舍は、本年創立136周年を迎えます。国漢の二松學舍、国語力の二松學舍として、わが国では非常に古い歴史と伝統を誇る學舍であります。皆さんはその大学に入学します。皆さんは、これから勉学に努め、先生方の薫陶を受け、新しい友人をつくり、さまざまな活動に励む日々を送ることになります。失敗や挫折、悩むこともあるかもしれません。しかし、皆さんが勉学を続ける志を持っていく限り、二松學舍大学は必ず皆さんを応援していきます。ご家族の皆様にも、本日の入学式に御列席賜り誠にありがとうございます。また御子弟の御入学、心よりお慶びを申し上げます。皆様もまた、本日から二松學舍とともにあります。壇上の多数の御来賓、学校法人二松学舎顧問、役員、名誉役員、松苓会会長、大学父母会会長、同役員も含めご列席のすべての皆様とともに、そしてすべての本学関係者とともに、皆さんをこのキャンパスにお迎え出来たことを心から慶びたいと思います。
 せっかくの機会ですから、入学生の皆さんに本学学生として心がけて欲しいことを二つ申し上げます。
 第一には、いろいろな勉強を幅広くして、「学力に加え、豊かな人間力」を養って欲しいということです。文学部、国際政治経済学部、大学院あわせて、開講科目は1000科目以上になります。これから4年間ないしは6年間、この中から、皆さんが受講する科目を選んでいくわけですが、全ての勉強に無駄はありません。いろいろな勉学にチャレンジしてください。
 まず、文学部、国文学科。古くは6世紀まで遡ることができる、わが国の国文学は、『古事記』や、『万葉集』『古今和歌集』などの和歌、『今昔』、『源氏』などの物語や『枕草子』、『徒然草』、『方丈記』などの随筆から、『平家物語』、『太平記』など軍記物語や、能・狂言の世界へと広がり、我が国最古の演劇論である世阿弥の『風姿花伝』なども生みました。そして近世文学、夏目漱石、落合直文、前田夕暮など本学卒業生を輩出している近代文学から、現代の文学に繋がり、さらには映像・演劇・メディアまで広がっており、本学国文学科の開講科目数も非常に幅広いものがあります。また一般的に我が国の文学は、其の量と質のレベルは、欧米文学をはるかに凌駕しているといわれています。従って、諸君はこうした世界に冠たる国文学の素晴らしさ、魅力を探求するという態度で勉学して頂きたい。また中文学科については、「四書五経」を始めとして『論語』、『孟子』等の儒教精神、中国や韓国の古代の歴史、政治、思想、言語および書道論の全容を教授しています。また、国際政治経済学部は、英語等語学をベーシックにして政治、経済、法律の基礎や専門知識及び現実の社会の動きなどを教授しております。従って、国際政治経済学部の皆さんは、理論と現実、内外の政治や経済活動、それと裏腹の法律や金融活動がどう行われているのか、いつも関連付けながら、学んでいただきたい。また、両学部を通じて入学生の皆さんは、主体的に勉強してください。主体的にとは、受講科目の予習、復習は勿論のこと、わからない点はどんどん先生に質問していくということです。そして、4年間の各学部生活で、履修した学問を通じて、学士力として、基礎、専門の知識・学力に加え、表現力、観察力、分析力、コミュニケーション能力を身に付けつつ社会的能力や課題解決力、構想力、想像力等社会で生き抜く力、すなわち豊かな人間力を涵養して行って頂きたいと思います。

 第二点は、「二松學舍精神を学んでほしい」ということです。
 皆さんは、既に、キャンパスライフや履修要綱を手にしたと思いますが、その最初に本学の建学の理念、教育の理念が掲載されています。さわりだけお話しします。今から136年前、明治10年に、大学の前身である漢学塾二松學舍が、これから皆さんが学ぶ九段の1号館の地に、三島中洲先生、(この方は当時大審院判事[今の最高裁判所判事]、後に大正天皇の東宮時代の待講[先生]として漢詩や漢学を教えたという偉い人です)により、創設されました。漢学塾の中庭に二本の松の古木があり、これが二松學舍命名の由来となっております。學舍創設時、中洲先生が唱えたのは、「東洋の精神による人格の陶冶」、「(漢学を教授することにより)己ヲ修め、人ヲ修め一世に有用なる人物を養成することに在り」と説いております。これが本学の建学の理念です。すなわち、東洋の精神とは東洋文化・精神全般を指しますが、この根本には、中国儒教の先人たちの教え、「人が踏み行うむべき正しい道」、道徳心を元に、倫理観を涵養することが、人格形成の基本であるとの考え方があります。従って、皆さんには、この「東洋の精神すなわち二松精神」を自らのものとし、二松學舍大学の学生として「道徳心、倫理観に溢れ、グローバル化や知的基盤社会化が進む中で、自ら考え、判断し行動する、各分野で活躍し、よりよき社会を実現する人材」に育って欲しいと思います。
 以上、二点、まず「4年間、色々な勉強にチャレンジして頂きたい。また履修科目の基礎・専門的な知識・学力のほかに社会的能力や課題解決力など社会を生き抜く力、豊かな人間力を身に付けること、次に「二松學舍精神を磨き、道徳心を元に、倫理観に優れ、より良き社会を実現する人材に育って欲しい」という二つのことをお願いしておきます。今後皆さんがこれらのことに努め、これから4年間、切磋琢磨して、さらに成長していくことを心から期待して、私の祝辞と致します。皆さんご入学おめでとうございます。

附属高等学校 入学式祝辞 (平成25年4月9日)

 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。満開の桜の中、皆さんの新しい門出を心からお祝いいたします。二松學舍は、昨年10月に創立135周年を迎えました。国漢の二松學舍、国語力の二松學舍として日本でも1.2を争う古い歴史と伝統を誇る學舍であります。皆さんはその大学の附属高校に入学します。
 皆さんはこれから一生懸命勉強し、先生方の教えを受け、新しい友人をつくり、さまざまな活動に励む日々を送ることになります。失敗や挫折、悩むこともずいぶんあるかもしれません。しかし、皆さんが勉強するという強い志を持っていくかぎり、附属高校は必ず皆さんを応援していきます。
 ご家族、保護者の皆様にも、本日の入学式にご参列頂き、大変感謝しております。また心からお慶びを申し上げます。皆様もまた、本日から二松學舍とともにあります。本日、ご列席のご来賓のすべての皆様とともに、そしてすべての本学関係者とともに、皆さんをこのキャンパスにお迎え出来たことを心から慶びたいと思います。

 さて、これからの高校生活を送るにあたり、皆様に本校生徒として心がけて欲しいことを三つ申し上げます。
 まず第一点は、二松學舍の精神を学んで欲しいと思います。附属高校の教育方針である校訓は「仁愛、正義、誠実、弘毅」という四つの言葉で構成されています。皆さんは、これらの意味を、これから三年間、中国の昔の立派な先生、孔子という人の言葉をまとめた「論語」の授業の中で教えてもらうことになると思います。まず「仁愛」とは人に対する思いやりの心をもつことです。お父さんやお母さん、友達、先生などに、思いやりの心で接するようにしてください。「正義」はルールを守ることです。学校にもルールがあります。ルールを守って行動してください。「誠実」は、私利私欲のない、偽りのないという意味です。嘘をつくことはやめましょう。最後に「弘毅」は心にゆとりがあること、また意思強く、辛抱強くすることです。辛抱強く勉学に励んで頂きたいと思います。この四つの言葉を刻んだ額が、附属高校の校門を入り、大ホールの正面に飾ってあります。

 二つ目は、附属高校の生徒として自覚と責任をもった行動することです。自覚とは皆さんが二松學舍大学附属高校の生徒となったということです。責任とは、学校、家庭の規則に従い、先生やお父さん、お母さんが教えることを守ることです。本校は、今年で創立65年目を迎えました。卒業生は1万5千人を超え、東京都内はもとより、全国のいろいろな分野で活躍しておられます。皆さんは、常に、附属高校の生徒として、また、伝統を引き継ぐ後輩として、社会から、先輩から、注目されています。「さすが附属高校の生徒!」と言われるように、自覚と責任ある行動を心掛けて欲しいと思います。

 そして、三つ目は、将来を見つめる幅広い視野、すなわち皆さんがいつも見ている範囲を広げるように心がけてください。今のうちから、社会への関心、すなわち世の中がどう動いているか、日本で何が起きているか、世界で何が起きているか、例えば、安部首相やオバマ大統領とはどういう人か、日銀総裁とは何をする人か、TPP問題、消費税、円安、尖閣諸島、国民栄誉賞とはどういう意味か、ユーロ諸国、北朝鮮、中国はどういう国か、地球温暖化の意味はなにか、など日頃から広く関心をもって観ていれば、皆さんが、将来どういう人になりたいか、出来ること、しなければならないことなどが、自然に頭のなかに湧いてきて、自分がどの方向に進んだら良いかを知らせてくれるナビゲーションが皆さんの頭の中に出来てきます。大学受験の時には将来の方向を決める必要がfあります。そうであれば、早い時期から、視野を広げておくことは重要なことです。
 以上、①二松學舍精神、すなわち「仁愛」の心、「正義」の心、「誠実」の心、「弘毅」の心を持った人になって欲しいこと、②自覚と責任ある行動をとること、③将来を見つめる幅広い視野をもち、皆さんの頭の中にそれぞれの羅針盤を持って欲しいこと、三点を、お願いしておきます。
 高校生活は三年間です。長くて短いような時間ですが、皆さんが、ご両親の保護から離れ、大人への自立をしていく大変大事な時期です。二松學舍は、そんな皆さんを、学校の先生方と共に惜しみなく、支えていきたいと思っています。皆さんの今後三年間の更なる成長を期待して、祝辞といたします。

附属柏中学・高等学校 入学式祝辞 (平成25年4月6日)

 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。皆さんの新しい門出を心からお祝いいたします。二松學舍は、昨年創立135周年を迎え、今年は創立136年目になります。国語力の二松學舍として日本でも古い歴史と伝統を誇る學舍であります。皆さんはその大学の附属柏中学校、同柏高校に入学します。
 皆さんはこれから一生懸命勉学し、先生方からいろいろなことを教えてもらい、新しい友達と出会い、部活などさまざまな活動に励む日々を送ることになります。失敗や計画していたことがうまく行かなくていやになることや、悩むこともずいぶんあるかもしれません。しかし、皆さんがこの中学、高校で一生懸命勉強して行くという強い志を持って勉強をし続ける限り、私たちは皆さんを惜しみなく助け、応援していきます。
 ご家族、保護者の皆様にも、本日の入学式にご参列頂き、感謝申し上げます。また心からお慶びを申し上げます。皆様もまた、本日から二松學舍とともにあります。本日、ご列席のすべてのご来賓の皆様とともに、そしてすべての本学関係者とともに、皆さんをこのキャンパスにお迎え出来たことを心から慶びたいと思います。
 さて、これからの中学生活、高校生活をどのようなものにしていくかを考える時、皆様に本学生徒として心がけて欲しいことを三つ申し上げます。中学生の保護者の方も聞いておいてください。

 まず、第一点は中学生、高校生ともに二松學舍の精神を学んで欲しいと思います。柏中学・高校の教育の方針は「仁愛、正義、誠実」という三つの言葉で構成されています。皆さんは、これらの意味を、これからそれぞれ三年間、中国の昔の立派な先生、孔子という先生の言葉をまとめた『論語』という授業の中で教えてもらうことになると思います。まず「仁愛」は人に対する思いやりの心をもつことであり、『論語』の中で最も重要な言葉です。お父さんやお母さん、友達、先生など思いやりの心で接するようにしてください。「正義」は正しいことをする、道徳心をもって行動する、ルールを守ることです。「誠実」は、私利私欲のない、偽りのないという意味です。人を裏切る、嘘をつくことはやめましょう。嘘をつくと仲間が少なくなります。この三つの言葉をよく頭に入れて、皆さんがそういう態度や行動が出来るようにして欲しいと思います。
 二つ目は、附属柏高校、中学校の生徒として自覚と責任をもった行動をすることです。自覚とは皆さんが柏中学の生徒、柏高校の生徒となったということです。責任とは、学校の先生やお父さん、お母さんが教える規則を守ることです。柏高校は、今年で創立44年目を迎えました。卒業生は1万人近くになり、柏市内、東京都内はもとより、全国各地のいろいろな分野で活躍しておられます。高校生の皆さんは、常に柏高校の生徒として、また、伝統を引き継ぐ後輩として、社会から、先輩から、注目されています。さすが「附属柏高校の生徒!」と言われるように、自覚と責任ある行動を心掛けて欲しいと思います。中学生も同様です。柏中学の生徒として責任ある行動をとりましょう。
 そして、三つ目は、将来を見つめる幅広い視野、すなわち皆さんがいつも見ている範囲を広げるように心がけてください。保護者の皆さんもこの点はご家庭でご協力方お願いします。そして今のうちから、社会への関心、すなわち世の中がどう動いているか、日本で何が起きているか、世界で何が起きているか、例えば、安部首相、オバマ大統領とはどういう人か、日銀総裁は何をする人か、円安、消費税、TPP問題、尖閣諸島、地球温暖化、原子力発電とはどういう意味か、ユーロ諸国、北朝鮮、中国はどういう国か、など日頃から広く関心をもって観ていれば、皆さんは自分が将来どういう人になりたいか、出来ること、しなければならないことなどが、自然に頭の中に湧いてきて、自分がどの方向に進んだら良いかを知らせてくれる羅針盤が皆さんの頭の中に出来てきます。中学生は高校生になる時、高校生は大学受験の時に将来の方向を決める必要があります。そうであれば、早い時期から、視野を広げておくことは重要なことです。そういう意味で皆さんの頭の中に羅針盤を持つことは大切なことです。柏高校の北校舎の横に羅針盤がありますので、見ておいてください。

 以上、①二松學舍精神、すなわち「仁愛」の心、「正義」の心、「誠実」の心を持った人になって欲しいこと、②自覚と責任ある行動をとること、③将来を見つめる幅広い視野をもち、皆さんそれぞれの羅針盤を持って欲しいこと、三点とこのほか、中学生は何事も先生やご両親に相談することをお願いしておきます。
 中学生活も高校生活も三年間です。長くて短いような時間ですが、皆さんが、ご両親の保護から離れ、それぞれの段階から自立していく為に大変大事な時期です。二松學舍は、そんな皆さんを、学校の先生方と共に惜しみなく、支えていきたいと思っています。皆さんの今後三年間の更なる成長を期待して、祝辞といたします。