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理事長トピックス

水戸英則理事長の 2023年 146周年新年のご挨拶

二松学舎創立146周年 年頭の挨拶
 “Step by Step Steadily” 一歩一歩着実に

はじめに

 学生・生徒、保護者、教職員、卒業生、そのほか本学関係者の皆様方に、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

「N′2030Plan」5年間の進捗状況

 さて、社会は新型コロナウイルスとの共存の方向で進んでいます。大学、附属高校・中学校では対面授業に切り替わり、ゼミやサークル活動等従来の学校生活が戻りつつあります。本学の長期ビジョン「N’2030 Plan」(以下本プラン)は、5年が経過、結論から申し上げますと、皆々様方のご努力・ご貢献もあり、順調に進捗し、我々は着実にステップアップしてきております。以下にこの5年間の実績を簡単に振り返りましょう。

大学部門

 まず大学部門では、優秀な教授陣と高い教育研究レベルの維持という目標は、総じて達せられましたが、研究面での科研費採択件数が未だ低く、改善が必要です。学生満足度など教育体制充実度は、両学部共に目標値を上回り、在学生における教育内容の評価が向上、今後もその維持・向上が望まれるところです。リテラシーとしての教養教育を展開するため、2022度導入しました「新カリキュラム」は、新しいキャリアデザイン・数理データサイエンス・AIなど各科目を包含しており、4年後の卒業時の成果が期待されます。また、2021年度末から「ディプロマサプリメント」の交付も試行導入され、今後の効果が見込まれます。グローバル化の面では、国際交流センター機能を拡充、多様な海外留学プログラムの提供のほか留学可能な協定校が中国、北米、欧州等17校に、また学術交流を主とする協定校とともに国際交流推進度は顕著に上昇しました。その他東アジア学術総合研究所を中心に、シンポジウム等活発な活動が見られました。 ICT化は、ネットワークの大規模高速化と大容量化工事を実施し、2021年度以降入学生一人一人にモバイルノートPCの無償貸与を開始しました。次にキャリア教育面では、2017年度以降就職率は平均98%で推移。今後新規就職先の開拓が重点課題です。学部・学科等構成面では、現学長、副学長のリーダーシップの下、2017年度に都市文化デザイン学科、翌年度に国際経営学科を開設、昨年4月には歴史文化学科、大学院に国際日本学研究科(修士)を開設、この間収容定員は2,514名から2,934名と、420名の増員となりました。キャンパス整備では「九段5号館」を取得。国際交流センター、共同研究室等を整備しました。奨学金制度は、国による修学支援に加え、本学独自の制度の拡充(奨学基金である第3号基本金を積立金5.09億円に積み増している ※目標10億円)。また長引くコロナ対応で大学学部生および大学院生全員に1人5万円支給(2020年度)をはじめ中学校・高等学校併せて様々な防疫対策を実施、万全な安全確保を図りました。

附属高等学校・中学校部門

 附属高等学校・中学校の教育改革は、両附属高校長・中学校長のリーダーシップの下、『論語』に基づく人格教育を基本に、アクティブラーニングを通じた教育体制で更なる進学校化を目標としております。現状附属高校は目標達成のための更なる課題克服が必要です。 附属柏中学・高等学校は、千葉県内進学校としてのブランドが定着、グローバル化・ICT化対応も遅滞なく行って参りました。

法人部門

 法人所管事項では、この5年間安定した財務基盤を維持。また人材育成面では「学校法人二松学舎SDに関する規程」による階層・職務別の研修体制が定着、教職員の資質向上促進のための全学的な体系が整備されています。ガバナンスの充実面では、2021年4月「学校法人二松学舎 二松学舎大学ガバナンス・コード」を公表しました。

今後の課題

 今後の課題は、①昨年度導入の新カリキュラムの実質化を進めていくこと、すなわちリテラシーとしての教養教育をどう定着させていくか、人材育成上効果のあるものにしていくことです。次に②教務基盤システム(Live Campus)の更新やLMS(Learning Management System)の新規導入による教学マネジメント面のDX(デジタルトランスフォーメーション)化の推進です。教育現場や研究環境にデジタル技術を積極的に取り入れ、教育の質を一層深化させ、学修者本位の教育、学びの質の向上、出口の保証のさらなる充実を図っていくことです。

最後に

 本年も、大学、両附属高校・中学校を更にレベルアップし、いつも選ばれる大学、高校、中学校としてのゆるぎない地位を目指して、皆さんとともに、確実に着実に、
"Step by Step"で歩んでいきたいと考えております。

 引き続き皆様のお力添えを切にお願いして、新年の挨拶といたします。