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理事長トピックス

水戸英則理事長 「教学DX推進室」辞令交付式挨拶

2022年7月1日

「教学DX推進室」辞令交付式挨拶

 皆様ご存じのように、これからの大学間競争は非常に激しく、特に文系大学はマーケット全体のパイが縮小していき、学生獲得競争がますます激化することが予想されます。こうした情勢下重要な点は、二松学舎大学の教育の質をさらに高め、良い教育をする大学との定評を獲得することです。
 本学は現在、「N’2030Plan」を展開する中で「21世紀型教育体制の構築」を目指しております。その最終目的は、三位一体の人材育成です。すなわち、教養知識を含む基礎知識を背景に専門知識を身に付け、コミュニケーション力、表現力、論理的思考力などを培い、倫理性の元社会に役立つ人材、そして困難な課題に挑戦し、克服していく力、新しい価値を創造する力を身に付けるなど社会的知性や創造的知性を備えた人材の育成を行っていくことです。

 このための環境づくりとして必須となってくるのが、まさに教学事務のDX化といえます。現状のシステムである「Live Campus」や教務、入試システムでは各種データ間の連携が取れていないため、先生方の学生指導面での利便性に劣るところがあります。また質保証の最終目的である学修成果可視化の観点からは、システム全体の整合性やデータベース統合など機能の拡充が必要である状況です。加えて、更なる課題として、①アドミッション段階では、多様な入試方式がある中、入学生間の実力のばらつきがあり各能力に応じた教育が十分に提供出来ていないこと(入学前の学習歴・面接や学力試験の入試情報記録等の更なる取得と分析が必要)、②カリキュラム段階では、アクティブラーニングや留学プログラムへの学生の忌避傾向があること(出欠・アクティブラーニングの実施状況)や適切なGPA結果等修学情報の更なる取得と分析が必要であること、③ディプロマ段階では、個々の学生のGPA結果と社会人基礎力(ジェネリックスキル)との相関に問題があること(就活期間の相談事項・活動内容や学生の適性に応じた就職先の選択とその判断材料の更なる取得と分析が必要)などの課題が存在しています。

 今後、これらの課題を解決していくためには、まずはオンラインを含む教育の中核でもあるLMSの充実を図るなど「Live Campus」のバージョンアップ、相互のデータ連携を強めることと並行して、①就学中の成績結果であるGPAの信頼性向上のため採点基準のルーブリック化や各先生間の共有化を進めつつ採点結果のブレを均していくこと、②教学マネジメント関連データ(入試、教務、キャリア等)を統合・連携し、当該マネジメントにDXを導入、履歴情報にAI分析を入れることで個々の学生の能力に応じた教育を提供し、かつ最適な能力の探知を図ること、③新たな教育手法やグッドプラクティスを共有化し、FD・SDを通じて教育内容や手法の充実化を図ること、④教育と研究の両輪を軸とした教員と学生との意見交換の実施や学生参加型のFD等の導入などを通じて教員がチームとなった教育課程を編成すること、⑤学習成果としてのディプロマサプリメントを、PROGテストの実施も含めジェネリックスキルとの相関を引き上げるなどしてさらに信用力のあるものにしていくこと、などが教学DX推進室の課題であり、仕事であります。こうした形で、学生と教職員のコミュニケーションツールの一層の充実を図り、教育効果を一層発揮させ、教育の質をさらに高めていく必要があります。

 そして、その結果「N’2030Plan」の人材育成目標を達成するとともに、「21世紀型教育体制の構築」を実現し、だれもが志願したい「二松学舎大学」としてのブランドを確立していくことが最終目標です。こうした点を念頭に置きつつ、皆さん、これからの仕事をお願いいたします。

以上