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理事長トピックス

平成28年度 入学式 祝辞

二松學舍大学 入学式祝辞

平成28年4月6日


 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。皆さんの門出を心からお祝いいたします。二松學舍は、本年創立139年目を迎えます。「国漢の二松學舍」、「国語力の二松學舍」として、わが国では有数の古い歴史と伝統を誇る学舎であります。皆さんはその大学で、これから勉学に努め、先生方の薫陶を受け、新しい友人をつくり、さまざまな活動に励む日々を送ることになります。失敗や進路で悩むこともあるかもしれません。しかし、皆さんがこの大学で自分のやりたい分野を見つける、皆さん自身の人生の基盤を固めていくという目標をもって勉学を続ける限り、二松學舍大学は、皆さんをさまざまなかたちで指導し、支援していく用意があります。
 入学生のご家族の皆様にも、お祝いを申し上げます。本日の入学式に御列席賜り誠にありがとうございます。皆様もまた、本日から二松學舍とともにあります。壇上の多数の御来賓、学校法人二松學舍顧問、役員、名誉教授、松苓会会長、大学父母会会長、同役員、そしてすべての本学関係者とともに、新入生の皆さんをこのキャンパスにお迎えできたことを心からお慶びいたします。
 さて、入学生の皆さん、折角の機会ですから、今後大学生活送る上で、是非念頭において頂きたいことを2点申し上げます。

 第1点は、大学で学ぶことの意義についてです。
 4年後には、皆さんは大学を卒業して就職する、研究の世界に入るなど、一般社会に進路を求めます。その社会、世の中には、さまざまな背景を持った人が、いろいろな考え方を持って、働き、研究活動をしており、多様な価値観であふれています。そのような中で、皆さん自身が「自分は卒業後どのように生きていくのか」、「自分を取り巻く環境や社会に対して、自分がどのように関わっていくのか」の答えを求めるため、これからの4年間、大学で学ぶわけです。すなわち大学での学びを通じて、皆さん自身の納得する価値観、生涯やりたい研究や分野を見つけることであり、こうした活動が、皆さんのこれからの人生を決めることに繋がります。また、大学は、学問以外のいろいろな知識を修める場所でもあります。先生や友人などたくさんの人と出会い、交流し、サークル活動やボランティア、インターンシップなどの諸体験を通じて、人生に必要な人間関係の基礎を学ぶ場でもあります。ですから、在学中は積極的に勉強し、いろいろな経験を積んで頂きたい。そして、4年後は、基礎・専門知識、語学の他、分析力、論理構成力、創造力、課題解決力など社会生活で必要なスキルを身に着け、皆さん自身が、人生でやりたい分野を掴んで頂きたいと思います。

 第2点は、本学の人材育成方針についてです。皆さんに、どういう人になって欲しいかについてお話しします。
 皆さんは、既にキャンパスライフを手にされたと思いますが、その4ページ目に本学の建学の理念、教育の理念が記載されています。139年前の明治10年、三島中洲先生により、大学の前身である漢学塾二松學舍が、これから皆さんが学ぶ九段1号館の地に創設されました。漢学塾には舎則が設けられ、その中に、塾の人材育成方針が、記されています。その言葉が「己ヲ修メ人ヲ治メ一世ニ有用ナル人物ヲ養成スル、故に仁義道徳を以て基本と為サザルベカラズ」であり、本学の建学の理念に基づいた、育成する人材像です。これを、分かりやすく解釈すると、「日本に根ざした道徳心を基に、自ら判断し、行動する、真の国際人の養成を目指す」ということです。「日本に根ざした道徳心とは、「人として踏み行うべき正しい道を歩むこと」が、人格形成の第一義であり、その上で、良質な知識、英語や中国語など語学を身に着け、我が国の文化、歴史を理解し、その知識を背景に、よりよき社会を実現する目的をもって、グローバルに行動する人材」に育ってほしいということです。

 新入生の皆さんは、以上2点を踏まえて、この貴重な4年間、充実した学生生活を過ごして頂きたい。その年月は必ずや、皆さんの未来の、しっかりした基盤になると考えます。これをもって私の入学式の祝辞と致します。

平成28年度 入学式祝辞
附属高等学校 ― 4月8日 ―
附属柏中学・高等学校 ― 4月7日 ―

 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。皆さんの門出を心からお祝いいたします。二松學舍は、今年10月10日に創立139周年を迎えます。「国漢の二松學舍」として日本でも古い歴史と伝統を誇る学舎であります。皆さんはその大学の附属高等学校(附属柏中学・高等学校)に入学します。
 皆さんはこれから一生懸命勉強し、先生方の教えを受け、新しい友人をつくり、さまざまな活動に励む日々を送ることになります。失敗することや進路で悩むこともずいぶんあるかもしれません。しかし、皆さんが、皆さん自身の能力を見つけるために一生懸命勉強するという強い志を持っているかぎり、附属高等学校(附属柏中学・高等学校)は必ず皆さんを応援し、指導していきます。
 ご家族、保護者の皆様にも、心からお慶びを申し上げます。本日の入学式にご列席を賜り誠にありがとうございます。皆様もまた、本日から二松學舍とともにあります。すべての本学関係者とともに、本日、新入生の皆さんをこのキャンパスに迎えたことを心からお慶びいたします。
さて、これから皆さんが高校(中学)生活を送っていく上で、念頭に入れておいていただきたいことを2点申し上げます。

 まず第1点は、高校(中学)の勉強をどう進めていくかということについてです。入学生の皆さんは、今現在、全員が将来に向けて伸びていく素質と能力を持っています。問題はその素質と能力に皆さん自身が気づくかどうか、その素質と能力を育てることができるかどうかであり、それは皆さんのこれからの勉強の仕方で決まってきます。
 高校(中学)の勉強科目は、国語、数学、理科、英語、家庭、情報、地歴、公民、芸術、保健体育など非常に広い範囲を学習します。何故ならば、それは皆さんが将来進む道を決めるとき、選択の幅を広げてくれるからです。皆さんは最初から全ての科目を、好き嫌いなく一生懸命勉強してください。これらの学習をしていくうちに、得意な科目ややりたい分野に気づいてきます。そして同時に、いつも世の中を見る範囲を広げるように心がけて下さい。社会への関心、すなわち世の中がどう動いているか、日本で何が起きているか、世界で何が起きているか、日頃から幅広く関心をもって見ていくことが必要です。また読書も大切です。読書は居ながらにして、色々な知識を得ることが出来ます。このような形で勉強を進めていくと、みなさんが将来、この社会に対してどう関わりを持っていきたいのか、皆さんのやりたいことを実現するためには、どういう勉強をすべきか、どんな科目が関連しているのか、そして、理系、文系、教養系、芸術系、体育系など、どういう系統の大学に進学するべきか、進路が自然と見えてきます。このように勉強を進めると、皆さん個々人の適正と能力に見合った進路を設定することが大切です。

 2点目は、豊かな人間力を身に着けて欲しいと思います。豊かな人間力は、次の4つの要素から構成されています。まず人に対する思いやり、二番目は正しいことをする心、三番目は誠実な心を持つこと、四番目は強い意志を持つ心です。まず思いやりの心とは相手の立場に立ってものを考えられるということです。友だち、先生などに対して、思いやりの心で接するようにしてください。次に「正義」はルールを守ることです。学校にもルールがあります。ルールを守って行動してください。「誠実」は、私利私欲のない、偽りのないという意味です。嘘をつくことはやめましょう。最後に意思強く、辛抱強くすることです。辛抱強く勉学に励んで頂きたいと思います。この4つの心を頭に刻んで、態度や行動に移して欲しいと思います。そして知識の習得のみならず、豊かな人間力をつけて、様々な人々と協働出来る人材となって頂きたいと思っております。

 私ども二松學舍大学附属高等学校(附属柏中学・高等学校)は、以上の点について、皆さんを今後導いていきたいと考えています。どうか、この貴重な3年間、充実した学校生活を過ごしてください。その年月は必ず、皆さんの未来のしっかりした基盤になると考えます。本日は誠に、おめでとうございました。