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理事長トピックス

2019年度入学式 祝辞

二松学舎大学 入学式祝辞

2019年4月1日

 皆さんご入学おめでとうございます。桜咲く季節皆さんの新しい門出を心よりお祝いいたします。
さて、二松学舎は、今年創立142年目を迎えました。明治10年10月皆さんがこれから学ぶ九段1号館の同じ敷地に明治時代の法律家で漢学者の三島中洲先生が漢学塾二松学舎を創設したのがそのルーツです。爾来「国漢の二松学舎」として、わが国では有数の古い歴史と伝統を誇る学舎であり、また最近では文学部に都市文化デザイン学科、国際政治経済学部に国際経営学科を設置するなど新機軸も打ち出しております。皆さんはこれからこの大学で、先生方の薫陶を受け、新しい友人をつくり、さまざまな活動に励む日々を送ることになります。失敗や進路で悩むこともあるかもしれません。しかし、皆さんがこの大学で自分のやりたい分野を見つける、皆さん自身の人生の基盤を固めていくという目標をもって勉学を続ける限り、二松学舎大学は、皆さんをさまざまなかたちで指導し、支援していく用意があります。 また入学生のご家族並びに関係者の皆様にも、本日の入学式に御列席賜り誠にありがとうございます。ご入学心よりお祝い申し上げます。皆様もまた、本日から二松学舎とともにあります。壇上の多数の御来賓、学校法人二松学舎顧問、役員、名誉教授、松苓会会長、大学父母会会長、同役員、そしてすべての本学関係者とともに、新入生の皆さんをこのキャンパスにお迎えできたことを心からお慶びいたします。

 さて、入学生の皆さん、この大学でどういう力を身に就けたらよいか、これからの社会の変化を展望しながら、参考になる点をお話ししておきます。
先ずこれからの予想される社会環境の大きな変化、それは、経済の仕組みが「これまでは物の大量生産、廃棄など資本集約型」でありましたが、これからは「GAFAなどが生み出すビッグデータ等無形資産の活用、難問解決や人間関係重視の学術等知識集約型」へシフトしてきています。また社会の目標が「個人の価値観を尊重する生活環境を提供できる社会」となり、調査・分析事務、反復事務の多くはAI等デジタル、テクノロジーによって代替され、人間の仕事ではなくなっていきます。従って、「マニュアルを覚え、正確・迅速な処理力」よりも、「問題を発見、課題を設定、解決し創造する力や人間関係をスムースに運ぶ対人基礎力」などの能力が必要となり、これらに関連する知性を身に就けていく必要があります。

 では創造する力とはなにか、蓄積してきた知識と知識を組み合わせることで新しい価値を生みだす能力といえます。クリエーターやデザイナー、作家、芸術家、プロデューサーなどはアイデアを収集・蓄積し、これらを結びつけることで新しいアイデアを生み出し、創造性を発揮している訳です。創造的な知性を身に付けるためには、その基礎となる幅広い教養知識、芸術、歴史、哲学、数理データサイエンスなどに加え専門知識のほか表現する力、論理的に考える力、情報を収集し管理する力などを身に就け、物事を観察する、質問する、実験する、相談する力などを自分の頭で考える習慣や力を付けつつ創造的知性を身に付けていくことになります。
次に対人基礎力に関連する知性として、社会的知性が挙げられます。他者との協調や理解を通じて説得、交渉ができる知性を指します。社会的知性には、その人の人間性が大きく左右します。在学中は新しい友人や先生と様々な分野で交流し、サークル活動やボランティア、インターンシップなどの諸体験を通して、協働し協調していくなど人間関係をスムースに運んでいく対人基礎力を磨き、社会的知性を身に付けていく必要があります。
 
 こうした創造的知性や社会的知性はAIで代替されないといわれており、これらを涵養しておくことは、皆さんが、将来、皆さんのやりたい分野でより有利に仕事を見つけやすくなるということにも、繋がることになります。また当然のことながら、本学の教育内容についても、こうした時代の変化に応じて、常に見直していくこととしております。

 以上、皆さんはこれらの知識と技能を兼ね備え、主体性をもって、様々な変化や多様な価値観受け入れ、公正な判断を行い、自ら行く道を造りだしていける人材、この厳しい未来社会を生き抜いて行ける人材として育ってほしいと考えております。
これからの貴重な4年間、充実した学生生活を過ごして頂きたい。その年月は必ずや皆さんの未来の、しっかりした基盤に繋がると考えております。皆さんは日本の未来を担う財産であることは間違いない事実です。
 これをもって私の入学式の祝辞といたします。

二松学舎大学附属高等学校入学式 祝辞

2019年4月6日

 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。皆さんの門出を心からお祝いいたします。さて二松学舎は、今年で創立142年目を迎えます。「国漢の二松學舍」国語と漢文の二松学舎として日本でも古い歴史と伝統を誇る学舎であります新最近では、都市文化デザイン学科、国際経営学科を新設し、新機軸も打ち出しております。

 皆さんはその大学の附属高等学校に入学します。皆さんはこれから一生懸命勉強し、先生方の教えを受け、新しい友人をつくり、さまざまな活動に励む日々を送ることになります。失敗することや進路で悩むこともずいぶんあるかもしれません。しかし、皆さんが、皆さん自身の能力を見つけるために一生懸命勉強するという強い志を持っているかぎり、附属高等学校は必ず皆さんを応援し、指導していきます。また入学生のご家族並びに関係者の皆様にも、本日の入学式に御列席賜り誠にありがとうございます。ご入学心よりお祝い申し上げます。皆様もまた、本日から二松学舎とともにあります。
壇上の多数の御来賓、学校法人二松学舎顧問、役員、松柏会会長、父母会会長、同役員、そしてすべての本学関係者とともに、新入生の皆さんをこのキャンパスにお迎えできたことを心からお慶びいたします。

 さて、入学生の皆さん、皆さんが、これから経験する我が国の社会の変化は非常に大きいものがあります。AI,IoT,ビッグデータ等、サイバー社会の芽が見られ、例えば10年後、今の仕事の半分はAI等デジタルテクノロジーに代替・自動化され、人がする仕事ではなくなると言われています。言い換えれば、高校生の皆さんの40%位は、大学卒業時には、今ない仕事に就く可能性が高い訳です。このように大きな変化が到来し、かつ将来の予測がつきにくい世の中です。こうした中で、この学校生活で身につけて頂きたいことは、次の3点です。

 第1点は、こうした変化する社会の中で「世の中を幅広く見る心」を持つことです。これからの社会や経済構造は、諸方面で大きな変化が予測されます。日本や世界で、環境面や社会・政治・経済面で何が起こっているか、テレビ等で、その内容を理解し、さまざまな知識を蓄積していくことが大切です。要は学校での勉強と社会との繋がりを意識して生活を送ることです。

 第2点は「モラルを基とした寛容な心」を持ってほしいと思います。寛容とは相手の立場を理解できる心の余裕を持てるということであり、社会的知性を身に付けているということになります。
今、世界は保護主義と自由主義など二極化しており、分断や格差が拡大しております。我が国においても、都市と地方の格差、教育を受けて技能を持つものと持たない者の格差が広がっているのが事実です。このような状況下、最近見直されている考え方、それは、我々人間が本来持っている義務を果たすべきモラル観、道徳の大切さです。モラル観に溢れる企業は従業員や地域社会に貢献する、そこには、今ある格差を縮めていこうとするメカニズムがあります。従って、皆さん一人ひとりがモラルをもって積極的に寛容であることは、自分自身や家族、周りの人、ひいては社会の格差や分断をより縮める結果となる訳です。

 3点目は「復元力」です。傾いた船が元に戻る力を云います。心の広い、精神的にゆとりの有る様を指し、辛抱する、苦難を乗り越える強靭な心を持つということを意味します。与えられたことを辛抱強くこつこつと努力していくことです。皆さんのこれから歩む道は、常に平坦ではありません。時には壁にぶち当たり、スランプになったとしても、それを乗り越え、克服していく強い心を持つことが大切です。

 私ども二松学舎大学附属高等学校は、以上の点について、皆さんを今後導いていきたいと考えています。どうか、この貴重な3年間、充実した学校生活を過ごしてください。その年月は必ず、皆さんの未来のしっかりした基盤になると考えます。

二松学舎大学附属柏中学校・高等学校入学式 祝辞

2019年4月6日

 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。皆さんの門出を心からお祝いいたします。さて二松学舎は、今年で創立142年目を迎えます。「国漢の二松学舎」国語と漢文の二松学舎として日本でも古い歴史と伝統を誇る学舎であります新最近では、都市文化デザイン学科、国際経営学科を新設し、新機軸も打ち出しております。
 皆さんはその大学の附属柏中学校・高等学校に入学します。皆さんはこれから一生懸命勉強し、先生方の教えを受け、新しい友人をつくり、さまざまな活動に励む日々を送ることになります。失敗することや進路で悩むこともずいぶんあるかもしれません。しかし、皆さんが、皆さん自身の能力を見つけるために一生懸命勉強するという強い志を持っているかぎり、附属柏中学校・高等学校は必ず皆さんを応援し、指導していきます。また入学生のご家族並びに関係者の皆様にも、本日の入学式に御列席賜り誠にありがとうございます。ご入学心よりお祝い申し上げます。皆様もまた、本日から二松学舎とともにあります。
壇上の多数の御来賓、学校法人二松学舎顧問、役員、松柏会会長、父母会会長、同役員、そしてすべての本学関係者とともに、新入生の皆さんをこのキャンパスにお迎えできたことを心からお慶びいたします。

 さて、入学生の皆さん、皆さんが、これから経験する我が国の社会の変化は非常に大きいものがあります。AI,IoT,ビッグデータ等、サイバー社会の芽が見られ、例えば10年後、今の仕事の半分はAI等デジタルテクノロジーに代替・自動化され、人がする仕事ではなくなると言われています。言い換えれば、高校生の皆さんの40%位は、大学卒業時には、今ない仕事に就く可能性が高い訳です。このように大きな変化が到来し、かつ将来の予測がつきにくい世の中です。こうした中で、この学校生活で身に付けて頂きたいことは、次の3点です。

 第1点は、こうした変化する社会の中で「世の中を幅広く見る心」を持つことです。これからの社会や経済構造は、諸方面で大きな変化が予測されます。日本や世界で、環境面や社会・政治・経済面で何が起こっているか、テレビ等で、その内容を理解し、さまざまな知識を蓄積していくことが大切です。要は学校での勉強と社会との繋がりを意識して生活を送ることです。

 第2点は「モラルを基とした寛容な心」を持ってほしいと思います。寛容とは相手の立場を理解できる心の余裕を持てるということであり、社会的知性を身につけているということになります。
今、世界は保護主義と自由主義など二極化しており、分断や格差が拡大しております。我が国においても、都市と地方の格差、教育を受けて技能を持つものと持たない者の格差が広がっているのが事実です。このような状況下、最近見直されている考え方、それは、我々人間が本来持っている義務を果たすべきモラル観、道徳の大切さです。モラル観に溢れる企業は従業員や地域社会に貢献する、そこには、今ある格差を縮めていこうとするメカニズムがあります。従って、皆さん一人ひとりがモラルをもって積極的に寛容であることは、自分自身や家族、周りの人、ひいては社会の格差や分断をより縮める結果となる訳です。

 3点目は「復元力」です。傾いた船が元に戻る力を言います。心の広い、精神的にゆとりの有る様を指し、辛抱する、苦難を乗り越える強靭な心を持つということを意味します。与えられたことを辛抱強くこつこつと努力していくことです。皆さんのこれから歩む道は、常に平坦ではありません。時には壁にぶち当たり、スランプになったとしても、それを乗り越え、克服していく強い心を持つことが大切です。

 私ども二松学舎大学附属柏中学校・高等学校は、以上の点について、皆さんを今後導いていきたいと考えています。どうか、この貴重な3年間、充実した学校生活を過ごしてください。その年月は必ず、皆さんの未来のしっかりした基盤になると考えます。