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理事長トピックス

教育学術新聞第2586号「関東地区連絡協議会設立30周年記念紙上座談会」に水戸英則理事長が参加しました

平成26年11月12日発行の教育学術新聞第2586号に、水戸英則理事長が参加した「関東地区連絡協議会設立30周年記念紙上座談会」の記事が掲載されています。座談会には、関東地区連絡協議会に加盟する1都8県の各代表9名(理事長または学長)が参加し、建学の精神の重要性や私立大学を取り巻く現状、諸課題等について語りました。
記事の中から、本学の取組の現状や諸課題に対する今後の展望、また私立大学における改革の必要性等に関する水戸理事長の発言を抜粋しました。


関東地区連絡協議会設立30周年記念紙上座談会
テーマ 私大協会の揺るぎない要として
    ~1都8県の理事長が主張 私学振興に先頭で取組む~

建学の精神と21世紀の教育

 本学は創立135周年を契機に長期ビジョン「N2020PLAN」を策定しました。その骨子は、A建学の精神の再確認、B同精神の現代的解釈、Cグローバル化、知識基盤社会化が進む社会に於いて育成する人材像の明確化とそれを実現する教育ビジョンです。

 本学の建学の精神は、明治10年設立時の創設者三島中洲による「東洋の精神による人格の陶冶」です。当時は明治維新後間もない時期で、漢学より西洋学が主流であり、それを見た中洲は、西洋学理解のためには、先ず東洋の精神・文化を理解することが必要と考え、東洋文化の根底にある精神「人として踏み行うべき正しい道」、道徳心を元に倫理観を醸成することが、人格形成の基本であると説きました。

 この建学の精神を、現代の学生に理解させるため、その現代的解釈として「自ら考え、判断し、行動できる能力を有し、社会のために貢献する人物を養成する」ことと規定し、グローバル化時代の国際的知識の理解や知識基盤社会化が進む中で、先ず自国を正しく理解し、母国語である『国語力』を有した人物を養成することを目的とし、当該人材像実現のための教育ビジョンを策定、教育・研究活動を展開しています。

超少子高齢化に地域連携を強化

 グローバル化、知識基盤社会化の波に晒されるなど、大学の経営・教育両環境が大きく変化している中で、とくに私立大学は、その双方に於いて、多面的な改革を行っていく必要がありますね。

 先程からお話がありますが、その対応として、先ず経営面では、経営体のガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底、積極的な情報公開、地域貢献のもとに大学運営を行っていくこと、次に教育改革面では、建学の精神と伝統を学生に教授し、帰属意識を涵養するため愛校心の高揚に努め、知識基盤社会化の進展等多様なニーズに対応できる教育を展開していくこと、またグローバル化対応やキャリア教育の充実、教員養成の更なる強化、生涯学習環境の整備等が挙げられると思います。

 このような施策を通じて、大学四年間で、基礎・専門知識のほかコミュニケーション能力、語学力、創造力や構想力、課題解決力、社会的責任能力等社会で生き抜く力を身に付ける教育体制の更なる充実を進めて行く目的の下、改革を進めています。

私大協会は経営改革の機会提供を

 皆さんの意見をまとめるわけではないのですが、大きく次の二点に集約できるのではないでしょうか。

 まず、私立大学は教職員、学生、卒業生等から成る大規模な人的ネットワークを為しており、これに基づいた多様な知的資産を有しています。高齢化したわが国社会の「持続可能な発展」を追求するには、生命医学、健康医療、社会福祉、防災対応といった分野をはじめこれら大規模な人的ネットワークと多様な知的資産の活用が不可欠です。

 従って協会はそのネットワークの要として、改革に関する話題、各大学の個性的な取組の発信のほか、これらノウハウを蓄積した経営・教育改革・法的対応各面等のコンサルティング業務、さらに分野別(大学の使命・目的、教員・学生、教育方法、学生支援、管理・運営、財務、資産運用、自己点検、社会連携等)のデータバンク機能、人事や大学間の教職員の就職等の各種仲介機能等を充実・強化し、これら活動を通して協会機能が更に充実していくことが期待されるということが第一点です。

 次に、重層的な研修・集会を充実していくことが必要。これまでの学長、理事長等トップマネジメント、経理・財務・事務等各種研修の開催等主に職員を中心とした研修に加え、大学教員である学部長、学部長補佐役、学科主任等大学教員、全学の方針や各学部の方針との調整などマネジメント力をつける観点からFD研修や階層別研修等を主催するなど教育改革の手助けをしていくこと等が、協会の果たして行く役割として挙げられることが第二点です。

 また、最後に付け加えれば、政府が主導する一連の大学改革の動きを背景に、平成25年11月に公表された私大団体連合会の「私立大学六つのアクションプラン」は誠に時宜を得た内容であり、これら諸改革を私立大学は進めていくべきものと考えられます。協会の役割として、この六つのアクションプランを各私立大学が実行できる環境整備をバックアップしていく、例えば、教育・経営諸改革関連セミナーや個別相談等を通じて改革が進められるよう、各私大へ働きかけることなどです。




【関東地区連絡協議会】
 日本私立大学協会に加盟する405大学のうち、東京都を含む1都8県の加盟校135大学で構成される協議会。(水戸理事長は、同協議会監査役)日本私立大学協会には他に、6つの地方支部(北海道支部、東北支部、中部支部、関西支部、中国支部、九州支部)がある。