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理事長トピックス

新年のご挨拶

 在学生の皆様、教職員の皆様、卒業生の皆様、本学関連の皆様に、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 今年の干支は壬辰(みずのえ・たつ/じんしん)であり、10干の壬には「草木の内部に将来の成長に向けての新しい生命が宿る状態」をいい、12支の辰には「天地にエネルギーが満ち溢れ万物の活動が活発になる状態」を示すのだそうです。本年はこの干支の意味合いどおり、昨年のあの未曾有の災害を乗り越えて復興元年になってほしいと思うわけです。

  さて、本学は本年10月10日創立135周年を迎えます。
これまで時代を担う教育機関として着実に実績を積み重ね、長い歴史と伝統を保持してきたように、今後も50年間、100年間、時代を先取りした教育機関として健在であり続けていく使命があります。このため、先ずは10年後、20年後を目標として、名実ともに現在よりも更に飛躍した二松学舎大学、附属高等学校、同中学校を実現するため、昨年来、本学教職員、学生・生徒、卒業生等々から本学の将来像及び教育の在り方に関する意見提言を募りました。この結果、二百件以上の提言を頂き、これから纏めていくわけですが、提言内容を概観しますと、皆さんの意見は、ほぼ次の3点に共通しています。第一点は、建学の精神である「東洋の精神による人格の陶冶」を基本理念に、自ら考え行動する倫理観を持つ人材の育成を使命とすること。第二点、大学は国漢の二松学舎として古典、漢文という本業を軸として、教員養成や新たな文学部像の創造の必要性や東アジアのビジネス界で活躍する人材の育成機関としての体制整備のため新学部、学科の設置を含め、アドミッション、カリキュラム、ディプロ―ム各段階における諸改革が必要であるということ、第三点、高等学校、中学校は儒教の教え、すなわち道徳を基本とした背骨をしっかり通すような教育を施しつつ、難関大学、難関高校を狙える進学校とするため、高大連携、中高一貫教育を含めこれも諸改革が必要ということであります。以上、この共通する本学構成員の考え方は、おそらく過去、現在、未来を通じてほぼ同様であると考えられ、変わりは無いと思うわけですが、問題はその考えを実現するスピードです。今正に東洋の時代を迎え、その考え方を実現していく時が来た、それもスピードを持って、ということではないかと思います。
 創立135周年が長期ビジョン元年であり、今年はその礎を築く大事な年です。冒頭申し上げた「壬辰の字義」、その文字の意味に鑑みれば、今年2012年は「外部環境が大きく揺れ動く中、内部では新しい歩みに向けた成長の種が生まれる年」、すなわち、本年は正に「本学の将来を大きく左右する長期ビジョンの骨格=成長の種、が固まる時期」であるといえます。
 また同時に重要であることは、この長期ビジョンの作成及び実行は、30代、40代の若手教職員が先導して自ら本学の未来を切り拓くという気概を持って実行して行くことが必要であり、理事会をはじめとする私どもはこうした作業の下支えないしは環境整備をして行きたいと考えております。どうか他の教職員、卒業生などを含め本プロジェクトの実現のため、皆様方のご支援、ご協力を引き続きお願いして、辰年、新年のご挨拶と致します。どうか宜しくお願いいたします。