學vol.72

ゼミナール探訪31

ゼミナール探訪31

文学部 都市文化デザイン学科 土井清美ゼミ【文化デザイン(社会)】

〝世の中の常識〟を問い直し、
枠にとらわれない広い視野を培う

 文化人類学を学ぶ本ゼミでは、他者や異なる文化を深く知るための思考法や手法を身につけます。

 「一般的に良いとされているもの、悪いとされているものが実は相対的なもので、決して人類普遍のルールではないこと。時代や場所、文化によって、見方・考え方はさまざまに変わります。それを知ることで、常識とされているものを問い直し、広い視野で物事を考える姿勢を身につけてほしい」というのが土井清美先生の方針です。

 ゼミ生は、1・2年次の基礎ゼミから土井先生の授業を受けて来た学生たちが大半です。あるゼミ生は、「基礎ゼミで異文化コミュニケーションの授業を受けて自分の視野の狭さを知り、大きな視野を持ちたいと思うようになった」と語りました。

 今年度使用するテキストは『自分のあたりまえを切り崩す文化人類学入門』(箕曲在弘、大和書房)と、『改訂版エスノグラフィー入門』(小田博志、春秋社)の二冊。前者では、文化人類学の古典をベースに学問の基礎や考え方を学び、後者では文化人類学で使われる研究手法や記述・考察の方法を学びます。

 ゼミ生たちにゼミの魅力を尋ねると「話し合いの機会が多く、意見交換を通して毎回新鮮な見方が獲得できる」「具体的に伝えることが重視されるので、感じたことや考えたことを具体的に説明する姿勢が身につく」といった答えが返ってきました。また、自分にとって身近なものを文化人類学の視点で考察し、「大好きなプロ野球が、日本の文化としてどのように定着してきたか、そしてこれからどう発展していくのかを卒論のテーマにしてみたい」と学びを発展させているゼミ生もいます。

 〝世の中の常識〟がいかにしてつくられてきたのかを知ることで、「必ずしもそれに従う必要はない」と捉え、自分なりに生きていく力をつける。人間の生はもっと豊かなものだと知る。物事の見方や考え方が大きく開かれる土井ゼミでの学びは、社会に出てからも役立つことでしょう。

文学部 都市文化デザイン学科 土井清美ゼミ【文化デザイン(社会)】

文学部 国際日本・中国学科 橋本 秀美ゼミ【中国語学】

泣いたり笑ったり、感情表現できるまで
中国語を使いこなしてほしい

 本ゼミを担当するのは2024年に着任したばかりの橋本秀美先生。ゼミ生は一期生で、日本人の学生も、中国出身の学生もいます。橋本先生は、北京大学でも教鞭をとっていた漢文・漢語のエキスパート。専門は古典ですが、本ゼミでは現代漢語と日本語の能力を高めるため、翻訳の実践トレーニングを徹底しています。

 「母国語とは別の言葉を生活の中で自由に使えること、例えば、泣いたり笑ったりの感情表現が自然にできるレベルまで他言語を使いこなせれば、人生はより豊かになります。ゼミ生たちにはぜひそのレベルにまで達してほしい」(橋本先生)

 本ゼミは、ゼミ生の訳した文章に対し、橋本先生が丁寧に添削指導していく一対一の授業スタイルが特徴的です。決められたテキストや文献はなく、翻訳する題材はゼミ生たちが自由に選びます。3年次は、ゼミ生たちが希望する動画やドラマのシーンを選び、聞き取ったとおり文字にしていくヒアリングからスタート。4年次では、自分で選んだ小説やドラマなどを題材に卒業制作(翻訳)に取り組んでいきます。その題材はさまざまで、中国の小説やドラマのほか、日本の小説も対象になります。選んだ理由を「日本に憧れを持つ中国の若者たちに日本の日常生活を伝えたい」「中国ドラマはアクションものだけじゃないと知ってほしい」「すでに出ている日本語訳と自分の訳を比べたい」などとゼミ生たちは語りました。

 翻訳作業では、中国語にしかない表現があったり、反対に日本語にはあるけれど中国語に訳しにくい言葉が出てくる場合も。そんな時は、文化や歴史背景の解説を加えながら、橋本先生が一つひとつ助言をしていきます。ゼミ生からは「優しくてわかりやすい。すごく学生思いの先生です」との声が。

 「日本語と中国語の両方を完璧に話せるようになってほしい」という橋本先生の思い、そして実践に特化したゼミの強みが伝わってきました。

文学部 国際日本・中国学科 橋本 秀美ゼミ【中国語学】

學vol.72

広報誌 『學』アジアと世界の架け橋へ。