學vol.63

145周年記念 Special Program

145周年記念 Special Program

大学資料展示室・企画展「三島中洲と近代 其八—新収の小野家旧蔵資料—」展を開催

 二松学舎創立145周年を記念し、大学資料展示室では企画展を開催しています。全3回のうち第2回として開催した「三島中洲と近代 其八―新収の小野家旧蔵資料―」展では、近年本学に新たに収蔵された創立者三島中洲関連の資料を展示しました。これらの資料は、中洲の母の生家小野家から寄贈されたもので、新たに発見された中洲関係の資料としては近来稀にみる質と量を備えており、従来の中洲関係資料の欠落を補う意義を持つものです。
 特に、玉乃世履・渋沢栄一・外山脩造などといった実業家や法律家との交友、侍従や東宮職の諸氏など宮内省関係者からの書簡などが含まれており、大正天皇と中洲の親交ぶりを伝える資料も目を引きます。
 また本企画展は、「三島中洲と近代」シリーズとしては今回で8回目となります。2013年4月に開催した第1回を皮切りに、中洲の生涯や時代の変革期にあった儒者の姿、後継者について、戦争と漢学の関係性、二松学舎の漢学教育、近代日本と岡山の漢学者たち、渋沢栄一と近代漢学など、様々な形で三島中洲と近代日本について取り上げてきました。
 明治・大正期を代表する漢学者である三島中洲の生涯を日本における漢学の歴史とともに振り返ることは、漢学塾が起源の本学のアイデンティティーを確認する上で重要であると同時に、漢学文化の振興を通して広く社会に貢献するための本学の課題ともいえます。
 創立145周年を迎える本年は、伝統を新しい時代の教育研究へとつなげていくため、今一度本学に蓄積された貴重な資料や研究成果を改めて見つめ直す絶好の機会です。

●展示内容にあわせ、オンライン講演会を開催。電気通信大学の佐藤賢一教授による講演と本学の町泉寿郎教授による展示解説動画を公開しました。

●二松学舎創立145周年企画展の第3回は「水木かおる」展(2023年1月23日~3月4日)を開催する予定です。

夏休み子ども研究会「さかなクンがやってきた!」

 例年本学では、地域文化振興の一環として、柏市内の小学生5・6年生を対象に「夏休み子ども研究会」を実施しています。今年度は創立145周年記念事業として、魚類学者の「さかなクン」を講師に招きました。その模様の一部をレポートします。

本来は附属柏中学校・高等学校体育館で開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大状況を踏まえて対面形式は残念ながら中止。8月17日から1週間オンデマンド配信(参加予定者限定)で開催しました。●配信期間/8月17日〜23日

二松学舎大学附属柏中学校・高等学校の吹奏楽部員たちと

 さかなクンを講師に招き実施した創立145周年記念「夏休み子ども研究会」。講演では、魚の生態などに関することはもちろん、水の環境問題についてのお話がありました。さなかクンへの「質問コーナー」では、「夏休みの自由研究」に関する質問が寄せられ、「見る・ふれる・かぐ・きく・味わう」の五感を研ぎ澄ますことの大切さや、さかなクン自身は、かわはぎの皮をはいで剥製標本を作る自由研究をしたことを話してくれました。また「夢をかなえるために努力したことは?」の質問には、小さい頃から魚が好きだったため、とにかく魚にまつわる数々の仕事をしてきた経験の中から、お寿司屋さんでアルバイトをしていた時のエピソードを披露。「壁に魚のイラストを描いて!」と言われたことが転機になったことなどを真剣に語ってくれました。
 魚を「好きでい続ける」ためにやっていることは、決して自己満足にならず、感動を共有することだと思っていますと、明るく元気に語りかけてくれたさかなクン。力強く温かいメッセージが伝わる講演会となりました。オンデマンドで配信した動画では、ナビゲーターを中学校の生徒がつとめ、吹奏楽部によるウェルカム演奏、英語スピーチや「沼の教室」の発表もあり、盛りだくさんのコンテンツで視聴者を楽しませました。

二松学舎大学及び附属柏中学校・高等学校主催 柏市・柏市教育委員会後援

學vol.63

広報誌 『學』アジアと世界の架け橋へ。