2008年3月 二松学舎大学附属高等学校卒業/2012年3月 二松学舎大学文学部国文学科卒業/2012年4月 合資会社 飯島書店入社、現在に至る
青春の詰まった街で今も
この文章を書いている頃、多くの新入生たちが当店を訪問していました。毎年恒例となるこの「神保町巡り」で触れ合う新入生たちの、なんとフレッシュなことか。初心に帰らせてくれます。
これを読まれている皆さまでしたらご存じでしょうが、わが母校である二松学舎大学附属高校と大学から、九段坂をずっと下りていくと、神保町があります。放課後、神保町まで降りてきてぶらついた方も多いのではないでしょうか。その本の街神保町で、まさしく古本屋を営んでいるのが私の実家でした。
大学を卒業し、定職にも就かず流れのまま店を手伝うようになり、今に至ります。齧れる脛には齧ろうじゃないかと思いきや、一丁前に苦労もありました。扱う商品が人類英知の結集ですし、またお客様の中にはその道のプロの方も多くいらっしゃいます。そのためこの業界では一生修行であると、よく言われます。
また、本を読んでいれば古本屋が成り立つわけでもなく、当代である父との世代間ギャップに悩まされ、まずはインターネット回線を引くための説得から始まりました。お客様対応や商品の仕入れなど、古本屋らしい仕事は他の従業員に任せ、自身はIT関連業務や経理や総務、最近ですとコロナ関連の対応など横断的に様々な仕事が出来るのは、小規模企業ならではのことではないかと思います。
時代に適応していかねば残っていけないのは、古本屋も同じです。
店に来た初々しい新入生たちを見て、卒業後も『飯島書店、まだあるかな』と訪れてくれるような店でいようと思い、古本屋を続けるために今日も古本屋らしからぬ仕事をしています。
ぜひ実物をお手に取って、その「歴史」を体感してみてください。