學vol.59

ゼミナール探訪 Vol.20

ゼミナール探訪 Vol.20

国際政治経済学部 国際経営学科 小具龍史ゼミ【マーケティング論・イノベーション論】国際政治経済学部 国際経営学科 小具龍史ゼミ【マーケティング論・イノベーション論】

理論を学び、実践を積んで
真に役立つスキルを身につける

 長年民間のシンクタンクで経営コンサルティング業務に携わってきた小具先生が重視するのは、理論と実践の双方の習得を両立させることです。ゼミは2年次でマーケティングを中心に、イノベーション(新規事業開発)、ブランド・マネジメントの3つの領域の基礎的な知識を習得し、成功している企業、失敗している企業のケース(事例)を分析。3年次は実践的な新製品開発手法の習得からビジネスコンテストへの参加、インターンシップ派遣(希望者)、実際に企業へ提案を行う産学連携プロジェクトの推進までを。4年次には自分が学習・経験してきたことを体系化し、卒業レポートにまとめます。

 「これまで学んできた理論と実践を活かせるよう、学生には好きな企業、もしくは内定した企業を対象にマーケティングやイノベーション、ブランド・マネジメントの視点から課題を掘り起こしてもらいます」

これらは実務家出身である小具先生ならではの、学生が就職直後からアドバンテージをもてる指導といえます。

3年次のゼミでは、日本経済新聞の記事で取り上げられた企業のSWOT分析(強み=Strength・弱み=Weakness・機会=Opportunity・脅威=Threatの観点から課題の抽出と解決を図る手法)などの実施や様々なテーマでの輪読発表などが行われるのですが、それに対する評価では忌憚のないコメントが飛び交います。ゼミ生のひとりは、「お互いが厳しい意見を言い合うことに初めは慣れなかったけれど、ゼミを通して自分の発言が磨かれ、プレゼンテーションの能力も向上していった」とのこと。

これも小具先生の自由な議論ができる環境づくりのおかげでしょう。「(小具ゼミは)MBA(経営学修士)の授業みたい」という学生の声は、社会に出た時のギャップを小さくするというゼミの狙いにも合致しています。

国際政治経済学部 国際経営学科 小具龍史ゼミ【マーケティング論・イノベーション論】

文学部 国文学科 中谷いずみゼミ【文学・映画・演劇】文学部 国文学科 中谷いずみゼミ【文学・映画・演劇】

空気を読まない議論を通し
自分の考えを更新していく

小説やスクリーン、舞台などで描かれる物語を自分なりの視点から分析する。中谷先生のゼミはそのための準備から始まります。まずは研究のベースとなる基礎的な理論を学ぶ。それから文学、映画、演劇に関する議論を重ね、各々が作品を選び、発表する。そうした過程で大切なのは事前準備を十分に行っておくこと。

「授業がオンラインになってからは、ゼミでの発表者に前々日までにレジュメを提出してもらうようにしました。他の学生はそれを前日までに目を通し、質問をゼミ開始直後にチャットで上げる。すぐに議論に入れるようにするためです」

 中谷先生のこの方針が活発な話し合いを生んでいるようで、ゼミ生からは、 「対面だと言いにくいことでも、チャットを活用すると発言のハードルが下がる」という声も聞かれます。

 中谷先生はオンラインのメリットについて、「空気を読まなくて済むところがいい。周囲の反応を伺うことなく、自分たちの意見を率直に交わすことがお互いの刺激になっているのではないでしょうか」と話します。

 そうした自由な雰囲気のおかげか、学生の研究対象も近代文学、宝塚歌劇団、最近の日本映画まで多岐に渡り、目指す職業分野も広告やキャラクターのデザインから自動車業界まで幅が広いです。

 「(ゼミ生には)議論をすることの大切さを身につけてほしい。自分の意見を伝え、相手の考えを受け止め、解釈し、議論する。そのことによって自分の考えも更新されていく。そうした経験は社会に出た時にきっと役立ちます」

 物語の多様な表現形式の学びを通して、実践的な知を身につける。中谷ゼミの大きな魅力のひとつです。

文学部 国文学科 中谷いずみゼミ【文学・映画・演劇】

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広報誌 『學』アジアと世界の架け橋へ。