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二松学舎教員エッセイ(53)谷島貫太専任講師(都市文化デザイン学科)

二松学舎教員エッセイ(53)谷島貫太専任講師(都市文化デザイン学科)

家事分業ことはじめ

 「ちょっと相談があるんだけど」。そう妻に切り出したのは、育休が明け、妻が仕事に復帰する準備を進めていた4月はじめのこと。この日をきっかけに我が家では、家事を妻と夫とで完全50%分担制とすることになりました。それまでは妻が育休中であり、4歳と1歳の二人の子ども(共に男)の育児があることもあって、家事の分担は大きく妻に偏っていました。育休が明けるタイミングで、ちゃんと50%ずつ分担するようにしよう、というのが僕からの相談というか提案の中身でした。すぐに話は具体的な分担の割り振りに。オンラインでの日用品の購入や家計の管理は妻に任せる分、部屋やキッチン、風呂や台所の掃除、洗濯物の片付け、ゴミ捨てなどは夫が全部やる。朝ごはん、晩ごはんも週のこの日は夫が担当する、などと詳細を決めていきました。

 家事の分担だけではありません。お互いの自由時間もちゃんと平等に作る、ということも提案のなかの重要な要素でした。たとえば妻に関しては、毎週土日のどちらかは夜にプールに泳ぎに行けるようにする(その日は夕食、風呂、寝かしつけは夫が担当)。また毎週平日のうちの一日は、子どもをお風呂に入れた後に自由時間とする。その日には妻は映画のレイトショーを見に行ったり、カフェに本を読みに行ったりして、夫が歯磨きや寝かしつけ等を担当する。もちろん夫も同程度の自由時間を確保。

 昨年二人目の子どもが生まれ、以前にも増して家のなかの余裕がなくなってきていました。でも、やっぱり人間には遊ぶことが大事。子どもは毎日遊んでいるけど、大人だってちゃんと遊ばなくてはいけない。しばらく遊ばないでいると遊び方を忘れてしまう。親が遊び方を忘れてしまうと、子どもにだっていい影響はない。親もしっかり遊んでいる方が、子どもだってのびのび楽しく過ごせるはず。育児で大変な母親たちこそ、遊ぶ時間が必要なのだ。

 そうそう、提案にはもう少しおまけが。家事負担を50%にする代わりに、お小遣いの増額を要望。意表を突かれたのか、するっと通った。そして8月3、4日にはももクロライブに両日参加。これまでは2日公演には一日しか許可がでませんでしたが、これも通った。遊びをせんとや生まれけむ。

二松学舎教員エッセイ(53)谷島貫太専任講師(都市文化デザイン学科)

1980年、石川県金沢市生まれ。専門は技術哲学、メディア論。東京大学総合図書館特任研究員を経て2016年より現職。妻と息子二人の四人家族。趣味は将棋とももクロ。家の中でももクロの曲を流すことは妻に禁じられている。

二松学舎教員エッセイ(53)谷島貫太専任講師(都市文化デザイン学科)

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學vol.53

広報誌 『學』アジアと世界の架け橋へ。