學vol.66

二松学舎のSDGs vol.5 関東大震災から100年「一人ひとりが災害に備える」

二松学舎のSDGs vol.5 関東大震災から100年「一人ひとりが災害に備える」

関東大震災から100年の今年。当時を振り返ることで防災意識を高めようと、国や市区町村などでさまざまな催し物や展示が行われています。「學」でも、この機会に学生や生徒の皆さんに防災の大切さを改めて考えてもらうため、今回はSDGsコーナーで本学における防災対策について取り上げます。

災害はいつ起こるかわからない
平常時から備えを万全に
総務・人事部長 志村 孝

 本学では、総務・人事課が主管となり「防災対策会議」を開き、法人全体の防災計画を定期的に見直しています。会議では、大学及び両附属校における防災避難訓練の実施計画確認、「安否確認サービス」(下図参照)の活用に関する意見交換、災害時の地域とのさまざまな連携、また防災備蓄品の管理状況の報告などを行い、大学・附属高校・附属柏中学・高校で一体となった防災対策及び体制の強化について検討しています。
 東日本大震災の際には、私が勤務している九段キャンパスも大きな揺れに見舞われました。揺れが起こった当初は、学生の皆さんも多少のパニック状態にあったかもしれませんが、揺れが小さくなってからは比較的落ち着いて行動していたことを覚えています。春休み中の特別講義を担当していた先生方がしっかり対応してくださったこともありますが、年に1回行っている避難訓練が役立ったのではないかと思います。実際に災害が起こった時、避難訓練のようにはいかないと考える方もいるかもしれませんが、いざという時、どこにどのような役割が必要になるのかを訓練で体験することはとても大切なことです。その時のために、訓練には積極的な気持ちで参加してほしいですね。そして、「平常時に備える」ことも常に心掛けていただきたいと思います。
 また、本学では「安否確認サービス」の導入を進めています。このサービスは、登録している関係者の被災状況を管理者の元に集約させ、何かあった時に的確な援助ができるようにするもので、大規模災害時の連絡手段としても有効です。特に一人暮らしの学生さんの場合は、こういったサービスを身近なものにしておくことで生活への安心感にもつながるでしょう。大学の学部生・院生及び教職員の皆さんには、このサービスへの登録を必ずお願いしたいと思います。

※両附属校には独自の連絡網があります

地域の活動に参加
もしもの時の即戦力を身につける

 二松学舎大学では、地域で行う合同の防災訓練などに学生が参加しています。今年は「麹町災害対策総合訓練」と「千代田区消防団合同点検」に参加しました。
 10月18日に行われた「麹町災害対策総合訓練」には、千代田区や麹町警察署、麹町消防署、皇宮警察、日本武道館のほかハウス食品やトヨタモビリティ麹町店などの民間企業、保育園や近隣の大学などあわせて11団体およそ100名が集まりました。本学からは7名の学生が参加。麹町警察署員の引率による避難訓練に始まり、救出・救助訓練や救急法講座、ハウス食品の非常食を利用した炊き出しなどさまざまなケースを想定した訓練が行われました。同月28日の「千代田区消防団合同点検」には、7名の学生が参加し、丸の内消防団、麹町消防団、神田消防団及び災害時支援ボランティアの方とともに模擬消火器を使った消火訓練やバケツリレー、負傷者介添え訓練などを行いました。

車両排除訓練(麹町災害対策総合訓練)

写真左:初期消火訓練(千代田区消防団合同点検)/写真右:鈴木ヒナノさん(文学部3年次生)

 「千代田区消防団合同点検」に参加した国際ボランティアサークル「BlueBird」部長の鈴木ヒナノさんは「訓練を体験し、実際に災害が起きた時もその場にいる人達が助け合わないと立ち向かえないということがわかりました」と語るなど助け合いの大切さを再認識。参加した学生たちにとっては、防災に対する知識の養成はもちろんのこと、もしもの時に役立つ技術や心構えを学ぶ良い機会となりました。

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広報誌 『學』アジアと世界の架け橋へ。