【日本漢学】立教大学との共同研究会「フランス共和主義と明治漢学の邂逅」が開催されました
2025年12月6日(土)、立教大学と二松学舎大学日本漢学研究センターとの共同研究会「フランス共和主義と明治漢学の邂逅」が立教大学池袋キャンパスで開催され、約20名の研究者等が集いました。当日は、中江兆民やその周辺の明治期学者たちによるフランス語文献の翻訳をめぐる研究成果について、報告が行われました。
最初に、本研究会を主催した立教大学法学部の松田宏一郎教授からの挨拶後、同大学院法学研究科博士課程後期課程の大塚淳氏により、中江兆民の論理思考の背景にある漢学的素養について究明する報告がなされました。続いて、本学から参加した武田祐樹日本漢学研究センター研究協力員(本学文学部講師)は、山田方谷の門人で従来漢学者として知られてきた川田甕江の欧米への関心や理解に着目した報告を行いました。また、本学東アジア学術総合研究所元客員研究員のエディ・デュフルモン氏(ボルドー・モンテーニュ大学准教授、立教大学招聘研究員)は、明治前期の官僚で東京法学校の校長であった河津祐之を取り上げ、事績的紹介及び近代日本とフランス共和主義との接点を考察する上で、彼がフランス共和主義との関わりにおいて果たした役割について論証しました。
研究成果報告後の質疑応答では、活発な討論が交わされ、本研究会の共同主催者である本学の町泉寿郎東アジア学術総合研究所長(本学文学部教授)も議論に参加し、大森幹太同助手からも質問がなされるなど、盛況のうちに閉会しました。
今回の立教大学との共同研究会テーマは、フランス民法を学んだ三島中洲の思想を考える上でも欠くことができない課題であり、漢学の素養を持った明治期の啓蒙思想家たちが当時のフランス進捗思想を如何に受容したかを考察する上で、非常に意義深い内容となりました。

立教大学法学部 松田 宏一郎 教授

エディ・デュフルモン ボルドー・モンテーニュ大学准教授

町 泉寿郎 東アジア学術総合研究所長(本学文学部教授)

武田 祐樹 日本漢学研究センター研究協力員(本学文学部講師)

