最新情報

株式会社クロス・マーケティンググループと二松学舎大学 「大学生による大学生の新型コロナウイルス生活影響度」調査を実施

~小久保研究室との協働による機械学習をもちいた探索的なデータ解析の試行~


2020年6月11日
二松学舎大学



二松学舎大学は、産学連携先である株式会社クロス・マーケティンググループ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長兼CEO:五十嵐 幹、東証一部3675)と、連携協定の一環として、4月28日~30日に、全国47都道府県に在住する4年制大学所属の大学生男女500人を対象に新型コロナウイルス下での大学生の感染対策への意識に与える影響を把握することを目的として「大学生による大学生の新型コロナウイルス生活影響度調査」を実施しました。また、調査項目の策定および分析に際しては本学の小久保欣哉准教授の研究室との協働で機械学習(階層型ニューラルネットワーク)により大学生の意識・行動について探索的な解析を試行しました。

調査・解析結果 (一部抜粋)

・大学生が、「直近1週間で新型コロナウィルスの対策として実行したこと」の割合は、「マスク着用、手洗いなど」が全体の8割以上みられた。また、「不要不急の外出を控える」「人と会うことを控える」「イベント、飲食店など人が集まる場所に行くことを控える」も全体の7割以上みられた。また、大学生活としては、「オンライン授業、自宅学習」も7割以上みられる。<図1>

・また、大学生が、「直近1週間で実行したこと」に影響する要因を機械学習モデルにより探索的な抽出を行った。<図2>その結果「直近1週間で多くの対策を実行した」大学生の特徴として、新型コロナウイルスへの「関心度」や「理解度」が高く、流行前からの生活習慣の変化として「運動時間が増えた」や「睡眠時間が増えた」などが上位に挙がる。また、情報入手源は「TVのニュース」が高くみられた。<図3>新型コロナウイルスへの情報収集を通じて理解を高め、外出自粛下で出来ること(免疫力低下の防止)に充てていることが示唆された。

・探索的な解析は、投入データを「学習」に全体の70%のサンプル、「検証」に全体の30%のサンプルにわけて行った。結果、解析精度の指標であるAUC(Area Under the Curve)をみると、大学生が「直近1週間に実行したこと」の特徴量を推定するモデルとして「0.839」と良好な値を示した。<図4>

主な調査項目

□属性設問 (性別・年齢・居住地・同居家族・大学年次)
□所属学部
□大学に通う目的
□昨年1年間で平均の大学の授業の参加状況
□新型コロナウイルス影響下におけるアルバイトのシフト状況
□新型コロナウイルス影響下における生活状況(学習時間・運動・食事量・睡眠時間・余暇時間)
□新型コロナウイルス終息後に行ってみたいこと
□新型コロナウイルスに関する『関心度』『理解度』
□直近1週間において、新型コロナウイルスの影響で実行したこと
□直近1週間の新型コロナウイルス関連の情報源

調査概要

調査手法 : インターネットリサーチ
調査地域 : 全国47都道府県
調査対象 : 19~30歳の4年制大学所属の大学生男女
調査期間 : 2020年4月28日(火)~4月30日(木)
有効回答数 : 本調査500サンプル

小久保欣哉准教授研究室 参加学生コメント

◎リサーチ企業の方との会議や、調査結果の分析など貴重な経験ができました。特にアンケート結果から何を焦点に当てるか、何を分析するかというアイデアを会議で出し合った事が、面白いと感じ印象に残っています。分析の結果をまとめる際にメンバーごとに資料の作り方にばらつきが出てしまい思うように進まない事もありました。今回の調査を通して、幾つもの反省点や改善点が発見できたので今後に繋げたいと思います。
高崎 虹汰 国際政治経済学部国際経営学科2年

◎今回のプロジェクト内では 、「大学生の新型コロナウイルス生活影響度」をテーマにアンケート項目を考え、その結果を解析し、pptファイルにまとめるなど様々なことをやりました。正直やる事が沢山あり、一つ一つの作業も時間がかかるものでかなり大変でした。しかし、プレリリースした際には、その大変さを忘れるくらいの達成感でいっぱいでした。これからも大学生活の中で色々な事に挑戦し、今以上に視野を広げていきたいです。最後に今回のプロジェクトに関わってくださった方々には本当に感謝しております。ありがとうございました。
岸 将名 国際政治経済学部国際経営学科2年

◎このプロジェクトでは普段大学の授業ではできない企業の方とのWeb会議ツールを使ってのオンラインミィーティングや、メンバーとアンケートの分析結果をレジュメにするといった今後プレゼンテーション作成の時に必要なことを経験し、学ぶことができました。特に、レジュメの作成では、もっと工夫すれば効率的にでき、レジュメをまとめる時にまとめやすくなったと思います。ここでの反省点は今後、授業のグループでプレゼンテーションを発表する時に作るレジュメなどに活かしていきたいです。また、今回プロジェクトを企画、立案していただいた小久保先生、稲山君にはとても感謝しています。
木原 啓太 国際政治経済学部国際経営学科2年

(参考)連携協定概要

(1)データサイエンス、アナリティクスコンサルティング分野の人材育成、教育開発

・患者パネルデータ(MPP)及び分析ツール「Cross Finder2」の提供
・学生にむけた、マーケティングリサーチ講座開催、実課題に対してデータ分析を行う機会の提供

(2)マーケティング実務および経営の意思決定に活かすデータサイエンスの研究開発

・アカデミアによるマーケティングデータを活用した新しい分析手法の共同研究・開発

(3)相互の講師派遣、人材交流等

・二松学舎大学からクロス・マーケティンググループへの講師派遣、二松学舎大学講師によるデータサイエンス講座の実施
・クロス・マーケティンググループから社員を大学院国際政治経済学研究科へ派遣、二松学舎大学からインターンシップ受入れ

(4)クロス・マーケティンググループのグループ会社である株式会社メディリードにおける新規事業

・ソリューション開発の検討、オープンイノベーションの試行
・クロス・マーケティンググループホームページにおいて実施予定の「公募型オープンイノベーションプロジェクト」への応募、参画

クロス・マーケティンググループの提供する主なソリューション

【リサーチ×データセット】

・患者パネルデータ(MPP):30万人以上の疾患保有の患者パネルへのアンケート結果のデータセット

【リサーチ×解析ツール】

・Cross Finder2(クロス・ファインダー2):簡易に「質問加工」「クロス集計」「グラフ作成」「レポート出力」などを行うことができる無料の簡易集計ソフト

(参考)本件に関するクロス・マーケティンググループ ニュースリリース



今後も両者は、互いの知見を共有し、「教育・先端研究・ソリューション開発・幅広い人材交流」などを通じ、産学連携による様々な取組みを推進してまいります。

<本件の解析に関するお問い合わせ先>

  • 二松学舎大学:小久保研究室(小久保・稲山・岸・木原・高崎)
    TEL:03-3261-1382(内線:708)
  • E-mail:k-kokubo@nishogakusha-u.ac.jp