印象に残っているのは、ワインに焦点を当てて歴史を紐解く、野村 啓介先生の「欧米文化史」です。例えば、中世ヨーロッパでワインは貴族や聖職者のみが楽しめる高級な飲み物でした。それが庶民に普及したのは、貴族の地位の低下により、彼らが所有していたワイン生産のための土地を庶民に売却せざるを得なかったことが背景にあります。「ワイン=お酒」という認識しかありませんでしたが、実は歴史の重要なキーポイントだったのです。教科書にはない視点から歴史を学ぶことができ、学びを通してものの見方が変わった貴重な体験でした。

大きな視座からこれまでの世界の動きを学ぶ。
歴史・文化・交流の領域から、東洋・西洋に関する基本的な知識を身に付けます。
世界のさまざまな事象について、多角的な思考力を持つことで、より幅広く考えます。
分析力・論理力・説得力を涵養することで、国際化する社会で主体的に活躍します。
2年次生(取材時)
宇田 彩華 さん (拓殖大学紅陵高等学校 出身)
(拓殖大学紅陵高等学校 出身)
印象に残っているのは、ワインに焦点を当てて歴史を紐解く、野村 啓介先生の「欧米文化史」です。例えば、中世ヨーロッパでワインは貴族や聖職者のみが楽しめる高級な飲み物でした。それが庶民に普及したのは、貴族の地位の低下により、彼らが所有していたワイン生産のための土地を庶民に売却せざるを得なかったことが背景にあります。「ワイン=お酒」という認識しかありませんでしたが、実は歴史の重要なキーポイントだったのです。教科書にはない視点から歴史を学ぶことができ、学びを通してものの見方が変わった貴重な体験でした。
中学生の頃、映画『インディ・ジョーンズ』をきっかけに歴史に興味を持ちました。考古学者が冒険をしながら遺跡を発見する姿を見て、私自身も考古学分野で新発見がしたいと思うように。その後、興味が広がり、歴史を幅広く学べる二松学舎大学に入学しました。思い出深いのは、1年次にフィールドワークで「幻のプリンス」徳川昭武について調査したときのこと。一般的に知られていなくても大きな役割を果たした人物がいると知り、このような歴史を伝えていくこともまた、歴史を学ぶ者の重要な役割だと考えるようになりました。
人の役に立てる仕事、人に何かを教える仕事に就きたく、選択肢のひとつとして学芸員資格の取得を目指しています。博物館が好きだったことと、より多くの人に歴史の面白さを伝えていきたいと思ったのがきっかけです。学芸員課程の授業では、少しでも気になったことは自分自身で調べてみるなど、主体的に参加することを心がけています。歴史を学ぶ中で得た、今の社会を理解するための新たな視点や、グループワークの授業で磨いた発信力などを将来に活かしたいです。
Carpe diem(その日その時を大切に)
異文化(他者)に開かれた窓を増やしてください。
西洋史について研究
野村 啓介 教授
フランス第二帝政の政治史研究を皮切りに、同時代のフランス地域史、ワイン文化史、日仏外交史などの研究に取り組んできました。研究経験を欧米・アジア史専攻での教育実践に活かすのはもちろんですが、西洋史という角度から異文化理解を深めてもらうことに留意しています。日本語への翻訳・通訳など言語の解釈問題も重視していますので、ぜひとも外国語学修にも力を入れていただきたいです。われわれにとって欧米やアジアが「異文化」という他者であることはいうまでもありませんが、過去という歴史世界もまた、現代人にとっては異文化(他者)です。グローバル化時代には、こうした異文化(他者)の理解が不可欠です。欧米・アジア史専攻では、欧米とアジアの歴史学修を通じて歴史的考察力を養い、そうした理解力を身に付けてほしいと思います。