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2019年度 二松学舎大学卒業生・大学院修了生への告辞

― 3月16日 ―

学部卒業生、そして大学院修了生の皆さん、二松学舎大学教職員を代表しまして、ここにお祝い申し上げます。本日は、誠におめでとうございます。また、本日まで立派にご子息ご息女を育ててこられたご家族の皆様にも、心からお祝い申し上げます。

コロナウィルスの流行による社会的な危機を乗り越えるために、さまざまな対策が国内外での協力の下で実施されており、本学もまた残念ですが今年度の式典は中止することとなりました。こうした状況に向き合うと、もはや全世界は相互に結びついており、国境という概念は単なる制度上のものでしかない、まさにボーダレスの時代を生きているのだということを、私たちは強く実感させられてしまいます。

さて、東京都心のこの緑も揺らぐ九段の地での、皆さんが過ごされた二松学舎大学の4年間は、果たしてどのような意味を持つものなのでしょうか。世間の喧騒から離れた静かな学びの季節として、また青年の騒がしい祭りの季節として、あるいは暗く続く迷路の季節として、振り返るとさまざまな記憶が皆さんそれぞれに浮かぶことでしょう。しかし、大切なのは、この二松学舎大学で学び手に入れた知見を基に、さらにここから大きく飛躍されることだと思います。

このまさにボーダレスの時代、これから迎える皆さんの人生は、誰からも庇護されない自分の道を歩かなければならないでしょう。また、きっと多くのことに自ら挑戦しなければならないと思います。前例など何の役にも立ちません。新しい挑戦のみが、新しい自分へと己を変えていき、さらにそこに新しい社会が切り開かれていくことでしょう。生きるということはそういうことだと私は思います。

すでにご存じの通り、二松学舎大学は明治10(1877)年に漢学塾として出発しました。2000年を超える東アジア漢字文化圏の叡智を背景とした大学です。ぜひこれからも、本学の拠って立つさまざまな東洋の哲人たちからの学びを手にしながら、現代社会の複雑なネットワークのなかで、求められるご自身の役割を十分に果たされることを、また豊かな社会の建設にその力を傾けられることを期待します。皆さんがより良き自分に変わること、それがより良き社会をつくることではないでしょうか。

 最後に二松学舎大学で学んだひとりであることを誇りに、皆さんが大きく活躍されることを心より願い、学長の告辞とさせていただきます。

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