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平成27年度 二松學舍大学卒業式 告辞

 卒業生の皆さん、本日はご卒業おめでとうございます。また、大学院で修士の学位を取得された皆さん、誠におめでとうございます。そして今日の晴れの日を迎えられた保護者の皆さまには、心よりお慶び申し上げます。

 皆さんの前には、さまざまな可能性を持った道があります。自ら新しい道を拓くこともできます。どうぞ勇気と自信を持って、新たな一歩を踏み出していただきたいと思います。在学中、皆さんは学業だけではなく、サークルやアルバイト、ボランティアなどのさまざまな活動を通して、視野や人間関係を広げ、たくさんの経験を積まれました。そうした経験の一つ一つがこれからの皆さんの人生の中で、貴重な意味を持ってくると確信しています。

 卒業生の皆さんが入学されたのは、2012年4月、東日本大震災の翌年でした。皆さんは、皆さん自身の心身の健康やご家族の理解と支援など、大学で学べたということが、多くの幸運に支えられていたことに改めて気付くのではないでしょうか。ぜひ感謝の気持ちを忘れないでください。

 さて、本学の学祖である三島中洲先生は、本学の前身である漢学塾二松学舎を開いた時に、「己ヲ修メ人ヲ治メ一世ニ有用ナル人物ヲ養成スル」という理念を掲げられました。今の言葉に直すと、「自ら考え行動できる能力を鍛え、社会のために貢献できる人物を養成する」となります。皆さん、大学で教育を受けた者の責任として、学んだことをどのように社会に還元していくのかということを、是非考えていただきたいと思います。

 ここで私は、この建学の理念にもつながってくる二つの「じりつ」という言葉を皆さんに贈りたいと思います。一つは自ら立つ、という自立です。他人に頼ることなく、自分の力で物事を行っていくということです。今一つは、自らを律する、という自律です。皆さんには倫理観をしっかり持って、人生を歩んでいただきたいと思います。

 卒業は、大学での学業の終了を意味します。しかし、決して学びの終了ではありません。むしろこれからが始まりです。これまで学んだことを基礎に、これからの自分の人生をスタートさせることであり、学びも続いていきます。就職して仕事に就けば、そこで新たに学ばなくてはならないことがたくさんあります。将来、大学で学んだこととは異なる分野での学びに興味を覚えるかもしれません。皆さんには是非、常に知的好奇心を持って生涯を通じて学んでいただきたいと思います。

 皆さんは社会人となり、自らの人生を自身の力で切り拓いていくことになります。人生の中でさまざまな問題に直面した時に、自らの力で解決方法を見出すことが求められることでしょう。そこで問われてくるのは、主体的に取り組む力、自ら考える力です。皆さんがこうした力を、この大学での4年間に身につけてくださったと確信しています。

 情報が溢れ、社会が急速に変化している時代の中で、皆さんが社会人としての自覚と責任を持って、社会に貢献していかれることを期待いたします。そうした皆さんを大学としても応援したいと思います。この2月に、新たに卒業生による異業種交流会を開始し、多くの卒業生にお集まりいただきました。ホームカミングデーと併せて、皆さんにも是非ご参加いただき、母校とのつながりを生かしていただきたいと思います。

 様々な可能性を持っておられる皆さんの前途が、希望に満ちたものになることを祈念して私の告辞といたします。本日は本当におめでとうございます。

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