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理事長トピックス

水戸英則理事長の平成30年度入学式 祝辞

二松學舍大学 入学式祝辞

平成30年4月2日

 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。皆さんの門出を心からお祝いいたします。二松學舍は、昨年創立140年目を迎えました。「国漢の二松學舍」、「国語力の二松學舍」として、わが国では有数の古い歴史と伝統を誇る学舎であります。皆さんはその大学で、これから勉学に努め、先生方の薫陶を受け、新しい友人をつくり、さまざまな活動に励む日々を送ることになります。失敗や進路で悩むこともあるかもしれません。しかし、皆さんがこの大学で自分のやりたい分野を見つける、皆さん自身の人生の基盤を固めていくという目標をもって勉学を続ける限り、二松學舍大学は、皆さんをさまざまなかたちで指導し、支援していく用意があります。
 入学生のご家族並びに関係者の皆様にも、本日の入学式に御列席賜り誠にありがとうございます。ご入学心よりお祝い申し上げます。皆様もまた、本日から二松學舍とともにあります。壇上の多数の御来賓、学校法人二松學舍顧問、役員、名誉教授、松苓会会長、大学父母会会長、同役員、そしてすべての本学関係者とともに、新入生の皆さんをこのキャンパスにお迎えできたことを心からお慶びいたします。

さて、入学生の皆さん、皆さんがこの大学で学ぶ目的とこれからの社会を展望して、どういう人になって欲しいか、つまり人材育成方針についてお話ししておきます。
 先ず、現在の世の中はどうなっているのか。それはいわゆるグローバリゼーションとデジタリゼーションが進展、変化の激しい、かつ競争の激しい社会です。グローバリゼーションとは、国家や地域などの境界を越えて、ワールドワイドに「ヒト、モノ、カネ」が移動することです。その結果、資本の集積が行われ、一握りの富裕層に富みが集まり、各国において所得や働き方、教育・医療各面において格差が拡大、我が国や米国、欧州諸国においては、現在その格差是正の政策が展開されており、この流れは、続くものとみられます。一方デジタリゼーションについては、いわゆるAI、IoT等共通基盤技術が、各分野の技術と結合し、自動運転や創薬等イノベーションが各分野で起こり、その流れが経済・社会構造の中に浸透してきております。この中で、整理・分析・定型業務等ルーティンワークは、AI化、デジタルレーバーに代替されていくため、今後10年後には、現在の仕事の4~5割は人間がする仕事ではなくなるといわれています。このように社会や経済構造が大きく変化していく中では、人間にとっては、創造的知性と社会的知性の涵養が新たな義務になったといっても過言ではない時代が、来つつあるということが云えます。
 皆さんは4年後、この大学を卒業して、社会に出ていく訳です。従って在学中、主体的な学修を通じて、様々な知性を身に付けていく必要があり、中でも創造的知性や社会的知性の涵養は重要だと思います。先ず創造性とは、蓄積してきた知識と知識を組み合わせることで新しい価値を生みだす能力といえます。例えば作家や芸術家や科学者やその他クリエーターはアイデアを収集・蓄積し、これらを結びつけることで新しいアイデアを生み出し、創造性を発揮している訳です。創造力の事例でよく引き合いに出される、スティーブ・ジョブズの発明したiPodは、それ自体は既存の技術と技術を組み合わせただけの製品ですが、この組み合わせにより「ほとんどの音楽資産を携帯できる」という新しい価値を創造したところが味噌なわけです。従って創造的な知性を身に付けるためには、その基礎となる幅広い教養知識と専門分野の知識、これら知識を使いこなす技能である表現力、コミュニケーション力、論理的な思考力、判断力、情報を収集し管理する力、などを修得し、物事への観察力、質問力、実験力、相談力、関連する事柄を結び付ける力などを培いながら創造的知性を身に付けていく必要があります。また社会的知性とは、他者との協調や理解を通じて説得、交渉ができる知性を指します。社会的知性には、その人の人間性が大きく左右します。在学中は日頃から先生や新しい友人と様々な分野でコミュニケーションを交わし、サークル活動やボランティア、インターンシップなどの諸体験をとおして、人間関係をスムースに運んでいく対人基礎力を磨いていく必要があります。その結果、他者への配慮、相手の立場を尊重しつつ説得・交渉を行い、相手の信頼を得られるような社会的知性を身に就けることができてくる訳です。こうした創造的知性や社会的知性はAIで代替されないといわれており、こうした知性を涵養しておくことは、皆さんが、将来、皆さんのやりたい分野でより有利に仕事を見つけやすくなるということにも、繋がることになります。
 以上、皆さんはこれらの知識と技能を兼ね備え、皆さん各々が主体性を確立して、様々な変化や多様な価値観受け入れ、公正な判断を行い、自ら行く道を造りだしていける人材、この厳しい未来社会を生き抜いて行ける人材として育ってほしいと考えております。このことを念頭において、これからの貴重な4年間、充実した学生生活を過ごして頂きたい。その年月は必ずや皆さんの未来の、しっかりした基盤に繋がると考えております。皆さんは日本の未来を担う財産であることは間違いない事実です。
 これをもって私の入学式の祝辞と致します。