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水戸英則理事長 2024年度両附属高校・中学校初任者研修会開講式挨拶

2024年4月1日

2024年度 両附属高校・中学校初任者研修会開講式挨拶

はじめに

 教員という責任ある役割を担う皆さんへ。これから始まる教員生活は、生徒たちの成長を支え、未来を創造していくという、やりがいと責任感に満ちた日々となります。

変化の激しい時代における多様性の重要性

 現代社会は、AIやロボットなどの技術革新が進む一方、格差問題や地球温暖化等の環境問題、SDGsなど、解決すべき人類共通の課題が山積しています。このような大変革の時代を生き抜くためには、先生方はもちろん、生徒の皆さんも固定観念にとらわれず、多様な価値観を受け入れる柔軟性と変化に適応し続ける力が求められます。

皆さんにお伝えしたいこと

①多様性を理解し、生徒一人ひとりの可能性を引き出す
 多様性とは、性別・年齢・国籍・民族・宗教・価値観等、あらゆる違いを包含することです。現代社会はかつてないほど多様性に満ち溢れ、固定観念や偏見は通用しません。
 生徒たちは、それぞれ異なる個性や価値観を持ち、違った経験をしてきています。教員である皆さんは、そうした多様性を理解し、生徒一人ひとりの個性を尊重することで、潜在能力を引き出し、可能性を広げるための手助けをすることができます。まずは価値観の違いを相互に理解することが多様性を受け入れることにつながります。文系の学問の特徴は多様性を理解することから始まり、理系の学問の倫理的かつ理論的なインフラを提供する重要な使命があります。変革の時代を生きていくためにはまさに多様性のあり方が重要な鍵となります。SDGsの達成も同様に多様性が必要です。

②教員自身が常に学び、常にアップデートする姿勢が大切 生徒にも主体的に学ぶ習慣づけを
 変化の激しい時代において、教員自身も常に学び続け、新しい知識やスキルを身につけることも重要です。常にアップデートするという姿勢を持ち、積極的に研修に参加したり、最新の教育方法を取り入れたりすることで、生徒に質の高い教育を提供することができます。書籍や論文を読む、同僚や先輩社員と意見交換をする、日々の授業を振り返り、改善点を見つける等の活動も有用です。
 生徒たちは、AI時代の真っただ中を生きていくことになります。単純作業や記憶に基づく作業の多くは、AIで代替されることでしょう。AI時代に必要な人間の知性は「創造的知性」と「社会的な知性」といわれており、先生方にはこうした知性を育むような教育をお願いできればと思います。また、社会的な知性を育むためにはグループによる議論や何かをまとめて解決していく機会を、生徒に多く持ってもらうことが大切です。
 そして、生徒たちが自ら学び、成長できる環境を整えることも必要になります。生徒たちに主体的に学ぶ姿勢を習慣づけてもらうためには「生徒の興味関心を引き出す授業を行う」「主体的な学習活動を促す」「学びの楽しさを伝える」等の工夫もしなくてはなりません。

③社会とのつながりを意識した授業
 社会とのつながりを意識した授業は、生徒たちの視野を広げ、社会貢献意識を高める効果があります。柏地区等、地域社会との交流やボランティア活動、短期語学研修等さまざまな活動を通じて、生徒たちが社会の一員としての責任感や自覚を育むことができるような授業を展開していただけると幸いです。

最後に

 多様性を理解し、常に学び続ける姿勢を持ち、社会とのつながりを意識した授業を行うことで、生徒たちの未来を大きく広げることができます。生徒一人ひとりが、変化の激しいこの時代を生き抜く力を身につけるために、教員の皆さん一人ひとりがまずは多様性を理解し、積極的に学び、実践していくことが重要です。
 これからの皆さんのご活躍を期待しています。

以上

水戸英則理事長
鵜飼敦之校長
(附属高校)
七五三和男校長
(附属柏中学・高校)