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理事長トピックス

平成27年度 卒業式祝辞

平成27年度 二松學舍大学学位記授与式 祝辞

平成28年3月16日
 皆さん、ご卒業おめでとうございます。ただ今皆さんが手にされた学位記は、学士課程、修士課程、博士前期・後期各課程の学業を終えられた証であります。これまでの皆さんの努力を称え、敬意を表します。また卒業生のご家族や関係者の皆様にも、卒業式へのご列席を感謝いたしますとともに、ご卒業心からお喜び申し上げます。さらに卒業生たちをこれまで熱心に指導してこられた先生方、勉学や就職、生活を支援されてきた職員の方々にも、この機会を借りまして改めて御礼申し上げます。多くのご来賓の方々、明秀学園日立高等学校校長、学校法人二松學舍顧問、役員、名誉教授の方々、松苓会会長、父母会会長、同役員の方々をはじめ、二松學舍関係者全員が、本日の卒業式をお祝いするため集まっております。

 さて、卒業生の皆さん。皆さんは、これまで大学という決められた枠組みの中で生活してきましたが、これからは、この枠組みがなくなり、大人としての自立した生活、自己責任の下での生活が始まります。

 これから皆さんが出ていく社会は厳しい実社会です。その社会はグローバル化や知識基盤社会、クラウド・ビックデータ・IOT・AIなど情報化社会が進展、変化のスピードが非常に速い時代、考え方や価値観が絶えず変わる、未来がなかなか予測できない世の中です。皆さんはこの二松學舍大学で基礎知識に加え、いろいろな分野の専門知識を身に着け、コミュニケーション能力や語学力を習得し、また分析する力、課題を解決する力、二松精神である社会的責任能力などを身に着けました。これから実社会に出るにあたっては、これらに加え、これからお話する三つの力、すなわち、「復元力、柔軟性、創造力」を身に着けつつ生活していってほしいと思います。

 まず復元力とは、船が傾いた時に、水平に戻る力を言います。英語ではresilienceであり、不意に訪れる逆境に対して、これを乗り越える心、折れない心、強靭な心を持つという意味です。2011年の東日本大震災後、国は震災からの早期復興、強靭な国土を作ることなどを目的とした「国土強靱化(ナショナル・レジリエンス)計画」を推進しました。また、「世界最強の投資銀行」と呼ばれる米ゴールドマン・サックスは、2008年のリーマンショック後、社員に対するレジリエンス研修を始めました。これから皆さんが進む人生も、いつも順風満帆ではなく、予期せぬ逆境をどう乗り越えるかが、大切です。是非、精神をポジティブに持つ訓練を日頃からして、復元力を身に着けて頂きたいと思います。

 次に柔軟性、Flexibilityを身に着けることです。柔軟性とは、その場に応じた適切な判断ができること、さまざまな状況に対応できることをいいます。柔軟性は、社会で生活するうえではとても重要な能力です。これから皆さんは、職場の同僚や取引先企業の担当者と一緒に仕事を進めなければなりません。その場合大切なのは、「お互いの意見や立場の違いを理解する」という点です。自分と異なる考え方や価値観に出会った場合は、そういうこともあると理解しなければなりません、ただ注意すべきは、柔軟性とは人のいいなりになることでは、ありません。自分なりの考えを持って、主張すべきは主張することも大切です。

 最後は創造力、Creativityです。新しいものをつくりだす能力、答えを考え出す能力を言います。創造力は、ゼロから何かを作り出すことと捉えられがちですが、本当は既存のものを組み合わせ、変更・修正して新たなものを創り出す力のことを指しています。既存のものを「転用」「応用」「変更」「拡大」「縮小」「代用」「置換」「逆転」「結合」し、新たなものを造りだすことです。創造力を付けるには、仕事を通じ、早くその道の専門家になることは勿論、それだけではなく、仕事以外の分野に興味を持ち視野を広げるなど、常に自分を深め、人間の幅を拡げる努力をすることも大切です。

 皆さんは、これらを念頭に置いて、自身で考え、仕事をし、研究を行い、人に頼らず、自らの能力を活かして収入を得て、自立した家計を営み、その上で、そうした仕事やあるいは社会的な活動の中で、その影響を周りにも及ぼしていき、牽いては、日本や世界の社会を、よりよい社会にしていく人材として貢献していくことを、強く念願して、私の卒業式での祝辞、送る言葉とします。皆さん、頑張って実社会へチャレンジしていってください。

平成27年度 卒業式 祝辞 附属高等学校 ― 3月1日 ― 附属柏高等学校 ― 3月3日 ―

 皆さん、ご卒業おめでとうございます。本日皆さんが手にされた卒業証書は、所定の学業を終えられた証であります。これまでの皆さんの努力を称え、敬意を表します。また卒業される皆さんを支えてこられたご家族や関係者の皆様にも、卒業式へのご列席を感謝いたしますとともに、心からお喜び申し上げます。さらに卒業生たちをこれまで熱心に指導してこられた先生方、その勉学や生活を支援されてきた職員の方々に対しましても、この場を借りて御礼申し上げます。本日ご列席のご来賓の皆様方と二松學舍関係者全員が、本日の卒業式をお祝いするために、集まってきておられます。

 さて、卒業生の皆さん、皆さんは、これからは、大人として自覚と責任をもって行動することが求められます。また、今年から18歳以上の国民に選挙権を与えられました。皆さんは、初めての年代層になります。これから、大学や専門学校、会社などで、勉学に励み、様々な背景を持った人々、新しい先生や友人などと出会い、交流し、その経験・交流を通じて皆さんの人生の基盤づくり、すなわち、良好な人間関係を築く力を養いつつ、皆さんが将来やりたいこと、やりたい分野を固めていく歩みが始まるわけです。

 こうした大切な時期を送っていく上で、皆さんの念頭に置き、日々の生活の中に取り入れ、実行して頂きたいこと、それは、先ず「世の中を幅広く見つめていく心、Heart of broaden the knowledge、思いやりの心、Heart of humanity、正義の心、 Heart of Justice 、弘毅の心、Heart of Broad minded、の4つの心」を持って行動してほしいと思います。

 先ず「幅広く世の中を見ていく心、Heart of broaden the knowledge」は、自分の身の回り、学校の中、日本や世界で、政治・経済・環境問題等何が起こっているか、興味を持ち、新聞やテレビ等で、知識を蓄積していくことが大切です。次に、「思いやりの心、Heart of humanity」とは、相手の立場に立てる心の余裕を持つということです。新しい友人や先生などに接する場合、相手がどういう立場にあるかを思いながら接する、思いやりの心を持って行動することが大切です。三番目は「正義の心、Heart of Justice 」です。これは正しいことを貫く、道徳心、正義感をもって行動することです。またいろいろな組織、大学、専門学校、会社や家庭などで決められたルールを守って行動することであり、これを行うことにより、みなさんは周りの人から尊敬されるようなります。最後に「弘毅の心、Heart of Broad minded」とは、心の広い、精神的にゆとりの有る様を指し、辛抱する、逆境を撥ね退ける強靭な心(resilience)を持つということを意味します。皆さんは、与えられたことを辛抱強くこつこつと努力して下さい。また人生は常に順風満帆ではありません。時には壁にぶち当たり、スランプになったとしても、それを撥ね退け、克服していく強靭な心を持つことが大切です。

 以上、いずれもが、皆さんが将来自立していくための必要な心構えです。これらの4つの心を頭に入れて、行動していくことは、皆さん各々が、これから出会う人々から、信頼され、尊敬され、よりよい人間関係を築いていく力を醸成する、また、皆さんの将来やりたい分野を掴んで行く過程で、大切な事柄です。

 どうか皆さん、これらを踏まえて、皆さん各人が大きく飛躍し、皆さん自身の夢が叶う将来となるように期待して、卒業式のお祝いの言葉とさせて頂きます。

平成27年度 二松學舍大学附属柏中学校 卒業式 祝辞

平成28年3月23日


 卒業生の皆さん、本日は誠におめでとうございます。

 保護者の皆様、ご家族の皆様、ご子息・ご息女のご卒業、心からお喜び申し上げます。また、卒業生を支えて頂いた関係者の皆様、校長先生をはじめとした教職員の皆様に対し、この場をお借りしまして感謝申し上げます。

 さて、卒業生の皆さんは、139年の歴史と伝統ある二松學舍の附属柏中学校第3期生として立派に成長されました。

 大きな希望と期待を胸に、中学校の門をくぐってから3年、皆さんは、校訓である「仁愛・正義・誠実」の教えのもと、人に対する思いやりの心を持ち、道徳心やルールを守って行動し、誠実な態度で生活をし、日々勉強に、部活動に、或いは生徒会活動に励み、しっかりと結果を残してきました。また、アクティブラーニングの一環としてモーニングレッスンや365ノートの提出、沼の教室、都市の教室、雪の教室、古都の教室などを通じ、多くの体験学習を重ね、ひと回りも、ふた回りも大きく成長した姿を見ることができ、大変誇らしく嬉しく思っています。

 4月から、殆どの皆さんは、二松學舍大学附属柏高等学校の1年生として、他の中学校から入学する生徒たちとともに、新しい道への第1歩を歩みだします。同じ高校1年生ですが、二松學舍の生徒としては皆さんが先輩ということになります。この3年間、附属柏中学校で立派に過ごされた皆さんなら、附属柏高校に入学後も自ら学ぶ積極的な姿勢を持って、それぞれの目指す道を歩んで行ってくれることでしょう。

 附属柏高校では、二松學舍の建学の精神である「東洋の精神による人格の陶冶」、「己ヲ修メ人ヲ修メ、一世ニ有用ナル人物ヲ養成スル」に基づいて、自分で考え、判断し、行動する二松學舍の生徒として、同級生のお手本となってください。また、高校生としての自覚と責任、そして将来を見つめる広い視野を持つことを期待しています。

 他の高校に進学する皆さんも、附属柏中学校で学んだ校訓を糧に充実した高校生活を送って頂きたいと思います。

 最後に皆さんの今後のご健闘をお祈り申し上げ、祝辞とさせていただきます。