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「山田方谷の志を学ぶシンポジウム」ご挨拶(平成25年9月7日)

 会場にお集まりの皆さん、おはようございます。
 ご来賓の方々、「山田方谷さんを広める会」及び「山田方谷先生の志に学ぶ国会議員連盟」の皆様、本日は第1回「山田方谷の志を学ぶ」シンポジウムの開催、誠におめでとうございます。二松学舎の創立者・三島中洲先生も、山田方谷先生から陽明学の教えを受けたひとりであり、方谷先生は恩師であります。そして本日このシンポジウムが開催されるこの場所は、まさに中洲先生が今から136年前、明治10年10月10日、漢学塾二松學舍を創設した地であり、先生の名前を冠したこの中洲記念講堂で、第1回目の本シンポジウムが開催されることは大変名誉なことと、心より感謝申し上げます。
 さて、方谷先生のご生涯は、皆さんよくご存知のとおりであり、数々のご功績を挙げられた後、教育に専念され、そのお考え、育てられた人材は次世代の大きな財産として残されました。その一人が本学の創立者・三島中洲先生であります。先生は今の岡山県倉敷市で生まれ、14歳で山田方谷先生に師事しました。その後、備中松山藩士となり、方谷先生の右腕として藩の財政改革に尽力し、激動の幕末を体験しました。維新後は、政府の招聘で上京し大審院判事等を務め、明治10年官を辞し、西洋学の波に押されていた漢学再興のため、「漢学塾二松學舍」をこの地に創設、多くの子弟を育成し、漢学、東洋学の発展に尽力しました。
 二松学舎は大学、2つの附属高校、1中学校が設置されていますが、方谷先生の考え方を受け継いだ創立者・三島中洲先生の志を、136年間、連綿として受け継いでおります。昨年、本学は創立135周年を迎え、これを契機に本学の、2020年に向けた長期ビジョンN'2020プランを作成、公表しました。このプラン作成にあたっては、その根本に、方谷先生の教えを受け継いだ中洲先生が漢学塾二松學舍を創設時、唱えた建学の精神「東洋の精神による人格の陶冶」、「己ヲ修メ人ヲ修メ一世二有用ナル人物ヲ養成スル」を置き、この考え方のもと、教育を通じて育成する人材像、すなわち「道徳心、倫理観に溢れ、グローバル化や知識基盤社会化が進む中で、自ら考え、判断し行動する、各分野で活躍し、よりよき社会を実現する人材」を決め、かかる人材育成を目的として、本学で教育を行ってきております。この点においても方谷先生の志が二松学舎の中に、浸み渡っているといえます。
 本学の顧問を務め、また歴代首相の指南役を務められた安岡正篤氏に「古代の聖賢は別として、近世の偉人といえば、私はまず山田方谷先生を想起する。この人のことを知れば知るほど、文字通り心酔を覚える」と言わしめた方谷先生。その財政改革面の手法等偉業を広め、全国民的コンセンサスの醸成を通じてわが国の膨大な財政赤字を克服し、新生日本の機運を高めるべく、NHK大河ドラマ放映実現を求める署名運動も、すでに60万人を超える署名が集まっていると伺っており、本放映の実現はわが国が置かれた状況打開のためにも、必須なことであり実現すべきと確信をしております。
 本日は、本学の創立者・三島中洲先生を育てた恩師「山田方谷先生の志を学ぶ」シンポジウムの開催によって、さらに多くの方々に方谷先生の偉業が広まり、また二松学舎の名声も併せて広まりますことを期待いたしております。
 最後に「山田方谷さんを広める会」、「山田方谷の志に学ぶ国会議員連盟」の皆様の一層のご発展・ご健勝を祈念して、私の挨拶とさせていただきます。本日は、誠におめでとうございます。