(1)本学の資金運用方針について~インカムゲインを重視

 本学では、資金運用については 「リスク管理に十分な配慮を行いながら、短期的なキャピタルゲインを過度に求めず、基本的に長期的な投資スタンスに基づく『インカムゲイン』を重視した資金運用を継続する。債券・エクイティ・投資信託・金銭信託・不動産証券化商品などの資産ポートフォリオバランスにも留意する。」ことを基本方針としています。このスタンスは長年に渡り継続しているものであり、金融市場の状況によって都度変わるものではありません。

(2)本学の資金運用体制~組織としての意思決定のもと、実施

 本学では組織として意思決定をし、実際の運用を行う体制を構築しています(図1)。
 毎年度、理事会・評議員会で承認された運用計画をもとに、「資金会議」で具体的な運用案を審議、承認された後、更に学内での稟議、理事長までの承認を経て取引を行っています。「資金会議」には外部から、金融・経済分野の有識者を財務顧問として招聘し、専門的かつ公正な見地からの意見も参考にしながら、運用を行っています。


(3)2025年度の運用実績

好調な市場を背景に、高い運用益を獲得
 本学では金融資産の凡そ半分を有価証券で運用しており(図2)、その種別内訳は図3の通りとなっています。2025年度も「基本運用方針」に順い、「インカムゲイン」を重視した資金運用を継続し、安定した利金収入を得ることを第一としながら、好調な市況を踏まえ、一部の株式・投資信託の売却等による益出しを行いました。その結果、総額で約915百万円の運用益を得ました(図4)。

(2026年3月末日現在)


図2 金融資産の構成比
図3 有価証券の種別内訳(簿価ベース)
図4 2025年度運用益の内訳(百万円)

(4)過去10年間の実績~安定的な受取利息・配当金収入を確保

 過去10年間(年度ごと)の資金運用による利益は図5のように推移しています。
 主軸となる「受取利息・配当金収入」は毎年2~4億円を確保、安定した利益を上げており、これに有価証券の売却損益、為替損益が加算された合計金額が利益となります。
 運用資産に対する利回りは10年間平均で約3.4%となっています。なお、2019年度はコロナ禍による株式や投資信託の暴落のため、有価証券評価差額(有価証券評価額の下方修正による会計上の損金)を計上しましたが、2020年度以降は発生していません。

図5 過去10年(2016~2025年度)の資金運用実績と利回り(単位:百万円)

(5)資金運用の利金の活用

 こうして得た資金運用の果実は、教室や研究室、教育関連設備の整備に充てられる他、第3号基本金に組入れられ、本学独自で設定した奨学基金の原資となるなど、本学の教育研究活動に活かされています。
 図6のとおり、本学独自の奨学金支出額は年々増加しています。また、2020年度のコロナ禍に於いては、この他に学生一人当たり5万円の補助金(合計155,950千円)にも活用されました。

図6 本学独自奨学費支出額の10年間(年度)推移(千円)