「アセットオーナー・プリンシプル」の受け入れについて

 学校法人二松学舎(二松学舎大学、二松学舎大学附属高等学校、二松学舎大学附属柏中学校・高等学校、以下「本学」)は、2024年8月に内閣官房により策定された「アセットオーナー・プリンシプル」※の趣旨に賛同し、受け入れることを表明します。

※「アセットオーナー」とは?
=公的年金、共済組合、企業年金、保険会社、大学ファンド、資産運用を行う学校法人など

※「アセットオーナー・プリンシプル」とは?
=学校法人を含むアセットオーナーに対して定められた、運用・ガバナンス・リスク管理に係る共通の原則(2024年8月28日、内閣官房「新しい資本主義実現本部事務局」策定)

 本学は、2027(令和9)年に「創立150周年」を迎えますが、今後とも建学の精神を基盤とした永続的な教育研究の発展と、現在取り組んでいる中長期計画である『N’2030 Plan』の目標達成に向けた取り組みとして、「アセットオーナー・プリンシプル」を受け入れ、原則の実施や必要に応じた見直しを図ることで、「学校法人が行う資金運用の責任」(=受益者等の最善の利益を勘案して、その資産を運用すること)をより高い水準で果たすことに努めて参ります。

 2024(令和6)年度現在、「アセットオーナー・プリンシプル」に定められた「5つの原則」と、それに対応する本学の資金運用体制の現状は、下表のとおりです。

原則 本学の現状
原則1.
アセットオーナーは、受益者等の最善の利益を勘案し、何のために運用を行うのかという運用目的を定め、適切な手続に基づく意思決定の下、経済・金融環境等を踏まえつつ、運用目的に合った運用目標及び運用方針を定めるべきである。また、これらは状況変化に応じて適切に見直すべきである。
本学では毎年度、5月理事会で当年度の「資金運用計画」を審議、承認された計画に則り資金運用を行っております。また、凡そ隔月で開催されている「資金会議」においては、保有金融資産状況の確認、金融市況の情勢分析、新規投資商品の検討等を行っています。学内規則である資金運用規程、同実施細則にも定める通り、投資環境に不測の事態が発生した場合でも、理事会等へ資金運用計画の見直し案を付議することにより機動的に対応できる体制となっています。
原則2.
受益者等の最善の利益を追求する上では、アセットオーナーにおいて専門的知見に基づいて行動することが求められる。そこで、アセットオーナーは、原則1の運用目標・運用方針に照らして必要な人材確保などの体制整備を行い、その体制を適切に機能させるとともに、知見の補充・充実のために必要な場合には、外部知見の活用や外部委託を検討すべきである。
本学では、資金運用に対する専門家からの助言・判断を得るため、「財務担当顧問」を金融機関の職務経験者に委嘱して、「資金会議」に毎回出席して頂いております。また、資金運用担当部署である企画・財務課では、「証券アナリスト資格取得講座」の受講、銀行・証券会社等主催で開催される各種セミナーへの積極的参加などを通じて、所属職員の専門的知識の習得、アップデートを定期的に行っています。
原則3.
アセットオーナーは、運用目標の実現のため、運用方針に基づき、自己又は第三者ではなく受益者等の利益の観点から運用方法の選択を適切に行うほか、投資先の分散をはじめとするリスク管理を適切に行うべきである。特に、運用を金融機関等に委託する場合は、利益相反を適切に管理しつつ最適な運用委託先を選定するとともに、定期的な見直しを行うべきである。
本学では、リスク分散の観点から「投資金額は1銘柄当たり1億円」を原則としており、合わせて預金商品・債券・株式・REIT・オルタナティブ商品などへの投資割合についても「資金運用計画」に定め、ポートフォリオバランスに留意しながら資金運用を実行しています。また、本学では資金運用の外部委託については、一部の大手信託銀行及び関連会社との不動産商品への投資を除いて実行していないため、「利益相反リスク」発生の可能性は低いと考えられます。
原則4.
アセットオーナーは、ステークホルダーへの説明責任を果たすため、運用状況についての情報提供(「見える化」)を行い、ステークホルダーとの対話に役立てるべきである。
本学では、資金運用状況だけでなく、各設置学校の活動状況や財務状況全般について説明した資料「事業報告書」を取りまとめ、ホームページ等に公開しています。今後の課題として、「ステークホルダーとの対話」を充実化させる観点から、資金運用状況の経年変化グラフや資産ポートフォリオバランスの円グラフを新規に作成するなど、公開情報の改善・充実化に努めて参ります。
原則5.
アセットオーナーは、受益者等のために運用目標の実現を図るに当たり、自ら又は運用委託先の行動を通じてスチュワードシップ活動を実施するなど、投資先企業の持続的成長に資するよう必要な工夫をすべきである。
本学では、資金運用の実行に際して、その投資先企業・団体が「SDGs」に積極的に関与しているか、倫理上問題がある業態ではないか等を資金会議で確認しています。また、本学の投資活動自体が「SDGs」の実現に寄与するものであるか、常に留意して資金運用を行っています。

【本ページに関するお問い合わせ先】
学校法人二松学舎 企画・財務部 企画・財務課 E-mail: k-zaimu@nishogakusha-u.ac.jp