「人間のようなもの」の存在は、そもそも人間とは何かという問いを突きつける。人間そっくりのアンドロイドの研究を進め漱石アンドロイドの制作も手掛けた石黒浩、人間のように記号を生み出すロボットの研究「記号創発ロボティクス」を展開してきた谷口忠大。これら二人のロボット研究者は、ロボットを通して人間の輪郭を問いつづけてきた。加えて二人は、ロボットにまつわる小説を出版している異色のロボット研究者でもある。ロボット研究と小説の両面から、人間を考えるためのロボットについて討議する。
―漱石アンドロイドとは―
研究・教育のために、二松学舎大学と大阪大学が2016年12月より共同で運用している、夏目漱石を再現したアンドロイド。ロボット工学の第一人者石黒浩氏が監修を務め、漱石の孫である夏目房之介氏が声を提供している。
1963年滋賀県生まれ。大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻教授・ATR石黒浩特別研究所客員所長(ATRフェロー)。社会で活動できるロボットの実現を目指し、これまでにヒューマノイドやアンドロイド、自身のコピーロボットであるジェミノイドなど多数のロボットを開発。著書に、『ロボットとは何か』(2009年)、『アンドロイドは人間になれるか』(2016年)、『アンドロイド基本原則』(2018年)など。
1978年京都府生まれ。立命館大学情報理工学部教授。人間の言語・記号的コミュニケーションを創発の視点から扱う記号創発システム論を提唱、記号創発ロボティクスの分野を開拓する。本をゲーム形式で紹介しあう「ビブリオバトル」の考案者。著書に『コミュニケーションするロボットは創れるか』(2010年)、『心を知るための人工知能』(2020年)、『僕とアリスの夏物語 人工知能の,その先へ』(2022年)など。
※第二部で中心的に扱う作品は以下の三冊です。(当日は参考配布資料を用意しますので、下記作品をお読みになっていなくても問題ありません)
漱石アンドロイドシンポジウム事務局
soseki-a@nishogakusha-u.ac.jp