興福寺に鳴り響いた音楽 教訓抄の世界 二松学舎大学学術叢書一覧

『興福寺に鳴り響いた音楽 教訓抄の世界』

興福寺に鳴り響いた音楽 教訓抄の世界
編者:磯水絵(二松学舎大学 文学部)
出版社:思文閣出版 2021年3月19日
A5版 368頁 8,000円+税
ISBN:978-4-7842-1993-3

『興福寺に鳴り響いた音楽 教訓抄の世界』紹介

 興福寺はかつて日本音楽の一大中心地であり、声明(しょうみょう)(仏教音楽)や舞楽が一年を通じて絶え間なく鳴り響く寺院であった。興福寺がどのように音楽と関わってきたのか、あるいはどのような音楽が鳴り響いていたのか。鎌倉時代、興福寺で活躍した楽人(がくにん) 狛(こまの)近(ちか)真(ざね)が著した『教訓抄(きょうくんしょう)』をはじめとして、古代から近現代のさまざまな視点から興福寺の音楽に迫る。

目次

  1. 緒 言磯 水絵
  2. 第一章 建久の興福寺供養並びに東大寺供養の音楽─附、楽所預中原有安のこと―磯 水絵
  3. [コラム] 詠まれる歌・書かれる歌、そして読まれる歌─万葉集から考える─塩沢一平
  4. 第二章 楽人狛氏の由来探索─『日本書紀』に見る高麗人渡来─櫻井利佳
  5. 年譜『日本書紀』における「高麗」と「狛」
  6. 第三章 狛近真の生涯 付年譜神田邦彦
  7. 狛近真年譜稿
  8. [コラム] 興福寺と和歌─殷富門院大輔詠三首について─ 五月女肇志
  9. 第二編 狛近真『教訓抄』の世界
  10. 第一章 興福寺伎楽の衰退─附『天感楽外妓楽譜』翻刻解題─根本千聡
  11. 『天感楽外妓楽譜』解題
  12. 『天感楽外妓楽譜』<妓楽>翻刻
  13. 第二章 『教訓抄』巻第八「管絃物語」「琵琶」項について─その構成と内容─落合愛菫
  14. 第三章 『付法蔵因縁伝』馬鳴伝にみる「頼吒啝羅」の楽について─巻第八「箏」項より─中安真理
  15. 第四章 源隆国の見た夢─『教訓抄』巻第九より─鈴木和大
  16. 第三編 興福寺の音楽文化、その後
  17. 第一章 江戸期の興福寺薪の能小考中川 桂
  18. 第二章 興福寺涅槃会と法隆寺聖霊会における仏前奏楽─舞楽法要と管絃講の両様式について─高橋美都
  19. 編集後記
  20. 索引/執筆者紹介