【陽明学】陽明学研究センター 学術シンポジウム「朱子学研究の現在」を開催しました

名 称 陽明学研究センター 学術シンポジウム
日 時 2026年1月10日(土)
会 場 二松学舎大学1号館2階202教室
テーマ 朱子学研究の現在

開催報告

 2026年1月10日(土)、二松学舎大学陽明学研究センター主催の学術シンポジウム「朱子学研究の現在」が本学九段キャンパス1号館202教室で開催され、学内外の研究者や学生を中心に100名を超えるご来場を賜りました。当日は、九州大学の藤井倫明准教授による講演および国士館大学の松野敏之教授、京都大学の福谷彬准教授、東京大学の田中有紀准教授、二松学舎大学大学院博士課程(二松学舎大学日本漢学研究センター助手)の大森幹太氏から、それぞれの現在の朱子学研究についての報告が行われました。
 はじめに牧角悦子陽明学研究センター長から、開会挨拶および陽明学研究センターにおいて「朱子学」をテーマとしたシンポジウムを開催することの意義について説明がありました。
 続いて、藤井倫明准教授から「朱子学と陽明学-その思想構造の異同をめぐって-」と題して、ともすれば対立的に見られがちな朱子学と陽明学は、心性論の構造においては、本質的に対立するものではないという趣旨のご講演がありました。
 各報告では、最初に松野敏之教授から「朱熹と注釈」と題して、朱熹が著した注釈書の特徴および注釈書の修訂についての報告、続いて、福谷彬准教授より「理念と制度のあいだ-朱子学と陽明学の実践的射程-」と題して、南宋初期に朝廷が直面した喫緊の課題の一つであった飢饉対策を取り上げ、朱熹と陸九淵がどのように制度を構想したのかについての報告、田中有紀准教授より「江永における『道問学』と『尊徳性』:「近思録集注」及び『考訂朱子世家』をめぐって」と題して、清朝の学者である江永は、『朱子世家』『近思録集注』を編集して朱熹の学問経歴をたどることで、朱熹の学問の営みが、身近な経験に即して「知」を積み重ねて「尊徳性」に至る点にあると認識したとの報告、最後に、大森幹太氏より「道学形成史における程顥の位置の再検討-『物』観念を手掛かりとして-」と題して、程顥思想の複合体としての「万物一体の仁」が、彼の弟である程頥の「居敬窮理」を導き、ひいては朱熹の思想に流れたと考えると、程顥は朱熹の思考的枠組みの開拓者と位置づけられるとの報告がありました。
 その後の総合討論では、東京大学の小島毅教授の司会進行により、同教授による総括と、来場者からの質疑応答による活発な議論が交わされました。
 今回の学術シンポジウムは、朱子学成立以前の北宋から陽明学を挟んで清朝考証学黎明期にまで及び、朱子学・陽明学を含む中国近世思想史を捉え返す上で、非常に意義深い内容となりました。
  • 開会挨拶・趣旨説明を行った牧角 悦子 陽明学研究センター長
    開会挨拶・趣旨説明を行った
    牧角 悦子 陽明学研究センター長
  • 総合司会の田中正樹 二松学舎大学文学部教授
    総合司会の
    田中 正樹 二松学舎大学文学部教授
  • 講演を行った藤井倫明 九州大学准教授
    講演を行った
    藤井 倫明 九州大学准教授
  • 研究報告を行った松野 敏之 国士館大学教授
    研究報告を行った
    松野 敏之 国士館大学教授
  • 研究報告を行った福谷 彬 京都大学准教授
    研究報告を行った
    福谷 彬 京都大学准教授
  • 研究報告を行った田中 有紀 東京大学准教授
    研究報告を行った
    田中 有紀 東京大学准教授
  • 研究報告を行った二松学舎大学大学院博士課程 大森幹太 氏
    研究報告を行った
    二松学舎大学大学院博士課程
    大森 幹太 氏
  • 総合討論・総括司会の小島 毅 東京大学教授
    総合討論・総括司会の
    小島 毅 東京大学教授
  • 記念撮影
    記念撮影