名 称 | 陽明学研究センター 公開シンポジウム |
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日 時 | 2023年12月2日(土)13時~17時20分 |
会 場 | 二松学舎大学1号館2階201教室 オンライン併用 |
テーマ | 水戸学と尊王攘夷―近代日本の漢学と陽明学― |
開催報告
はじめに牧角悦子陽明学研究センター長から、開会挨拶および陽明学研究センターにおいて水戸学をテーマとしたシンポジウムを開催することの意義についての説明がありました。
第一部の報告では、東京大学の高山大毅准教授から「水戸徳川家の礼学―「後期水戸学」理解のために」と題し、水戸徳川家の学問において礼学が重要な位置づけとなり、後期水戸学を代表する会沢正志斎が論じる礼制は、その水戸徳川家の礼に関する議論と徂徠学の礼思想の影響を強く受ける中で形成された特色があるとの報告、常磐大学の松崎哲之准教授から「儒教史の中における水戸学―会沢正志斎の天の思想を中心にして―」と題し、中国思想史における「天」観念を整理したうえで、会沢正志斎の「天」観念やそれに付随して表出される「太極」論が、朱子学を出発点としつつも、時に朱子学を批判的に超克しようと試みる中で展開されたものであるとの報告、金城学院大学の桐原健真教授から「「志士仁人」とはだれか―後期水戸学における尊王攘夷―」と題し、「尊王攘夷」という語の出典の所在や定義の変遷を辿りながら、「尊王攘夷」が統治者を対象とする限定的な語から、高い志を抱く「志士」であれば誰でも実践可能な概念として捉えられるようになるに至る過程についての報告がありました。
第二部の総合討論では、東京大学の小島毅教授司会のもと、「陽明学」や「宋代春秋学」など中国思想史的見地から見た水戸学や尊王攘夷に対する質疑応答に加え、水戸学や尊王攘夷思想が近代以降いかに展開していったかにまで話題が及ぶなど、活発な議論が多岐にわたり行われました。
陽明学や朱子学が日本思想史の展開を検討する上で非常に重要かつ豊かな淵源として位置づけられることを再確認する大変有意義な機会となりました。
第一部の報告では、東京大学の高山大毅准教授から「水戸徳川家の礼学―「後期水戸学」理解のために」と題し、水戸徳川家の学問において礼学が重要な位置づけとなり、後期水戸学を代表する会沢正志斎が論じる礼制は、その水戸徳川家の礼に関する議論と徂徠学の礼思想の影響を強く受ける中で形成された特色があるとの報告、常磐大学の松崎哲之准教授から「儒教史の中における水戸学―会沢正志斎の天の思想を中心にして―」と題し、中国思想史における「天」観念を整理したうえで、会沢正志斎の「天」観念やそれに付随して表出される「太極」論が、朱子学を出発点としつつも、時に朱子学を批判的に超克しようと試みる中で展開されたものであるとの報告、金城学院大学の桐原健真教授から「「志士仁人」とはだれか―後期水戸学における尊王攘夷―」と題し、「尊王攘夷」という語の出典の所在や定義の変遷を辿りながら、「尊王攘夷」が統治者を対象とする限定的な語から、高い志を抱く「志士」であれば誰でも実践可能な概念として捉えられるようになるに至る過程についての報告がありました。
第二部の総合討論では、東京大学の小島毅教授司会のもと、「陽明学」や「宋代春秋学」など中国思想史的見地から見た水戸学や尊王攘夷に対する質疑応答に加え、水戸学や尊王攘夷思想が近代以降いかに展開していったかにまで話題が及ぶなど、活発な議論が多岐にわたり行われました。
陽明学や朱子学が日本思想史の展開を検討する上で非常に重要かつ豊かな淵源として位置づけられることを再確認する大変有意義な機会となりました。