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歴史スポット1 斬られた体を探す首の逸話とは「史蹟 将門塚」 小山 聡子教授

 「史蹟 将門塚」は、平安時代中期の豪族、平将門(?~940)の首を祀るために建てられた墳墓であり、東京メトロ大手町駅の出口からすぐのところにあります。二松学舎大学九段キャンパスからは、北の丸公園を通り抜けると、徒歩約30分で行くことができます。将門塚は、大都会の高層ビル群に囲まれつつも、ひっそりとした雰囲気に包まれており、現在でも参詣する人々が絶えません。

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 平将門は、下総国を本拠地とした豪族であり、東国の大半を占領し「新皇」と自称しました。しかし、朝廷に反旗を翻したと見なされ、平貞盛らに攻められて討死し、その首は京都にもたらされて晒し首にされました。
 将門は、死後、怨霊になったとされ、14世紀の『太平記』では、その首は3ヶ月経っても色が変わらず、目も閉じず、常に歯を食いしばり、「斬られた我の体はどこにあるのか。ここに来い。頭とつながって今一度いくさをしよう!」と夜な夜な喋っていたと語られています。また、江戸時代の『前太平記』では、将門の首は東国を懐かしんで空を飛び武蔵国に落ち、夜になると光り輝いた、とされています。非常に恐れられたため、神田明神に神として祀ったところ、それ以後は恐ろしいことは起こらなくなったということです。斬られた首には凄まじい怨念がこもっていると考えられたのです。
 現在でも、平将門は、人気を誇る歴史上の人物の一人です。人気を誇る理由は、体制に反旗を翻したものの追討され非業の死を遂げた、という悲劇の側面に共感する人々が多いからでしょう。都心の真ん中にある将門塚に足を運び、怨念の渦巻く歴史を味わってみませんか。

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