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教員紹介

山口 直孝 YAMAGUCHI Tadayoshi教授

専門

近代日本語文芸

自己紹介

日本の近代・現代小説の研究をしています。志賀直哉・近松秋江を対象に1910年前後の小説の変容を解明することをこれまで課題にしてきました。この時期は、主人公が自分の過去や心の内側を語る小説が出現しており、見逃せません。現在は、大西巨人を中心としたマルクス主義文芸や横溝正史ほかの探偵小説にも興味を持ち、調査・考察を進めています(イラストは、角川文庫の横溝正史作品の表紙絵で知られる杉本一文画伯に描いてもらったものです)。

受験生・在学生へのメッセージ

自分のことをひとごととしても見ることのできる客観的な目を養ってください。これは、なかなか難しく、私も、まだ持っていると言う自信はありませんが。

座右の銘

「意志は強し、生命(いのち)より強し」(国枝史郎『加利福尼亜の宝島』より。ただし、大西巨人『神聖喜劇』からの孫引きです)。

近代文学②ゼミナール(山口ゼミ)

こんにちは。山口ゼミです。私たちのゼミでは大西巨人の『神聖喜劇』を中心に文学研究に取り組んでいます。昨年は『神聖喜劇』の理解を深めるための導入として、プロレタリア文学や転向文学にも触れました。また、山口ゼミならではの特徴として、毎年ゼミ生を中心に『解纜』(「かいらん」と読み、出航を意味します)という論集を発行し、文学フリマで販売しています。自分の研究を一般の方に読んでいただける貴重な機会であり、ゼミ生の大きなモチベーションにつながっています。
『神聖喜劇』を含め、山口ゼミで取り扱う作品はどれも難しく、今までなじみのなかったものばかりだと思います。そのため先行研究や同時代評の調査、時代背景の理解など作品に対し積極的に関わっていこうとする姿勢が必要です。発表回数も多く、ゼミ生の人数によってはややハードワークになるかもしれません。しかし、自分が今まで知らなかった多くの作品に触れられるやりがいや楽しさもあり、文学に対する知見を広げることができます。また、近代文学のゼミですが卒業論文のテーマに縛りがなく、海外の小説や現代作家による小説など、自分の興味のある作品で自由に研究することができるのも、山口ゼミの魅力の一つだと思います。(4年ゼミ長、副ゼミ長)