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著書紹介

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野村啓介編著『西洋へのまなざし/日本へのまなざし 日欧文化関係史への招待』
2022年度新設・歴史文化学科の研究成果

野村啓介編著『西洋へのまなざし/日本へのまなざし 日欧文化関係史への招待』
  • 編著者:野村 啓介(二松学舎大学文学部教授)
  • 出版社:ミネルヴァ書房
  • A5版 296頁 定価3,080円(2,800円+税)
  • ISBN:978-4-623-09892-7
  • 発売日:2025年3月30日発行

【著書の内容】

 本書は、二松學舍大学文学部歴史文化学科が中心になっておこなわれた2022年度文学部シンポジウム「日本と西洋 歴史・文化の交差路—三島中洲・渋沢栄一が生きた時代の異文化理解—」(2022年3月4日 二松學舍大學中洲記念講堂)の報告内容を核としています。

 本学は、2022年に創立145周年という節目を迎えました。上記シンポジウムには、これを記念する意味もこめられています。企画では、創立者である漢学者・三島中洲(1831-1919)や、舎長として本学の発展にも寄与した実業家・渋沢栄一(1840-1931)らが生きた時代に着目することにしました。それは、いうまでもなく激動の幕末維新史をもふくむ時代です。またそれは、まさしく日本が近代化(ないし、より正確には西洋化)への道を歩む歴史とも重なります。シンポジウムでは、こうした激動の時代の〈東西文化の交感〉ないし〈東西の異文化理解〉の局面に焦点をあてつつ、それに密接なフランス・イギリスを中心とするヨーロッパ諸国を考察の場として選び、日本とヨーロッパの文化的関係をめぐる諸問題を考えてみました。
 本書は、このシンポジウムの内容を膨らませようと、江戸から明治にいたる日本史の画期を記した日欧文化関係の重層性にアプローチすることをめざした、野心的な研究活動の成果です。歴史文化学科からは、わたくし野村と麻生将氏が参画しました。内容は以下のとおりです。

  • 第Ⅰ部「入門編—〈日本/西洋〉関係史の研究事始め」
  • 第1章 江藤裕之(東北大学)「日本語の中の西洋語」
  • 第2章 岡本託(佐賀大学)「欧米諸国によるアジア・日本接近の歴史」
  • 第3章 小寺瑛広(松戸市戸定歴史館)「パリ万博とその時代」
  • 第4章 麻生将(本学)「近代日本のキリスト教の歴史」
  • 第5章 足立元(本学)「日本美術史における西洋化」
  • 第Ⅱ部「展開編ー日本にとっての西洋/西洋にとっての日本」
  • 第6章 江藤裕之(東北大学)「ことば・人間・文化の学の東西比較—江戸後期の国学とドイツ文献学の類似性と明治期の新しい国学」
  • 第7章 野村啓介(本学)「来日欧米人がみた天皇と将軍—16世紀から19世紀にいたる異文化理解の一断面」
  • 第8章 小寺瑛広(松戸市戸定歴史館)「一八六七年パリ万博における日仏異文化観」
  • 第9章 麻生将(本学)「都市の教会からみた近代日本とキリスト教」
  • 第10章 足立元(本学)「イギリス思想と日本近代美術」
  • 第11章 ヴィグル・マティアス(本学)「中国学者スタニスラス・ジュリアンの国際ネットワーク—ラザリスト会宣教師との手紙を中心に」
  • おわりに

学生のみなさん、歴史文化学科入学をめざすみなさんへ

 歴史学の世界に足を踏みいれたい(あるいは少しでもそんな考えが浮かんでいる)みなさん、ぜひ本書の表紙をめくってみてください。それだけで、スリリングな歴史色の景色が目の前に広がることでしょう。三島中洲や渋沢栄一が見つめた世界を通じて、日本の西洋化(近代化?)とは何か、「異文化理解」とはどういうことか、といった問題を歴史学的に深く考えてみませんか。あなたの中の「知りたい」が、きっと動きだします。歴史文化学科教員一同、そんなみなさんにお会いできることを心待ちにしています。

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