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平成26年度 教員免許状更新講習 講座内容一覧

必修講習 平成26年8月4日(月)・5日(火) <12時間>
1時限  9 :00 ~ 10:20 (講習:80分)
2時限 10 :30 ~ 11:50 (講習:80分)
昼休み 11 :50 ~ 12:50
3時限 12 :50 ~ 14:10 (講習:80分)
4時限 14 :20 ~ 15:40 (講習:80分)
5時限 16 :20 ~ 17:00 (修了認定試験:40分)
8月4日(月) 教育の最新事情①
  講師 講座名 講座内容
1時限
9:00
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10:20
本学教授
芝田 周一
「新しい教育法規の体系とコミュニティースクール構想」 平成18年度に改訂された「教育基本法」では、父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有する(第10条)、学校、家庭及び地域住民その他関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする(第13条)と書かれているが、地域社会の連帯意識が希薄になり、少子高齢化・核家族化、さらには女性の社会的地位の変化の結果、地域社会の教育力・家庭の教育力が衰えてしまった。文部科学省は、コミュニティースクール構想を推し進め、異常な状況を打開しようとしている。法的根拠に触れながらコミュニティースクール構想について考察する。
2時限
10:30
|
11:50
本学教授
芝田 周一
「第3次教育改革と
学習指導要領」
日本における教育の西欧化は明治維新の後、『富国強兵』『和魂洋才』を掲げた教育改革により、欧米列強に対抗する力を付けることが出来た。しかし、その先にあったのは第2次世界大戦の敗戦であった。戦後、民主主義にふさわしい学校制度とし『戦後復興』、ついで『高度成長』を掲げた第2次の教育改革は多大の効果を上げたが、その問題点が明らかになってきた。21世紀を迎えるにあたり、我が国では『生きる力』を育むことを目指した教育改革を行っている。近代教育の流れの中から、今回の教育改革・学習指導要領について考察する。
3時限
12:50
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14:10
本学教授
榎本 善紀
学校を巡る状況の
変化と教員の役割
高度情報化やグローバル化、少子高齢化に伴う社会構造の変化が進行する中で、学校に対する保護者や地域住民の期待・要望も多様化している。また、このような社会状況において、若者の意識にも変化が見られ、内向き志向、規範意識の低下、自分本位な姿勢などが指摘されている。各種意識調査や教育社会学の研究成果などから、学校を巡る状況の変化について考察し、教員としての対応について検討を行う。
4時限
14:20
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15:40
本学教授
榎本 善紀
今求められる教員の
資質・能力
学校教育法の改正により、学校の組織運営体制や教育指導体制の改善・充実を図るため、新たな職として副校長、主幹教諭、指導教諭が設けられた。また、教員の能力開発・人材育成を目的として、人事考課制度が導入された。学校が組織として教育活動に取り組み、学校教育が直面している様々な課題を解決していくために、一人一人の教員がどのような意識と実践力を身に付けるべきか考察する。
5時限 修了認定試験(16:20~17:00)
※本講習における講師について、変更することがあります。
8月5日(火) 教育の最新事情②
  講師 講座名 講座内容
1時限
9:00
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10:20
本学教授
改田 明子
社会性の発達 子どもの心理的発達は、他者の気持ちや考えについての認識が広がり、人と関わる力が育つ過程を含んでいる。ここでは、「心の理論」の観点から、人と関わる力の発達過程を概説する。さらに、子どもが体験する対人関係上の具体的な問題を取り上げ、人と関わる力を育むための支援・指導の方法として、ソーシャル・スキル教育や自己表現トレーニングを紹介する。
2時限
10:30
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11:50
本学教授
改田 明子
発達障害のある生徒の
学校生活とその支援
発達障害のある生徒は、多くが通常学級に在籍している。本講習では、それらの生徒の学校生活を支援するための基本的な考え方を概説する。具体的には、まず、発達障害の基本的理解と支援の原則について解説する。つづいて、とくに思春期における問題と当事者研究を取り上げ、支援に当たっては、行動面での適応指導だけでなく、自己理解を深めるための支援が重要となることについて考察する。
3時限
12:50
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14:10
本学教授
町田 哲夫
保護者ならびに地域社会との連携について 学校は閉鎖的であるといわれて久しいが、その閉鎖的な環境を打開し、地域に開かれた学校としていくために、様々な施策や取り組みが行われ、学校の姿は日々変化している。
社会情勢の変化や教育界のニーズを的確にとらえ、地域と共に歩む学校を実現するために、保護者・地域との連携ならびに共存はどうあるべきか、地域と共に児童・生徒を育てることの重要性について考える。
4時限
14:20
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15:40
本学教授
町田 哲夫
危機管理のあり方や評議員制度による外部評価の活用等について 学校の危機管理について、安全管理の基本的考え方である「点で子どもを守る」「線で子どもを守る」「面で子どもを守る」等を通して、安全のチェックポイントの重要性を認識する。
また、学校評議員制度について、効果的な運営の方法を探ると共に、学校の取り組む教育活動を家庭・地域を含め共有する、外部評価の必要性、効果的な活用について考える。
5時限 修了認定試験(16:20~17:00)
※本講習における講師について、変更することがあります。
選択講習 平成26年8月6日(水)~8日(金) <18時間>
1時限  9 :00 ~ 10:20 (講習:80分)
2時限 10 :30 ~ 11:50 (講習:80分)
昼休み 11 :50 ~ 12:50
3時限 12 :50 ~ 14:10 (講習:80分)
4時限 14 :20 ~ 15:40 (講習:80分)
5時限 16 :20 ~ 17:00 (修了認定試験:40分)
8月6日(水) 生徒理解に基づく支援と指導
  講師 講座名 講座内容
1時限
9:00
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10:20
本学教授
若井田 正文
特別活動の目標と
人間関係づくり
-心理学の教育場面への活用-
新学習指導要領においては、小学校・中学校・高等学校のいずれにおいても、特別活動の目標に「集団や社会の一員としてよりよい生活や人間関係を築こうとする自主的、実践的な態度を育てる」の記述がある。
講座では、この「人間関係を築こうとする自主的、実践的な態度を育てる」点に注目し、前半では、心理学のアサーションやセルフカウンセリング、構成的グループエンカウンターを概観する。後半では、ふれ合いと自他発見を通して参加者の人間関係づくりや行動変容を試みる集中的グループ体験であり、学級経営などでも活用できる、構成的グループエンカウンターを参加者に体験していただき理解を深める。
2時限
10:30
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11:50
本学教授
若井田 正文
3時限
12:50
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14:10
本学教授
小渕 朝男
中・高校生の生活指導、
キャリア教育としての
進路指導の在り方
について学ぶ
前半の生活指導を扱う講習では、実際の生活指導実践の事例に即して、主に、①生活指導・生徒指導の困難さがどこから(なぜ)生じてくるのかの解明、②生活指導が生徒を育てる指導となるためにはいかなる条件が必要であるのか、の2点を考えることとする。後半のキャリア教育を扱う講習では、2011年1月に出された中教審答申における「基礎的・汎用的能力」論について検討し、今後の進路指導実践の課題について考えることを目指す。
なお、前半の生活指導を扱う講習では、4~5人のグループを編成し、指導事例の交流を行います。受講者は、これまでの教員生活の中で印象に残った指導事例(できれば成功事例と失敗事例を各1例)を語ることができるようにメモ等を準備して講習に臨んでください。
4時限
14:20
|
15:40
本学教授
小渕 朝男
5時限 修了認定試験(16:20~17:00)
※本講習における講師について、変更することがあります。
8月7日(木)現代文の教材と指導法《中学国語・高等学校国語教諭向け》
  講師 講座名 講座内容
1時限
9:00
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10:20
本学教授
五井 信
小説の言葉、
詩の言葉
最近の研究状況のなかから、中学校・高等学校の先生方にも興味を持っていただけるような話をいくつかするつもりです。中学校・高等学校の教科書に掲載されている詩や小説を題材に、授業を行ううえで背景として知っておくと授業での幅が広がる、そのようなお話ができればと願っています。具体的には「タイトル」や「主人公」「地の文と会話文」「技法」「構造」……といった、「読み」の前段階ともいえることについてお話しします。
当日までに、『舞姫』『羅生門』『走れメロス』の3つに目を通しておいてください。
2時限
10:30
|
11:50
本学教授
五井 信
3時限
12:50
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14:10
本学教授
瀧田 浩
近現代評論文 高等学校の教科書に採録されることの多い、丸山眞男の『「である」ことと「する」こと』を、3時限、4時限連続でとりあげる。3時限においては、文脈の読解を中心に進めることとし、二項対立をはじめとした構造理解の方法をさぐる。
4時限
14:20
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15:40
本学教授
瀧田 浩
丸山眞男の『「である」ことと「する」こと』を、3時限に引き続きとりあげ、他の教科書掲載作品(森鷗外「舞姫」・夏目漱石「こころ」など)と共有される問題意識に留意した上で、日本の近代化をめぐる問題との接続をはかりたい。いくつかの文献を紹介・検討しながら、どのような説明が現代の生徒たちに有効なのかを考えたい。
5時限 修了認定試験(16:20~17:00)
※本講習における講師について、変更することがあります。
8月8日(金) 古典の教材と指導法 《中学国語・高等学校国語教諭向け》
  (注:「書道の教材と指導法」と同時に受講することはできません。)

  講師 講座名 講座内容
1時限
9:00
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10:20
本学教授
山崎 正伸
教材としての
『伊勢物語』
教育内容に関する主な改善事項として、国語科での古典の重視が挙げられている。この古典の中から、多くの教科書に採られている『伊勢物語』について、初段から東下りまでを中心に、時間の制約で若干の省略をするやも知れないが、現在の研究とその資料を提示したい。
また、授業で活用できる資料の在処と、その資料の活用の実際も具体的に示したい。しかし、80分の授業時間のため、すべての資料を直接に扱えない。講座では触れられないが、持ち帰って活用していただきたい資料もあると理解していただきたい。それらの資料によって歌語り歌物語作品の本質を考える。
また、中学の教科書に採られている『竹取物語』とも、比較して、作り物語、歌物語にも触れたい。
2時限
10:30
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11:50
本学教授
磯 水絵
「中世散文―随筆作品を中心に―」『徒然草』 1 作者研究の現在―ト部兼好伝について―
2 ト部兼好の文学―兼好の『徒然草』以外の作品について―
3 『徒然草』の中古文学作品受容―『枕草子』を中心に―

ト部兼好の生地は一説に関東ともいわれ、神奈川県立金沢文庫には、彼に関わる史料も多く収蔵されている。関東周辺の教員は、そのようなところから説き起こして、中世史と文学の交わるところを生徒に解説してほしいと思う。そこで、今回は兼好伝と、その中古文学受容について、関東を視座に論じてみたい。
3時限
12:50
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14:10
本学教授
家井 眞
中国に於ける
詩の発生と展開
中国に於ける詩の発生と展開を周代の金文・『詩経』の詩・漢代の詩からそれぞれ一首ずつを選び概観する。それは宗教詩から抒情詩への展開であり、詩の発生と展開を考える場合、世界共通のものであり、古代中国に於いても例外ではない。中国で韻文の最も早いものは、宗廟祭祀の明器である青銅器に鋳込まれた銘文であり、祖先を称え、祖先に我が家の繁栄を祈る等がその内容であり、宗教詩である。『詩経』の詩もまた宗廟や村々の社や聖地等の祭祀で歌われた詩で、宗教詩である。抒情詩は遅くに漢代に確立したもので、初めて個人の情が歌われるようになったのである。
4時限
14:20
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15:40
本学教授
高山 節也
漢文(思想) 高等学校の漢文テキストには、諸子百家の文章が採られているであろう。自分の経験では、『荀子』や『韓非子』の文章があったことを記憶している。
本講義では、そうした諸子の資料を教授するにあたって、諸子百家という概念がどのようにして出来上がっていったか、また諸子の思想とはどんなものか、といった教授のための予備知識を提供しようと思う。その過程で『史記』や『漢書』の文章にも触れることになろう。
5時限 修了認定試験(16:20~17:00)
※本講習における講師について、変更することがあります。
8月8日(水) 書道の教材と指導法《高等学校書道教諭向け》
  (注:「古典の教材と指導法」と同時に受講することはできません。)

  講師 講座名 講座内容
1時限
9:00
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10:20
本学教授
高澤 浩一
隷書の指導法 隷書を指導する上での資料は、従来石刻関係のものが多く、肉筆史料は少ない状況にある。
しかし今年では木簡・竹簡の出土がおびただしく、書写活動における一次史料を提供してくれている。
よって、この講習のねらいは、それらの一次史料を考慮した上で、特に隷書体の筆順に着目し、隷書学習時における筆順指導をいかに行うかについて検討してみたい。
その上で従来指導してきた石刻関係の隷書を、いかに指導すべきかを考え直す内容である。
2時限
10:30
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11:50
本学教授
源川 進
楷書の指導法 教材のメーンは六朝の楷書・唐の楷書かと思うが、その中で造像記、墓誌銘、初唐の三大家の銘文の臨書に当たっては意臨、背臨、倣書から創作への方向付けを話す。そこから、結体法の向勢・背勢、用筆法の蔵鋒・露鋒からくる線質の違いについても述べる。最近は高校教育の現場でも、中鋒の剛毛から柔らかい羊毛の筆を使うようになって来ていると思う。それよりも、中鋒から長鋒、更に発展して長鋒、いや超長鋒を使わせて芸術的線質の展開に力を入れて指導されている所もあると聞く。しかし、長鋒の鋒鋩の使いこなしが十分になされているのであろうか。今回の講習では『段氏述筆法』を使って長鋒の使い方を十分に講習する。
3時限
12:50
|
14:10
本学教授
高澤 浩一
行書の指導法 行書については、日常書写活動の中で今日最も多く使用されているが、書の歴史を見る上では、その発生から発達段階に至るまで明白にされていない。更には、行書という語義についても不明である。よってこの講習においては、その語義について文献上より考究するとともに、近年出土の木簡や竹簡といった肉筆史料から、その発生を探り、どのように行書が誕生し発達してきたかを考察する内容である。
4時限
14:20
|
15:40
本学教授
源川 進
草書の指導法 草書の教材にされるものと言うと『書譜』『十七帖』『真草千字文』かと思うが、智永の『真草千字文』は筆路が曖昧であまり薦められない。王羲之の『十七帖』も高校生には筆意を十分生かしきれない。そこで孫過庭の『書譜』が最適かと思われるが、(当然部分的でではあるが)書論の内容まで理解させながらとなると中々厄介である。この教員の講習会では、懐素の『自叙帖』を使い、孫過庭が草書の秘訣について「真は点画を以て形質と為し、始転を情性と為す。
草は点画を以て情性と為し、使転を形質となす。草、使転に乖(そむ)けば、字を成すこと能はず、真は点画を欠くも、猶(なお)文を記すべし」の理を理解して戴き、顔眞卿と懐素が洛陽市中で出会い書の問答を交わしたと言われる「印印泥」「錐画沙」「折釵古」あたりを話す。
5時限 修了認定試験(16:20~17:00)
※本講習における講師について、変更することがあります。