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平成24年度 教員免許状更新講習 講座内容一覧

必修講習 平成24年8月17日(金)~18日(土)<12時間>
1時限  9 :00 ~ 10:20 (講習:80分)
2時限 10 :30 ~ 11:50 (講習:80分)
昼休み 11 :50 ~ 12:50
3時限 12 :50 ~ 14:10 (講習:80分)
4時限 14 :20 ~ 15:40 (講習:80分)
5時限 16 :20 ~ 17:00 (修了認定試験:40分)
8月17日(金)教育の最新事情①
  講師 講座名 講座内容
1時限
9:00
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10:20
本学非常勤講師
堀江 忠道
「日本の近代教育の流れから見た第3次教育改革と学習指導要領」 日本における教育の西欧化は明治維新の後、『富国強兵』『和魂洋才』を掲げた教育改革により、欧米列強に対抗する力を付けることができた。しかし、その先にあったのは第二次世界大戦の敗戦であった。その結果、アメリカ(GHQ)の指令に従い、封建制の残滓を改め、民主主義にふさわしい学校制度とし『戦後復興』、ついで『高度成長』を掲げた第2次の教育改革は多大な成果を上げたが、その問題点が明らかになってきた。21世紀を迎え、わが国では『生きる力』を育むことを目指した教育改革を行っている。近代教育の流れの中から、今回の教育改革・学習指導要領について考察する。
2時限
10:30
|
11:50
本学非常勤講師
堀江 忠道
「新しい教育法規の体系とコミュニティースクール構想」 平成18年度に改訂された「教育基本法」では、父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有する(第10条)、学校、家庭及び地域住民その他関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする。(第13条)と書かれているが、地域社会の連帯意識が希薄になり、少子高齢化・核家族化、さらには女性の社会的地位の変化の結果、地域社会の教育力・家庭の教育力が衰えてしまった。文部科学省は、コミュニティースクール構想を推し進め、異常な状況を打開しようとしている。法的根拠に触れながらコミュニティースクール構想について考察する。
3時限
12:50
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14:10
本学教授
榎本 善紀
学校を巡る状況の
変化と教員の役割
高度情報化やグローバル化、少子高齢化に伴う社会・経済の構造的な変化が進行する中で、学校に対する保護者や地域住民の期待・要望も多様化している。また、このような社会状況において、若者の意識にも変化が見られ、内向き志向、規範意識の低下、自分本位な姿勢などが指摘されている。各種意識調査や教育社会学の研究成果などから、学校を巡る状況の変化について考察し、教員としての対応について検討を行う。
4時限
14:20
|
15:40
本学教授
榎本 善紀
今求められる教員
能力・資質
学校教育法の改正により、学校の組織運営体制や教育指導体制の改善・充実を図るため、新たな職として副校長、主幹教諭、指導教諭が設けられた。また、教員の能力開発・人材育成を目的として、人事考課制度も改定が進められている。学校が組織として教育活動に取り組み、現在、学校教育が直面している様々な課題を解決するために、一人一人の教員がどのような意識と実践力を身に付けるべきか考察する。
5時限 修了認定試験(16:20~17:00)
※本講習における講師について、変更することがあります。
8月18日(土)教育の最新事情②
  講師 講座名 講座内容
1時限
9:00
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10:20
本学教授
改田 明子
社会性の発達 子どもの心理的発達は、他者の気持ちや考えについての認識が広がり、人と関わる力が育つ過程を含んでいる。ここでは、「心の理論」の発達という観点から、人と関わる力の発達過程を概説する。さらに、子どもが体験する対人関係上の具体的な問題を取り上げ、人と関わる能力を育むための支援・指導の方法として、ソーシャル・スキル教育や自己表現トレーニングを紹介する。
2時限
10:30
|
11:50
東京都立
永福学園
校長
小林 進
特別支援教育の推進と新たな課題 東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画が策定された(平成22年11月)。本計画の基本的なコンセプトは「すべての学校で実施する」「つながりを大切に」「自立と社会参加を目指す」であり、発達障害も含めて特別な支援を必要とするすべての児童・生徒を対象として、すべての小・中学校、高校での系統性と一貫性のある実施を目指している。 本講習では、障害の有無やその他の違いを認識しつつ、様々な人々が活躍できる共生社会の形成の基礎づくりという先進的かつ実証的な役割を担っている特別支援教育の現状を踏まえながら、発達障害を含む障害の状態等の理解を深め、キャリア教育を中心とした今後の新たな課題を整理・分析し、具体的な課題解決の方策を考察する。
3時限
12:50
|
14:10
本学教授
大栁 勇治
保護者ならびに地域社会との連携について 学校は閉鎖的であるといわれて久しいが、その閉鎖的な環境を打開し、学校を地域に開く、地域に開かれた学校としていくためには、今どのようなことが求められているのか、そして学校があるという視点から、地域と共に歩む学校として保護者と地域との連携ならびに共存はどうあるべきかを考え、地域と共に児童生徒を育てることの重要性について考えていく。
4時限
14:20
|
15:40
本学教授
大栁 勇治
危機管理のあり方や評議員制度による外部評価の活用等について 危機管理が最も遅れている教育界と言われているが、学校の安全管理の基本的な考え方である「点で子どもを守る」「線で子どもを守る」「面で子どもを守る」等を通して、安全のチェックポイントの重要性を認識する。 また、地域に開かれた学校評議員のあり方や効果的な運営について探ると同時に、学校評議員制度による外部評価を学校と家庭・地域との情報共有により、その連携協力を深める良い機会とする必要性について考える。
5時限 修了認定試験(16:20~17:00)
※本講習における講師について、変更することがあります。
選択講習 平成24年8月20日(月)~22日(水)<18時間>
1時限  9 :00 ~ 10:20 (講習:80分)
2時限 10 :30 ~ 11:50 (講習:80分)
昼休み 11 :50 ~ 12:50
3時限 12 :50 ~ 14:10 (講習:80分)
4時限 14 :20 ~ 15:40 (講習:80分)
5時限 16 :20 ~ 17:00 (修了認定試験:40分)
8月20日(月) 生徒理解に基づく支援と指導
  講師 講座名 講座内容
1時限
9:00
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10:20
本学教授
改田明子
不登校の心理的支援 不登校の問題について、生徒の成長につながる心理的支援の在り方を考察する。特に、問題の原因追究にこだわりすぎず、生徒の状況に応じた柔軟な対応をそのつど構成していく姿勢は重要である。ここでは、具体的事例を使いながらスクールカウンセラーなどの心理専門職の関わり方を紹介し、生徒の状況を把握する観点や生徒を含む当事者の協力的な関係を育むための支援方法について解説する。
2時限
10:30
|
11:50
東京都立
永福学園
校長
小林 進
発達障害の生徒への
具体的な支援のあり方
都立永福学園高等部職業学科は、知的障害が軽い生徒全員(1学年100人)の企業就労の実現を目指して、平成19年度に開設された。第一期生は96%、第二期は90%の生徒が就職を果たし、今年度卒業する第三期生も本年二月末の段階で、就職内定者が90%以上となっている。
一方、本学科は、知的障害が軽い生徒を対象としたことによって、発達障害の特性を併せ有する生徒が多数在籍しており、対人関係上のトラブルや集団活動への不適応、学校外での反社会的な行為など、生活指導上の問題が頻繁に発生する現状もあり、臨床発達心理士等と連携して個々の生徒への膨大な生活指導の積み重ねを続けている。
本講習では、自閉症やADHD、学習障害等の発達様障害を含む様々な障害特性や生活指導上の理解を深め、具体的な支援の在り方を考察する。
3時限
12:50
|
14:10
本学教授
小渕 朝男
中・高校生の生活指導、キャリア教育としての進路指導の在り方について学ぶ ①中等教育学校における生活指導の位置と役割を考える。②中学校・高校における「学び」と生活指導の現実。③生活指導実践の諸側面の検討(学級指導・学年指導・行事の指導・生徒会指導・部活指導etc)。④生活指導と学校づくり・地域づくり。⑤現代の若者と人生設計の現状。⑥キャリア教育としての進路指導と共通教養への展望。⑦中学校における社会体験学習の現状。⑧高等学校における進路指導の現状。⑨進路指導の課題を考える。
4時限
14:20
|
15:40
本学教授
小渕 朝男
5時限 修了認定試験(16:20~17:00)
※本講習における講師について、変更することがあります。
8月21日(火)現代文の教材と指導法《中学国語・高等学校国語教諭向け》
  講師 講座名 講座内容
1時限
9:00
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10:20
本学教授
五井 信
小説の言葉、
詩の言葉
最近の研究状況のなかから、中学校・高等学校の先生方にも興味を持っていただけるような話をいくつかするつもりです。中学校・高等学校の教科書に掲載されている詩や小説を題材に、授業を行ううえで背景として知っておくと授業での幅が広がる、そのようなお話ができればと願っています。具体的には「タイトル」や「主人公」「地の文と会話文」「技法」「構造」……といった、「読み」の前段階ともいえることについてお話しします。
2時限
10:30
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11:50
本学教授
五井 信
3時限
12:50
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14:10
本学准教授
瀧田 浩
近現代評論文 高等学校の教科書に採録されることの多い、丸山眞男の『「である」ことと「する」こと』を、3時限、4時限連続でとりあげる。3時限においては、文脈の読解を中心に進めることとし、二項対立をはじめとした構造理解の方法をさぐる。
4時限
14:20
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15:40
本学准教授
瀧田 浩
丸山眞男の『「である」ことと「する」こと』を、3時限に引き続きとりあげ、他の教科書掲載作品(森鷗外「舞姫」・夏目漱石「こころ」など)と共有される問題意識に留意した上で、日本の近代化をめぐる問題との接続をはかりたい。いくつかの文献を紹介・検討しながら、どのような説明が現代の生徒たちに有効なのかを考えたい。
5時限 修了認定試験(16:20~17:00)
※本講習における講師について、変更することがあります。
8月22日(水)古典の教材と指導法 《中学国語・高等学校国語教諭向け》
  (注:「書道の教材と指導法」と同時に受講することはできません。)

  講師 講座名 講座内容
1時限
9:00
|
10:20
本学教授
山崎 正伸
教材としての
『伊勢物語』
多くの教科書に採られている『伊勢物語』について、初段から東下りまでを中心に、時間の制約で若干の省略をするやも知れないが、現在の研究とその資料を提示したい。
また、授業で活用できる資料のありかと、その資料の活用の実際も具体的に示したい。しかし、80分の授業時間のため、直接的に授業で扱う資料と、持ち帰って活用していただきたい資料も掲載する。それらの資料によって歌語り歌物語作品の本質を考える。
2時限
10:30
|
11:50
本学教授
磯 水絵
『方丈記』を読む 今年は『方丈記』ができて800年という記念の年に当たり、各地で展覧会や講演会が企画され、雑誌の特集や関係本の出版も予定されている。そこで、『徒然草』と並ぶ中世隠者文学の代表的作品、鴨長明の『方丈記』を取り上げる。昨年3月の災害にも通じる京都の五大災厄の記述を前半に有するこの作品は、世の無常を描くが、その無常とは「変化して止まない」ことである。自然を受け入れ、そこから復興に立ち上がるのも、また、無常なのである。
3時限
12:50
|
14:10
本学教授
吉崎 一衛
漢詩の指導 教科書に収録されている中国や日本の漢詩の殆どは、紀行詩である。それだけにその背景にある風土や文物などの理解が求められる。本講座では、これらを具体的に示しながら、教材研究をしていきたい。その上にたって、どのようにして生徒の興味や関心を抱かせることができるか工夫した授業について考えていきたい。
4時限
14:20
|
15:40
本学教授
高山 節也
論語解釈の問題点
―學而篇「有子曰、其爲人…」の章について―
『論語集註』は、宋学の大成者、朱熹の『四書章句集註』の一つとして、近世日本において最も重きをなした文献である。その註釈は権威あるものとして、昌平黌や各藩校等で教授されたが、現在では朱子の解釈とは異なる読み方が定着している部分もある。なぜそのような違いが発生したのかも含めて、その一例を挙げ、古典籍における註釈の持つ意味にもスポットをあててみたい。
5時限 修了認定試験(16:20~17:00)
※本講習における講師について、変更することがあります。
8月22日(水)書道の教材と指導法《高等学校書道教諭向け》
  (注:「古典の教材と指導法」と同時に受講することはできません。)

  講師 講座名 講座内容
1時限
9:00
|
10:20
本学准教授
高澤 浩一
隷書の指導法 隷書を指導する上での資料は、従来石刻関係のものが多く、肉筆史料は少ない状況にある。
しかし今年では木簡・竹簡の出土がおびただしく、書写活動における一次史料を提供してくれている。
よって、この講習のねらいは、それらの一次史料を考慮した上で、特に隷書体の筆順に着目し、隷書学習時における筆順指導をいかに行うかについて検討してみたい。
その上で従来指導してきた石刻関係の隷書を、いかに指導すべきかを考え直す内容である。
2時限
10:30
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11:50
本学教授
福島 一浩
仮名の指導法 書道科授業の中で仮名の古典を実物大で臨書することは字数が多く容易ではない。漢字古典を学ぶように字数を減らし大きく臨書することにより線の内容が掴み易くなる。単に打ち込まれた形のみの一字ではなく刻々と変わる感情の機微を感じることや、連綿美も単なる連続に留まらず運筆から生み出される仮名美、複数文字による仮名美を自分の中に宿していくことにより仮名を愛好する心が養われる。今回は単体と連綿(文字群)を高野切、寸松庵色紙、本阿弥切、関戸本古今集などを中心としながら実物の200%~400%拡大を小筆や硬筆を用いて学び、この方法の習慣化により実物大での鑑賞や臨書に役立てたい。
3時限
12:50
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14:10
本学准教授
高澤 浩一
行書の指導法 行書については、日常書写活動の中で今日最も多く使用されているが、書の歴史を見る上では、その発生から発達段階に至るまで明白にされていない。更には、行書という語義についても不明である。よってこの講習においては、その語義について文献上より考究するとともに、近年出土の木簡や竹簡といった肉筆史料から、その発生を探り、どのように行書が誕生し発達してきたかを考察する内容である。
4時限
14:20
|
15:40
本学教授
福島 一浩
漢字仮名交じりの指導法 心に響く言葉を集め暗唱したり書くことによって言葉に重みがでて、自分に染みこみ心の力となる。この言葉を今回は漢字と仮名の古典から文字を選択し、構成では元永本古今集や三色紙を応用、さらに他ジャンル<音楽、絵画、写真など>にも拠り所を求めながら書の表現に生かしてみたい。半紙以外に「色紙」や「葉書き」「しおり」など日常にも生かすことで一層、言葉が自分のものになるよう、硬筆を含めて検討する。
5時限 修了認定試験(16:20~17:00)
※本講習における講師について、変更することがあります。