GREETING

学長ごあいさつ

伝統に新しい風を吹き込む

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二松学舎大学は平成29年に創立140周年を迎えます。
明治10年に漢学塾として創立されて以来、時代の変化の中で社会のニーズに応えながら大正、昭和そして平成の今日に至りました。漢文・漢学が知識人としての素養であった明治から大正にかけて、二松学舎は多くの塾生を抱え東京の三大塾と称されるほどでした。司法省法学校、陸軍士官学校などが漢文を入試に課していたこともあり、塾生には司法官や軍人の志望者が多かったと言われます。昭和3年には、中等学校国語・漢文科教員養成を目的とする二松学舎専門学校を開設、優秀な人材を養成して教育界に送り「国漢の二松学舎」と謳われるようになりました。そして昭和24年、新制大学二松学舎大学に移行し、中国文学科と国文学科の二学科からなる文学部だけの単科大学として出発致しました。「国漢の二松学舎」は健在で、戦後も数多くの国語の教員を日本全国の中学校、高等学校に送り出して来たのみならず、中国文学、国文学の研究者や書家も多数輩出して参りました。

このように本学は長いこと単科大学でありながら日本の教育界に大きく貢献して参りましたが、平成3年、新たに国際政治経済学部を創設いたしました。戦後の冷戦が終結し世界がグローバル化へ向かう中で、日本国内のみならず国際的な政治情勢、経済事情そして法行政に関してしっかり知識をつけ、複雑な国際社会を理解し、国際社会に貢献できる人材の養成に着手したのです。国際政治経済学部からは、公務員だけではなく国際機関、企業の海外支社で働く卒業生も数多く出てきています。

この20年間にグローバル化はいっそう進展し、国際的な競争が熾烈になる一方で、日本の社会や経済の成長は鈍化しつつあり、少子化による18歳人口の減少も進んでいます。こうした状況の中で、今日、日本の大学はその在り方を問われていると言えるでしょう。本学も伝統を維持しつつ新たな風を入れ、革新を図っていくことが求められています。

二松学舎大学は、長い伝統の中で継承されてきた水準の高い教育を、これからも学生に提供し、教育のさらなる充実を進め、質を保証して参ります。思考力、判断力、表現力などあらゆる力の基礎としての『国語力』を重視しながら、グローバル社会を逞しく生き抜いていく力を育て、学生ひとりひとりの人間としての成長を支えていきたいと思います。

学校法人二松学舎 学長 菅原淳子