GREETING

理事長ごあいさつ

いままでの140年、これからの140年

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二松学舎は、明治10年(1877年)10月に、明治の漢学者であり法律家であった三島中洲先生により、東京・九段の地に漢学塾二松学舎として創設されたことに端を発しており、爾来138年の歳月を経て、平成29年(2017年)に創立140周年を迎えます。「東洋の精神による人格の陶冶」「己ヲ修メ人ヲ治メ一世ニ有用ナル人物ヲ養成ス」を建学の精神として、道徳心を基に倫理観を醸成することを、教育の基本理念に置き、誠実で真面目、豊かな人間力を身につけた、真の国際人を育成することを使命として、教育を行って参りました。

漢学塾創設後、昭和3年には、文部省所定の中等学校国語・漢文科教員養成を目的とする専門学校の設立を経て、昭和23年には二松学舎高等学校、同24年には二松学舎大学、同44年には附属沼南[現柏]高等学校、平成23年には、附属柏中学校を設立してきました。創立以来、夏目漱石、犬養毅、嘉納治五郎、平塚雷鳥など多くの有為な人材を輩出し、また、舎長には渋沢栄一、吉田茂など政界、実業界の重鎮が就任、新制大学移行後は、中学校・高等学校教員の輩出校として、社会的な評価を得てきました。

さて、現在我が国は少子高齢化の加速、グローバル化、知識基盤社会の進展により、社会制度・構造が大きく変化し、複雑化しており、大学教育に対しての社会ニーズも多様化しております。この中にあって、本学の長期ビジョン、「N'2020PLAN」で策定した本学の人材育成方針は、人々の長い歴史的な経験や英知が詰まっている古典に重きを置き、その原点である「国語力」の習得を軸としています。この方針は、人間の考え方の根幹、本質を教え、「豊かな人間力」をつける教育により、複雑化、混迷化する現代社会を生き抜き、よりよい社会の構築に貢献する人材を育成することを目的としており、我が国の未来を担う若者たちの教育において、本学が果たす役割は非常に大きいと考えております。本学がこれまで極めて長い間、教育機関としての使命を果たしてきたのは、この建学の精神に基づく本学の教育と研究の方針が、社会から評価され、必要とされてきたからにほかなりません。

今後も、創立以来の私共の建学の精神に基づいた教育理念を継承しながら、予想される内外環境の激変などさまざまな事象に対応できる知恵を古典から生み出し、将来の発展につなげていくなど、建学の精神に則とった人材を育成していくことが、私共に与えられた使命であると確信しており、この方針の下、これからの140年に向かって進んで行きたいと考えております。

学校法人二松學舎 理事長 水戸英則