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理事長トピックス

平成27年度 入学式 祝辞

二松學舍大学 入学式祝辞

平成27年4月6日


 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。皆さんの門出を心からお祝いいたします。
 二松學舍は、本年創立138年を迎えます。「国漢の二松學舍」、「国語力の二松學舍」として、わが国では非常に古い歴史と伝統を誇る学舎であります。皆さんはその大学で、これから勉学に努め、先生方の薫陶を受け、新しい友人をつくり、さまざまな活動に励む日々を送ることになります。失敗や進路で悩むこともあるかもしれません。しかし、皆さんがこの大学で自分のやりたい分野を見つける、皆さん自身の人生の基盤を見つけるという気持ちで勉学を続ける限り、二松學舍大学は、皆さんをさまざまなかたちで指導し、支援していきます。
 入学生のご家族の皆様にも、お祝いを申し上げます。本日の入学式に御列席賜り誠にありがとうございます。皆様もまた、本日から二松學舍とともにあります。壇上の多数の御来賓、学校法人二松學舍顧問、役員、名誉役員、松苓会会長、大学父母会会長、同役員、そしてすべての本学関係者とともに、皆さんをこのキャンパスにお迎えできたことを心からお慶びいたします。
 さて、今後大学生活送る上で、入学生の皆さんに是非念頭において頂きたいことを2点申し上げます。

 第1点は、大学で何を学ぶかについてです。
 4年後には、皆さんは大学を卒業して就職したり、研究の世界に入るなど、一般社会に進路を求めます。その社会、世の中には、いろいろな背景を持った人が、いろいろな考え方をもって、働き、研究活動をしています。そうです。世の中は多様な価値観であふれています。その多様な価値観の中で、皆さん自身が「自分は卒業後どのように生きていくのか」、「自分を取り巻く環境や社会に対して、自分がどのように関わっていくのか」の答えを求めるため、これからの4年間、大学で学ぶわけです。言い換えれば、大学での学びは、自分の納得する価値観である、生涯やりたい研究や分野を見つける場であり、この学びこそが皆さんのこれからの人生を決めることに繋がります。
 また、大学は、学問以外のいろいろな知識を修める場所でもあります。先生や友人などたくさんの人と出会い、交流し、サークル活動やボランティア、インターンシップなどの諸体験を通じて、人生に必要な人間関係の基礎を学ぶ場でもあります。
 大学生活は、非常に自由です。人生において、最も自由な期間であり、この期間にしかできないことがたくさんあります。だからこそ、ただ漠然とこの時間を浪費するのではなく、やりたい学問を皆さん自身で選び、皆さんの人生をデザインするために有意義に過ごす努力をしてください。
 大学在学中、皆さんには積極的に勉強し、いろいろな経験を積んで頂きたい。これから皆さんが出会う諸先生方は、各々その道の専門の研究者であり、研究を踏まえて皆さんを指導・教育していきます。専門分野は勿論のこと、先生自身、大学でどのように学んだのか、その他人生のことなど、質問し、多くのことを学び取って頂きたい。いろいろな分野の人とコミュニケーションを交わしながら、その切り口を吸収し、開拓していく、そして在学中に何か、自分はこれでいけるという分野を掴んで欲しいと考えております。さらにこれらに加え、課題解決力、想像力、社会的責任能力など、社会で生き抜く力、すなわち豊かな人間力をも身に就けることができるよう、二松學舍大学は皆さんを導いていきます。

 第2点は、「二松學舍精神を学んでほしい」ということです。
 皆さんは、既にキャンパスライフを手にされたと思いますが、その冒頭に本学の建学の理念、教育の理念が記載されています。138年前の明治10年、三島中洲先生により、大学の前身である漢学塾二松學舍が、これから皆さんが学ぶ九段1号館の地に創設されました。二松學舍創設時、中洲先生が唱えたのは、「東洋の精神による人格の陶冶」、「己ヲ修メ、人ヲ治メ、一世ニ有用ナル人物ヲ養成スルニアル」という言葉であり、これが本学の建学の理念です。「東洋の精神」の根本には、「人として踏み行うべき正しい道」、道徳心をもとに、倫理観を身に就けることが、人格形成のスタートであり、その上で自国の文化を正しく理解し表現することができる真の国際人の養成を目指すということを説いています。したがって、皆さんには、この「東洋の精神」、二松精神を自らのものとし、二松學舍大学の学生として「社会的責任能力を有し、グローバル化や知識基盤社会が進む中で、より良き社会、世界を実現する人材」に育ってほしいと思います。

 新入生の皆さん、どうかこの貴重な4年間、充実した学生生活を過ごしてください。その年月は必ず、皆さんの未来の、しっかりした基盤になると考えます。これをもってわたくしの祝辞と致します。

平成27年度 入学式祝辞
附属高等学校 ― 4月8日 ―
附属柏中学・高等学校 ― 4月7日 ―

 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。皆さんの門出を心からお祝いいたします。二松學舍は、今年10月10日に創立138周年を迎えます。「国漢の二松學舍」として日本でも古い歴史と伝統を誇る学舎であります。皆さんはその大学の(中学校)附属高校に入学します。
 皆さんはこれから一生懸命勉強し、先生方の教えを受け、新しい友人をつくり、さまざまな活動に励む日々を送ることになります。失敗したり、進路で悩むこともずいぶんあるかもしれません。しかし、皆さんが、皆さん自身の能力を見つけるために一生懸命勉強するという強い志を持っているかぎり、附属高等学校(附属柏中学・高等学校)は必ず皆さんを応援し、指導していきます。
 ご家族、保護者の皆様にも、心からお慶びを申し上げます。本日の入学式にご列席を賜り誠にありがとうございます。皆様もまた、本日から二松學舍とともにあります。すべての本学関係者とともに、本日、皆さんをこのキャンパスに迎えたことを心から慶びたいと思います。
 さて、これから皆さんが(中学)高校生活を送っていく上で、念頭に入れておいていただきたいことを2点申し上げます。

 まず第1点は、(中学)高校の勉強をどう進めていくかということについてです。入学生の皆さんは、全員が将来に向けて伸びていく素質とその能力を持っています。問題はその素質と能力に皆さん自身が気づくかどうか、その素質と能力を育てることができるかどうかであり、それは皆さんのこれからの勉強の仕方で決まってきます。
 国語、数学、理科、外国語、家庭、情報、地歴、公民、芸術、保健体育など、皆さんはこれから非常に広い範囲を学習します。何故ならば、それは皆さんが将来進む道を決めるとき、選択の幅を広げてくれるからです。皆さんは最初から全ての科目を、好き嫌いなく一生懸命勉強してください。これらの学習をしていくうちに、皆さんが、将来どの分野で自分の素質や能力を伸ばしていけるのか、得意な科目、やりたい分野に気づいてきます。そして同時に、いつも世の中を見る範囲を広げるように心がけて下さい。社会への関心、すなわち世の中がどう動いているか、日本で何が起きているか、世界で何が起きているか、日頃から幅広く関心をもって観ていくことが必要です。そうしていると、みなさんが将来、この社会に対してどう係わりを持っていきたいのか、皆さんのやりたいことを実現するためには、どういう勉強をすべきか、どんな科目が関連しているのか、そして、理系、文系、芸術系、体育系など、どういう系統の大学に進学するべきか、進路が自然と見えてきます。大学受験の時に将来の選択が決まります。それまでの準備期間としての(中学)高校での勉強の進め方は極めて大切です。

 2点目は、二松學舍の精神を学んで欲しいと思います。附属高校(附属柏中学・高等学校)の教育の方針は、「仁愛、正義、誠実、弘毅」(「仁愛、正義、誠実」)という4つ(3つ)の言葉で構成されています。皆さんは、これらの意味を、「論語」という授業の中で学ぶことになります。「仁愛」は人に対する思いやりの心をもつことです。お父さんやお母さん、友だち、先生などに対して、思いやりの心で接するようにしてください。「正義」はルールを守ることです。学校にもルールがあります。ルールを守って行動してください。「誠実」は、私利私欲のない、偽りのないという意味です。嘘をつくことはやめましょう。最後に「弘毅」は意思強く、辛抱強くすることです。辛抱強く勉学に励んで頂きたいと思います。この4つ(3つ)の言葉を心に刻んで、態度や行動に移して欲しいと思います。

 私ども二松學舍大学附属高等学校(附属柏中学・高等学校)は、以上の点について、皆さんを今後導いていきたいと考えています。どうか、この貴重な3年間、充実した学校生活を過ごしてください。その年月は必ず、皆さんの未来のしっかりした基盤になると考えます。

 本日は誠に、おめでとうございました。