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理事長トピックス

平成26年度 入学式 祝辞

二松學舍大学 入学式祝辞

平成26年4月3日

 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。皆さんの門出を心からお祝いいたします。二松學舍は、本年創立137年目を迎えます。国漢の二松學舍、国語力の二松學舍として、わが国では非常に古い歴史と伝統を誇る学舎であります。皆さんはその大学で、これから勉学に努め、先生方の薫陶を受け、新しい友人をつくり、さまざまな活動に励む日々を送ることになります。失敗や挫折、悩むこともあるかもしれません。しかし、皆さんがこの大学で人生の目的、自己の確立、価値ある夢をみつけるという志で勉学を続けられるよう、二松學舍大学は、皆さんを様々なかたちで支援、応援をしていきます。また、ご家族の皆様にも、心よりお慶びを申し上げます。本日の入学式に御列席賜り誠にありがとうございます。皆様もまた、本日から二松學舍とともにあります。壇上の多数の御来賓、学校法人二松学舎顧問、役員、名誉役員、松苓会会長、大学父母会会長、同役員、そしてすべての本学関係者とともに、皆さんをこのキャンパスにお迎え出来たことを心からお慶びいたします。
 せっかくの機会ですから、入学生の皆さんにこれからの学生生活を送る上で、念頭において頂きたいことを二点申し上げます。

 第一点には、はっきりとした目的を持って大学生活を送って欲しいということです。
 皆さん、大学進学の目的は、いい企業に就職するため、将来なりたいものがあって必要な研究・勉強をするため、とくに目的はなくただ来た人など、十人十色だと思います。
 では大学がどういう場所であるか、それは、「自主的な学び」を通して学問を探求する場です。この活動を通して、自分がやりたい研究や分野を見つける場であり、この活動が皆さんのこれからの人生を決めることに繋がります。また、大学は、学問以外のいろいろな知識を学ぶ場所でもあります。先生や友人などたくさんの人と出会い、交流し、サークル活動やボランティア、インターンシップなどの経験を通じて、人生に必要な人間関係の基礎を作り上げる場でもあります。
 大学生活は、非常に自由です。高校時代のように学校の厳しい管理もありません。大学在学中が人生において、最も自由な期間であり、その期間にしかできないことが沢山あります。だから、ただ漠然とこの時間を浪費するのではなく、自分の何に活用するのか、例えば自己の確立、人生の目的などを獲得するといったことを明確にして、大学生活を送っていくことが必要です。
 したがって、大学在学中、皆さんは主体的に勉強し、いろいろな経験を積んで頂きたい。これから皆さんが出会う諸先生方は、各々その道の専門家です。専門分野は勿論のこと、人生のこと、大学の学問とは何か、自己の確立とは何かなど、わからない点も含めどんどん先生に質問して、多くのことを学び取って頂きたい。そして、四年間の学部生活で履修した学問を通じて、基礎、専門の知識・学力に加え、表現力、分析力、コミュニケーション能力を身に付けながら、課題解決力、想像力、社会的責任能力など、社会で生き抜く力、すなわち豊かな人間力を涵養していって頂きたいと思います。そして、皆さんが一度持った夢や目的をあきらめないで欲しいと思います。

 第二点は、「二松學舍精神を学んでほしい」ということです。
 皆さんは、既にキャンパスライフや履修要綱を手にされたと思いますが、その最初に本学の建学の理念、教育の理念が掲載されています。さわりだけお話しします。今から137年前の明治10年、三島中洲先生により、大学の前身である漢学塾二松學舍が、これから皆さんが学ぶ九段1号館の地に創設されました。二松學舍大学のルーツです。二松學舍の名は、その塾の中庭に二本の松の古木があったことに由来しています。中洲先生は今の最高裁判所判事、後に大正天皇の漢詩・漢文の先生を努めたという偉い人物です。二松學舍創設時、中洲先生が唱えたのは、「東洋の精神による人格の陶冶」。漢学を教授することにより、「己ヲ修め、人ヲ修メ一世ニ有用ナル人物ヲ養成スルコトニ在リ」と説いております。これが本学の建学の理念です。「東洋の精神」の根本には、「人として踏み行うべき正しい道」、すなわち道徳心をもとに、倫理観を涵養することが、人格形成の基本である、また西洋文明を理解するには東洋の文化、わが国の文化をよく理解してから臨むべきであるとの考え方があります。皆さんには、この「東洋の精神」、すなわち二松精神を自らのものとし、二松學舍大学の学生として「社会的責任能力を保持し、グローバル化や知識基盤社会化が進む中で、道徳心、倫理観に溢れ、よりよき社会を実現する人材」に育って欲しいと思います。

 以上、二点をお願いしておきます。今後皆さんがこれらのことに努め、これから四年間、切磋琢磨して、さらに成長していくことを心より期待して、私の祝辞と致します。

 皆さんご入学おめでとうございます。

附属高等学校 入学式祝辞

平成26年4月8日


 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。満開の桜の中、皆さんの新しい門出を心からお祝いいたします。二松學舍は、本年創立137年目を迎えました。国漢の二松學舍、国語力の二松學舍として日本でも有数の古い歴史と伝統を誇る学舎であります。皆さんはその大学の附属高校に入学します。
 皆さんはこれから一生懸命勉強し、先生方の教えを受け、新しい友人をつくり、さまざまな活動に励む日々を送ることになります。失敗や挫折、悩むこともずいぶんあるかもしれません。しかし、皆さんが勉強するという強い志を持ち続けられるよう、附属高校は必ず皆さんを応援していきます。
 ご家族、保護者の皆様にも、本日の入学式にご参列頂き、大変感謝しております。また心からお慶びを申し上げます。皆様もまた、本日から二松學舍とともにあります。本日、ご列席のご来賓のすべての皆様とともに、そしてすべての本学関係者とともに、皆さんをこのキャンパスにお迎え出来たことを心から慶びたいと思います。

 さて、これからの高校生活を送るにあたり、皆様に本学生徒として心がけて欲しいことを三点申し上げます。
 まず第一点は、二松學舍の精神を学んで欲しいと思います。附属高校の教育方針である校訓は「仁愛、正義、誠実、弘毅」という四つの言葉で構成されています。皆さんは、これらの意味を、これから三年間、孔子という中国の昔の立派な先生の言葉をまとめた「論語」の授業の中で学ぶことになると思います。まず仁愛は人に対する思いやりの心をもつことであり、家族や友達、先生などに対し思いやりの心で接するようにしてください。正義はルールを守ることです。学校にもルールがあります。ルールを守って行動してください。誠実は、私利私欲のない、偽りのないという意味です。嘘をつくことはやめましょう。最後に弘毅は心にゆとりがあること、また意思強く、辛抱強くすることです。辛抱強く勉学に励んで頂きたいと思います。この四つの言葉を刻んだ額が、附属高校の校門を入り、大ホールの正面に飾ってあります。

 第二点は、附属高校の生徒として自覚と責任をもった行動することです。自覚とは皆さんが二松學舍大学附属高校の生徒となったということです。責任とは、学校、家庭の規則に従い、先生や家族の皆さんが教えることを守ることです。当校は、今年で創立66年目を迎えます。卒業生は1万6千人を超え、東京都内はもとより、全国各地の色々な分野で活躍しておられます。皆さんは、常に、附属高校の生徒として、また、伝統を引き継ぐ後輩として、社会から、先輩から、注目されています。「さすが附属高校の生徒!」と言われるように、自覚と責任ある行動を心掛けて欲しいと思います。

 そして、第三点は、将来を見つめる幅広い視野、すなわち皆さんがいつも見ている範囲を広げるように心がけてください。今のうちから、社会への関心、すなわち世の中がどう動いているか、日本で何が起きているか、世界で何が起きているか、例えば、安部首相やオバマ大統領とはどういう人か、TPP問題、消費税、円安とはどういう意味か、ユーロ諸国、中国、韓国、北朝鮮はどういう国か、再生エネルギー、地球温暖化の意味はなにかなど、日頃から広く関心をもって見ていれば、皆さんが、将来どういう人になりたいか、できること、しなければならないことなどが、自然に頭のなかに湧いてきて、自分がどの方向に進んだら良いかを知らせてくれるナビゲーションが皆さんの頭の中にできてきます。大学受験の時には、将来の方向を決める必要があり、早い時期から、視野を広げておくことは重要なことです。

 以上、①二松學舍精神、すなわち仁愛の心、正義の心、誠実の心、弘毅の心を持った人になって欲しいこと、②自覚と責任ある行動をとること、③将来を見つめる幅広い視野をもち、皆さんの頭の中にそれぞれの羅針盤を持って欲しいこと、三点を、お願いしておきます。
 高校生活は三年間です。長くて短いような時間ですが、皆さんが、ご家族の保護から離れ、大人への自立をしていくために大変大事な時期です。二松學舍は、そんな皆さんを、学校の先生方と共に惜しみなく、支えていきたいと思っています。皆さんも自主的に先生方から勉学を始め色々なことを吸収し、学んで下さい。そして皆さんの進む道を決めるのは皆さん自身であることを忘れないで下さい。今後三年間の更なる成長を期待して、私の祝辞といたします。

附属柏中学校・高等学校 入学式祝辞

平成26年4月8日
(代読:常任理事 野田 恒雄)


 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんの新しい門出を心からお祝いいたします。二松學舍は、本年創立137周年を迎えます。国語力の二松學舍として日本でも古い歴史と伝統を誇る学舎であります。皆さんはその大学の附属柏中学校・高等学校に入学します。

 皆さんはこれから一生懸命勉学し、先生方からいろいろなことを学び、新しい友達と出会い、部活などさまざまな活動に励む日々を送ることになります。失敗や計画していたことがうまく行かなくて嫌になることや、悩むこともたくさんあるかもしれません。しかし、皆さんがこの中学、高校で一生懸命勉強して行くという強い志を持って勉強をし続けることができるよう、私たちは皆さんを惜しみなく助け、応援していきます。

 ご家族、保護者の皆様にも、本日の入学式にご参列頂き、感謝申し上げます。また心からお慶びを申し上げます。皆様もまた、本日から二松學舍とともにあります。本日ご列席のすべてのご来賓の皆様、そしてすべての本学関係者とともに、皆さんをこの学び舎にお迎え出来たことを心からお慶びいたします。

 さて、これからの中学生活、高校生活をどのようなものにしていくかを考える時、皆さんに本学生徒として心がけて欲しいことを三つ申し上げます。

 まず、第一点は中学生、高校生ともに二松學舍の精神を学んで欲しいと思います。附属柏中学校・高等学校の教育方針は「仁愛、正義、誠実」という三つの言葉で構成されています。皆さんは、これから三年間、これらの意味を、孔子という中国の昔の立派な先生の言葉をまとめた『論語』という授業の中で学ぶことになると思います。まず「仁愛」は人に対する思いやりの心をもつことであり、『論語』の中で最も大切な言葉です。家族や友達、先生方などに対し、思いやりの心で接するようにしてください。「正義」は正しいことをする、道徳心をもって行動する、ルールを守ることです。「誠実」は、私利私欲のない、偽りのないという意味です。人を裏切ることや嘘をつくことはやめましょう。嘘をつくと大切な友達が離れていきます。この三つの言葉をよく頭に入れて、皆さんがそういう態度や行動ができるようにして欲しいと思います。

 第二点は、附属柏中学校・高等学校の生徒として自覚と責任をもった行動をすることです。自覚とは皆さんが柏中学校の生徒、柏高校の生徒となったと思う心です。責任とは、学校の先生や家族の皆さんが教える規則を守ることです。柏高校は、今年で創立45年目を迎えました。卒業生は1万人以上になり、柏市内、東京都内はもとより、全国各地のいろいろな分野で活躍しておられます。高校生の皆さんは、常に柏高校の生徒として、また、伝統を引き継ぐ後輩として、社会から、先輩から、注目されています。「さすが附属柏高校の生徒!」と言われるように、自覚と責任ある行動を心掛けて欲しいと思います。中学生も同様です。柏中学校の生徒として責任ある行動をとりましょう。

 そして、第三点は、将来を見つめる幅広い視野、すなわち皆さんがいつも見ている範囲を広げるように心がけてください。保護者の皆さんもこの点はご家庭でのご協力をお願いします。そして今のうちから、社会への関心を持ってください。世の中がどう動いているか、日本で何が起きているか、世界で何が起きているか、例えば、安部首相、オバマ大統領とはどういう人か、円安、消費税、TPP問題、地球温暖化とはどういう意味か、ユーロ諸国、北朝鮮、中国はどういう国かなど、日頃から広く関心をもって見ていれば、自分が将来どういう人になりたいか、出来ること、しなければならないことなどが、自然に頭の中に湧いてきて、自分がどの方向に進んだら良いかを知らせてくれる羅針盤が皆さんの頭の中に出来てきます。中学生は高校生になる時、高校生は大学受験の時に将来の方向を決める必要があります。そのためにも、早い時期から、視野を広げておくことは重要なことです。そういう意味で皆さんの頭の中に羅針盤を持つことは大切なことです。北校舎の横ある羅針盤はその象徴です。是非見ておいてください。

 以上、①二松學舍精神、すなわち「仁愛」の心、「正義」の心、「誠実」の心を持った人になって欲しいこと、②自覚と責任ある行動をとること、③将来を見つめる幅広い視野をもち、皆さんそれぞれの羅針盤を持って欲しいこと、この三点に加え、中学生は何事も先生やご両親に相談することをお願いしておきます。

 中学生活も高校生活も三年間です。長くて短いような時間ですが、皆さんが、ご両親の保護から離れ、それぞれの段階から自立していく為に大変大事な時期です。二松學舍は、そんな皆さんを、学校の先生方と共に惜しみなく、支えていきたいと思っています。皆さんの今後三年間の更なる成長を期待して、祝辞といたします。