理事長トピックス一覧へ

理事長トピックス

平成24年度 入学式祝辞

平成24年度 二松學舍大学 入学式 祝辞(4月3日)

 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。皆さんの門出を心からお祝いいたします。二松學舍は、今年10月10日に創立135周年を迎えます。国漢の二松學舍としてわが国で古い歴史と伝統を誇る學舍であります。皆さんはその大学に入学します。皆さんは、これから勉学に努め、先生方の薫陶を受け、新しい友人をつくり、さまざまな活動に励む日々を送ることになります。失敗や挫折、悩むこともあるかもしれません。しかし、皆さんが勉学を続ける志を持っていく限り、二松學舍大学は必ず皆さんを応援していきます。ご家族の皆様にも、心からお慶びを申し上げます。皆様もまた、本日から二松學舍とともにあります。壇上の御来賓も含めご列席のすべての皆様とともに、そしてすべての本学関係者とともに、皆さんをこのキャンパスに迎えたことを心から慶びたいと思います。

 せっかくの機会ですから、ここでは入学生の皆さんに本学学生として心がけて欲しいことを二つ申し上げます。第一には、勉学に対する姿勢についてであります。すなわち、「全ての勉強に無駄はない」と言うことです。大学は皆さんに様々な講義を準備しています。文学部、国際政治経済学部、大学院あわせて開講科目数は1100以上になります。これから四年間、この中から皆さんが選んでいくわけですが、全ての勉強に無駄はありません。色々な勉学にチャレンジしてください。
 これに関連して逸話があります。昨年亡くなった米国アップル社CEOスティーブ・ジョブズの言葉で、「connecting the dots」、すなわち「点と点をつなぐ」という話です。彼は、大学を半年で退学、その後“モグリ”で聴講したのがカリグラフィー、装飾文字の一種ですが、彼はこれをほぼマスターしました。その十年後、「マッキントッシュパソコン」を開発する時、カリグラフィーの技術がPCに取り込まれ、完成したのは、美しいフォント機能を備えた世界初のPCでした。「カリグラフィーという学問の点」と「マッキントッシュパソコンという点」がつながったのです。ジョブズが回顧します。「大学にいた頃は点と点を先まで読んで繋げてみることは、考えても見なかった。しかし、十年後振り返ってみると、あの点とあの点が結びついたとハッキリわかった。」と。従って皆さん、これから採る学問が現在バラバラの点であっても、将来それが何らかのかたちで必ず繋がっていくのだということです。それは皆さんのやる気、継続性であり、点が繋がって道となることを信じることであり、そういう態度で勉学に臨んで欲しいということです。

 第二点は、「二松學舍精神を学んでほしい」ということです。
皆さんは、既に、キャンパスライフや履修要綱を手にしたと思いますが、その最初に本学の建学の理念、教育の理念が掲載されています。さわりだけ話しておきます。今から135年前、明治10年、大学の前身である漢学塾二松學舍が、これから皆さんが学ぶ九段の1号館の地に三島中洲先生、この人は当時大審院判事〔今の最高裁判所判事〕、後に大正天皇の待講〔天皇に漢詩を教える先生〕であったという偉い人ですが、創設されました。塾は本塾と離れの柳塾、梅塾と3つあり、本塾の中庭に二本の松の古木があり、それが二松命名の由来となっております。學舍創設時、中洲先生が唱えたのは、「東洋の精神による人格の陶冶」であり、「漢学を教授することによって、一世に有用なる人材を育成すること」にあると説いております。これが本学の建学の理念です。135年前、明治10年頃の当時は西洋学が主流でありましたが、その中でなぜ漢学かと言うと、漢学は、中国の孔子、老子などの先人たちの教え、すなわち、「人が踏み行うむべき正しい道、すなわち、道徳を根底とした心を持ち、倫理観を涵養することが、人格形成には必要と説いており、この精神を教えることが、人材育成には、必要と考え、これを東洋の精神と捉えて教えたわけです。
 皆さんには大学在学中に、この「東洋の精神すなわち二松精神」を自らのものとするように学んでもらいたいと思います。二松大生として「道徳心を持ち、倫理観に満ち溢れた人」となる、その精神を自分のものとして、そのような立ち居振る舞いが出来るようになって頂きたいと思います。

 以上、先ず「四年間、色々な勉強にチャレンジして頂きたい。将来きっと点と点が繋がる時が来るということ」、次に「二松學舍の精神を磨き、道徳心を持ち、倫理観に優れた人材として育って欲しい」という二つのことをお願いしておきたいと思います。皆さんがこれらのことに努め、これから四年間、切磋琢磨して、さらに成長していくことを心から期待して、私の祝辞と致します。皆さんご入学おめでとうございます。

平成24年度 二松學舍大学附属高等学校 入学式 祝辞 (4月8日)

 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。満開の桜の中、皆さんの新しい門出を心からお祝いいたします。二松學舍は、今年10月10日に創立135周年を迎えます。国漢の二松學舍として日本でも古い歴史と伝統を誇る學舍であります。皆さんはその大学の附属高校に入学します。
 皆さんはこれから一生懸命勉強し、先生方の教えを受け、新しい友人をつくり、さまざまな活動に励む日々を送ることになります。失敗や挫折、悩むこともずいぶんあるかもしれません。しかし、皆さんが勉強するという強い志を持っていくかぎり、附属高校は必ず皆さんを応援していきます。
 ご家族、保護者の皆様にも、本日の入学式にご参列頂き、大変感謝しております。また心からお慶びを申し上げます。皆様もまた、本日から二松學舍とともにあります。本日、ご列席のご来賓のすべての皆様とともに、そしてすべての本学関係者とともに、皆さんをこのキャンパスに迎えたことを心から慶びたいと思います。

 さて、これからの高校生活をどのようなものにしていくかを考える時、皆様に本学生徒として心がけて欲しいことを3つ申し上げます。

 まず、二松學舍の精神を学んで欲しいと思います。附属高校の教育の方針は「仁愛、正義、誠実、弘毅」という四つの言葉で構成されています。皆さんは、これらの意味を、これから三年間、中国の昔の立派な先生、孔子の言葉をまとめた「論語」の授業の中で教えてもらうことになると思います。先ず仁愛は人に対する思いやりの心をもつことであり、お父さんやお母さん、友達、先生など思いやりの心で接するようにしてください。正義はルールを守ることです。学校にもルールがあります。ルールを守って行動してください。誠実は、私利私欲のない、偽りのないという意味です。嘘をつくことはやめましょう。最後に弘毅は心にゆとりがあること、また意思強く、辛抱強くすることです。辛抱強く勉学に励んで頂きたいと思います。この四つの言葉をよく頭に入れて、皆さんの態度や行動に移して欲しいと思います。この四つの言葉を刻んだ額は、附属高校の校門を入り、大ホールの正面に飾ってあります。

 二つ目は、附属高校の生徒として自覚と責任をもった行動することです。自覚とは皆さんが二松學舍大学附属高校の生徒となったということです。責任とは、学校の先生やお父さん、お母さんが教える規則を守ることです。当校は、今年で創立64年目を迎えました。卒業生は1万5千人を超え、東京都内はもとより、全国の色々な分野で活躍しておられます。皆さんは、常に、附属高校の生徒として、また、伝統を引き継ぐ後輩として、社会から、先輩から、注目されています。「さすが附属高校の生徒!」と言われるように、自覚と責任ある行動を心掛けて欲しいと思います。

 そして、三つ目は、将来を見つめる幅広い視野、すなわち皆さんがいつも見ている範囲を広げるように心がけてください。今のうちから、社会への関心、すなわち世の中がどう動いているか、日本で何が起きているか、世界で何が起きているか、例えば、消費税、原子力発電、節電とはどういう意味か、ユーロ諸国、北朝鮮、中国はどういう国か、オバマ大統領はどういう人か、アメリカ大統領選とはどういうことなのか、地球温暖化、食糧危機とはなにか、など日頃から広く関心をもって観ていれば、皆さんが、将来どういう人になりたいか、出来ること、しなければならないことなどが、自然に頭のなかに湧いてきて、自分がどの方向に進んだら良いかを知らせてくれる羅針盤〔船や飛行機に方角や目的地を教える計器〕が皆さんの中に出来てきます。大学受験の時に将来の方向を決める必要があり、そうであれば、早い時期から、視野を広げておくことは重要なことです。

 以上、①二松學舍精神、すなわち仁愛の心、正義の心、誠実の心、弘毅の心を持った人になって欲しいこと、②自覚と責任ある行動をとること、③将来を見つめる幅広い視野をもち、皆さんそれぞれの羅針盤を持って欲しいこと、3点を、お願いしておきます。
 高校生活は三年間です。長くて短いような時間ですが、皆さんが、ご両親の保護から離れ、大人への自立をしていく大変大事な時期です。二松學舍は、そんな皆さんを、学校の先生方と共に惜しみなく、支えていきたいと思っています。皆さんの今後三年間の更なる成長を期待して、祝辞といたします。

平成24年度 二松學舍大学附属柏中学・高等学校 入学式 祝辞 (4月8日)

 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。満開の桜の中、皆さんの新しい門出を心からお祝いいたします。学校法人二松學舍は、今年10月10日に創立135周年を迎えます。国語と漢文の二松學舍として日本でも古い歴史と伝統を誇る學舍であります。皆さんはその大学の附属柏中学校、同柏高校に入学します。
 皆さんはこれから一生懸命勉学し、先生方から色々なことを教えてもらい、新しい友達と出会い、部活などさまざまな活動に励む日々を送ることになります。失敗や計画していたことがうまく行かなくていやになることや、悩むこともずいぶんあるかもしれません。しかし、皆さんがこの中学、高校で一生懸命勉強して行くという強い志を持って勉強をし続ける限り、私たちは皆さんを惜しみなく助け、応援していきます。
 ご家族、保護者の皆様にも、本日の入学式にご参列頂き、感謝申し上げます。また心からお慶びを申し上げます。皆様もまた、本日から二松學舍とともにあります。本日、ご列席のすべてのご来賓の皆様とともに、そしてすべての本学関係者とともに、皆さんをこのキャンパスに迎えたことを心から慶びたいと思います。

 さて、これからの中学生活、高校生活をどのようなものにしていくかを考える時、皆様に本学生徒として心がけて欲しいことを三つ申し上げます。

 まず、第一点は中学生、高校生ともに二松學舍の精神を学んで欲しいと思います。柏中学・高校の教育の方針は「仁愛、正義、誠実」という三つの言葉で構成されています。皆さんは、これらの意味を、これからそれぞれ三年間、中国の昔の立派な先生、孔子という先生の言葉をまとめた「論語」という授業の中で教えてもらうことになると思います。まず仁愛は人に対する思いやりの心をもつことであり、孔子先生が最も重んじた言葉です。お父さんやお母さん、友達、先生など思いやりの心で接するようにしてください。正義はルール、規則を守ることです。高校、中学別に学校の規則があります。規則を守って行動してください。誠実は、私利私欲のない、偽りのないという意味です。嘘をつくことはやめましょう。嘘をつくと仲間が少なくなります。この三つの言葉をよく頭に入れて、皆さんがそういう態度や行動が出来るようにして欲しいと思います。

 二つ目は、柏高校、中学校の生徒として自覚と責任をもった行動をすることです。自覚とは皆さんが柏中学の生徒、柏高校の生徒となったということです。責任とは、学校の先生やお父さん、お母さんが教える規則を守ることです。柏高校は、創立44年目を迎えました。卒業生は約1万人近くになり、柏市内、東京都内はもとより、全国の色々な分野で活躍しておられます。高校生の皆さんは、常に柏高校の生徒として、また、伝統を引き継ぐ後輩として、社会から、先輩から、注目されています。さすが「柏高校の生徒!」と言われるように、自覚と責任ある行動を心掛けて欲しいと思います。中学生も同様です。柏中学の生徒として責任ある行動をとりましょう。

 そして、三つ目は、将来を見つめる幅広い視野、すなわち皆さんがいつも見ている範囲を広げるように心がけてください。今のうちから、社会への関心、すなわち世の中がどう動いているか、日本で何が起きているか、世界で何が起きているか、例えば、消費税、原子力発電、節電とはどういう意味か、ユーロ諸国、北朝鮮、中国はどういう国か、オバマ大統領はどういう人か、アメリカ大統領選とはどういうことかなど日頃からこのように広く関心をもって観ていれば、皆さんは自分が将来どういう人になりたいか、出来ること、しなければならないことなどが、この自然に心の中に湧いてきて、自分がどの方向に進んだら良いかを知らせてくれる羅針盤〔船や飛行機に方角や目的地を教える計器〕が皆さんの頭の中に出来てきます。中学生は高校生になる時、どのような方向に行くか、凡その方向付けをする必要があること、高校生は大学受験の時に将来の方向を決める必要があり、そうであれば、早い時期から、視野を広げておくことは重要なことです。そういう意味で皆さんの頭の中に羅針盤を持つことは大切なことです。

 以上、①二松學舍精神、すなわち仁愛の心、正義の心、誠実の心を持った人になって欲しいこと、②自覚と責任ある行動をとること、③将来を見つめる幅広い視野をもち、皆さんそれぞれの羅針盤を持って欲しいこと、三点とこのほか、中学生は何事も先生やご両親に相談することを、お願いしておきます。
 中学生活も高校生活も三年間です。長くて短いような時間ですが、皆さんが、ご両親の保護から離れ、それぞれの段階から自立していく為に大変大事な時期です。二松學舍は、そんな皆さんを、学校の先生方と共に惜しみなく、支えていきたいと思っています。皆さんの今後3年間の更なる成長を期待して、祝辞といたします。