各学部・学科ホームページ
お問い合わせ
スペシャルコンテンツ

第8回 担当教員 五井 信  専門 日本近代文学、文学理論、カルチュラル・スタディーズ

表象文化講義②A(日本近代文学、文学理論、カルチュラル・スタディーズ)

講義内容

 2年次生以降が受講する、小説と映画の比較を基本にした講義です。小説分析の基本は1年次生のときに必修科目として受講しますが、この授業では、映画分析の基本を身につけることを第一の目標としています。

講義からの豆知識

 「いま自分に聞こえている音楽は、映画のなかの登場人物たちにも聞こえているのだろうか?」―。そんな疑問を持つだけで、映画の見方は変わるのだと思います。たとえば森田芳光監督の『キッチン』という映画では、どうしたってBGMだと思える音楽なのですが、登場人物がその音楽のリズムに合わせて踊るという、考えてみるととんでもないシーンがあらわれます。そしてもっととんでもないのは、ほとんどの人がそれに気がつかない、ということです。他の人が気がつかない点に気づいてニンマリする。けっしていい趣味ではないのでしょうが、なかなか気持ちのいい瞬間でもあります。じつは映画には、映画の文法というものがあり、それを身につけることで映画への接し方が変わります。先ほどの例でもわかるように、それほど難しいことではありません。ストーリーを追うだけの映画経験から、一歩踏み出して欲しいですね。

私の授業へのこだわり

授業風景

 私自身、映画研究の専門家ではありませんし、毎年観る映画の本数もけっして多いわけではありません。ただ文学研究とくに文学理論なんていうものを勉強してくると、映画を観ていてついつい、この場面を小説ではどう表現するだろう、なんて考えたりしてしまいます。あるいは、せっかく東京の真ん中に位置する大学に所属しているのですから、東京以外ではまず観ることのできない映画を第一に観たいと思っています。たとえば映画館でいえば、ポレポレ東中野、ラピュタ阿佐ヶ谷、イメージフォーラム、神保町シアター、フィルムセンター……などが多く足を運ぶ映画館です。これらの映画館では、けっして将来レンタルされることがないであろう映画が多く上演されています。学生たちにも「いま、そこでしか観られない映画を体験しよう」とよくいっていますし、そんな映画を授業で紹介したいと思っています。いままで観てきたのとは、ちょっと違う映画を観る機会を参加してくれる学生たちに提出したい、そんなことを願っています。

「二松学舎 国文学科のイチオシ講義!」一覧はこちら